やまざる通信(No.6−No.10)

 

やまざる通信 No.06

(2000年10月16日)


野菜の自給


私が田舎で暮し始めた目的のひとつは食料の自給自足です。今年は7畝(約200坪)ほどの畑で野菜の自給を目指しています。成果はまずまずで、キュウリ、トマト、ニガウリ、オクラ、レタス、ジャガイモなどが食べきれないぐらい出来ました。いま畑はサツマイモ、大豆、小豆、エゴマなどが収穫を待ち、大根、白菜、キャベツ、ほうれん草などの冬野菜が成長しています。


篠山の名産のひとつに丹波黒大豆があります。10月になると篠山の道路のあちこちに、にわか作りの黒豆枝豆直売所ができ一束600円ほどで売っています。15分ほどゆでて塩をまぶして食べると本当においしい。近所から頂いた黒豆を食べると、作った人によって大きさや味わいが少しずつ違うようにも思えます。今年はすぐ隣のKさんから頂いたものが一番よかった。私も30本ほど育ててみましたが、実入りが悪く失敗でした。来年はいいものを作ろう。


自給のためには、種の採取も重要なことです。販売されている種は耐病性があるとか、大きい実が取れるとかの生産者の都合がいい性質が出るようにした一代交配種がほとんどで、種を取っても親と同じものが出来ないので、毎年種を購入しなければならないようになっています。

私はできるだけ交配種を避け、自然農の仲間に分けてもらったり、在来種を扱う種屋さんから買った種を使っています。野菜の花が咲き、枯れるまで置いておくと、一本の株から1000個以上の種が取れます。これを毎年繰り返すと、その土地にあったおいしい野菜になっていくようで楽しみです。

(しかし時間がかかるな。)


介護研修


9月からホームヘルパー2級の研修会に参加しています。講義58時間、実技講習42時間、実習30時間の3ヶ月に渡るものです。


研修を通して、介護をする立場、介護を受ける立場それぞれに自分の身を置いて考えてみるいい機会になっています。ホームヘルパーの心得の中に、「介護を受ける人の訴えを傾聴し、受容し、共感する態度が重要であり、自分の考えや経験を相手に押し付けないこと」というのがありました。他人の話を聞かずに自分の考えや経験を得々と話す人が多いことを思うと、この心得のなんと難しいことか。


介護に限らず、人と自分との価値観や観念は異なることを分かった上で共感的態度をもって人と接することができれば、世の中の大方の揉め事はなくなるような気がします。

介護保健制度の下でヘルパー側はビジネス志向になり、利用者側は1割の自己負担金を払うのでヘルパーを雇っているという権利意識が強まっていると聞きました。介護の最前線では生々しい問題が多いですが、頼もしいヘルパーさんが多く世に出られることを願っています。

 研修後に私がホームヘルパーを職業として選ぶかどうかは決めていませんが、私が要介護状態になったときには、介護され上手になりたいと思います。


チルドレンズミュージアム


私の家から自転車で10分ほどの所に、廃校になった中学校跡地を利用して、篠山チルドレンズミュージアムの建設が進んでいます。「心とからだ」を中核テーマとし、「食と農」、「自然と科学」、「仕事と職業」を体験テーマとしています。来年7月オープンです。

このミュージアム支援のためのボランティア組織「ミュージアムクラブ」がこの9月に発足したので参加しました。たまたま入ったワークショップ支援部会では、まだどう活動していいか分からないまま、10月のミーティングでは、豆腐を手作りして食べようという事になっています。何かちょっと楽しそうでしょう。

テレビゲームやアニメのような仮想空間でなく、実物を使って子供も大人も夢中になって遊べる場を用意する手伝いができればと思います。 


(おわり)






やまざる通信 No.07

 (2000年12月25日)


畑の楽しみ


私の畑では冬野菜の大根、ニンジン、キャベツ、ハクサイが元気に育ち、小麦、エンドウ、ソラマメ、玉ねぎ、イチゴは小さな姿で冬を越す準備をしています。夏にはあれほど勢いのあった夏草は枯れて畑のカバーとなり、ナスビとオクラの枯れ木は倒れることなく冬を越します。


私が学んでいる自然農では草や野菜の根が作った土の中の微細な構造(根穴)が次の野菜の育つ環境として大切なものと考えていますので、畑は耕さず、出来るだけ踏まず、草や野菜を取るときには根を残して刈り、枯れた野菜や草も引き抜きません。


また、収穫した野菜の食べるところ以外は畑から持ち出さないようにしています。刈った草、ジャガイモやサツマイモの地上部分や大豆の茎、葉、莢など野菜の食べない部分は刈り取ったその場に戻し、畑の上に敷いて自然に土に返します。


刈った草等が土を覆っていると直射日光がさえぎられ湿度が保たれるので、土中の微生物や小動物が住みやすい環境になりほっこりとした土になっていきます。さらに地上で野菜と草が適度に共存していると野菜は健康で虫に食べ尽くされるというようなことはなく、農薬がなくても野菜が作れます。


野菜作りには先ず土作りといわれ、肥料や堆肥、土壌改良剤などを土に混ぜ込むやり方が教えられています。しかし何をどのくらい混ぜるかというのは実際のところ難しい問題です。自然農は楽しく無理がありませんので誰でも始められます。土をいじらず、土のことは微生物や草や小動物に任してしまうので手間がかからずお金も使わない楽な方法です。トラクターや耕耘機は要りません。農薬や肥料も要りません。水もまきません。


 しかし要るものもあります。空地、種、タイムリーに種を播く知識と時間、鎌、鍬、スコップ等の農機具、そして野菜たちの成長をじっくり見守る気持ちでしょうか。



物の見え方


9月から受講していたホームヘルパー2級養成研修を終了しました。特別養護老人ホームやホームヘルパー同行訪問の実習で要介護の老人の実態を垣間見ました。痴呆老人の一人暮らしの家や要介護状態の老夫婦の家は驚くほど汚くて、胸を衝かれる思いがしました。


近頃は老人だけの世帯や老人のいない世帯が多く、若い人達は人がどのように老い、不自由な体になり、死んでいくかを身近に見る機会が少ないと思います。


世の中は効率を重んじ、明るいもの、強いもの、高価なものを良しとし、積極的態度やプラス思考が望ましいとしているようです。私にはこれらのことは物事の一側面であり、暗い、弱い、マイナスなどの側面を切り離し見ないようにすることは大切なことを見逃しているような気がします。


土に親しんだ生活を始めてから、きれいなものと汚いものに対する感覚が変わってきたような気がします。以前は土や枯れ木などの「腐ったものは汚いもの、避けるもの、嫌いなもの」でしたが、今では腐ったもの枯れたものがごく当たり前のもののように感じます。緑の木の葉や草が枯れて茶色に変わり土に同化していく様は自然で穏やかで、やさしいものとさえ思えるのです。


キュウリやトマトの支柱を結ぶ紐はビニールロープが強くてきれいでいいと思っていましたが、最近はもっぱら「わら縄」を使っています。わら縄は意外と締めが効くし、用が済んだときには切って畑においておくと微生物の働きで次の野菜の栄養となります。一方ビニールロープは日光で分解が進み強度が落ちてきますが腐りませんので、使用後は取り外して可燃ごみとして収集してもらうことになります。


大量生産され、安価で便利なプラスティック製品は、私達の日常生活の必需品になっていますが、それらは一旦不用になれば、環境に悪影響を及ぼさないで処理することが難しく大型の処理施設が必要で、費用がばかになりません。


都会に住み会社に通勤していたときには、不用になったものはゴミとして捨てるだけで、そのゴミがどうなるのか関心がありませんでした。しかし田舎に住むようになって、草や野菜が小さな芽を出し花が咲き、枯れ朽ちて土に同化する一生を何回も見ていると、枯れること、腐ることは自然の中では循環の重要な過程であることに気付きます。


このように物の見方、見え方が変わってきたのも私にとって農的生活を始めて良かったことのひとつだと思います。


  (この号おわり)





やまざる通信 No.08

 (2001年5月9日)


今年の田んぼ・畑


今年の1月には気温がマイナス11℃まで下がり、我家の浄化槽の出口パイプが凍結するというきつい冷え込みがありました。

雪の日が多かった寒い冬が過ぎ、ここ篠山にも一気に春がやってきました。裏庭の畑のイチゴの葉は冬の間地面に這いつくばい、寒風をやり過ごしていましたが、このところ新緑の葉をぴんと立てて次々と白い花を咲かせています。

いくら寒くても準備をし、春になると忘れず新芽を出す草や木の様子は、けなげで美しいと感じます。


4月8日に、住んでいる中地区(戸数約40)の花見があり、初参加しました。酒を飲んでカラオケを歌って、「お米を作りたい」と何人かの人に話していたら、翌日の朝7時半に地区の農会長さんが来られて、「田んぼ1反貸しても良いよ」とのこと。

小作料は15000円、今年はすでに2回の田すきが済んでいるのでその作業代15000円を加えて、合計3万円で借りました。


今まで、赤目自然農塾の小さい田んぼと、篠山の畑での陸稲の経験しかないので、いきなり1反の田んぼは自信がなくて、今年は半反を田んぼ、半反を畑として区切って使うことにしました。

半反で150-200kgの収穫が期待できますが、自給分には少し足りません。今年うまくいけば、来年は1反のお米作りをしたいと思います。


「田植え機は誰に借りるの」と聞かれたので、「手で植えます」と答えたら、「そうそう昔は半反を女性が1日で植えていたよ」との話を聞きびっくりしました。

私は1週間くらいかかるかなと思っていました。それまでに畑を6畝借りていましたので、1反の田んぼ、畑が増えて今年は忙しくなりそうです。


自給へのステップはゆっくり自分の手が回る範囲で進めていこうとしていましたが、念願のお米が作れることになりました。

これで田んぼ、畑の面積だけは一気に自給可能な範囲になり、うれしいような、大変なような、展開です。



優雅な田植え


5月1日の朝から、新しく借りた田んぼで田植えを始めました。条間は40cm株間を20cmとし、2‐3本ずつ植えることにしました。

田んぼの広さは16mx31mなので、6400箇所ほど植えることになります。最初の一条を植え終わったとき、これではいつ終わるのかと不安になりましたが、一箇所また一箇所と苗を植えていくと、いつしかとても気持ちがいいことに気付きました。

指に感じる田んぼの泥の感触、風のにおい,蛙や鶯の声など、五感が微妙に刺激され、急ぐ気持ちなど消えてしまいました。

通りかかった近所の奥さんが「優雅な田植えやなあ」とホメテ?くれました。

途中で、田植えは初めてと言う友人と私の5歳の娘が1、2時間ほど手伝ってくれたりしましたが、あまり無理をせずに、3日半で田植えが終わりました。


40代の後半に製薬会社で研究開発の管理業務をしていたころ、1ヶ月、1年の過ぎるのが恐ろしいほど早くて、ぞっとしたことがありました。

しかもその間何をしていたのか後で思い出せないのです、それに比べて、この3日半は何とゆっくりした時間の流れだったことか。


時間の主観的経過速度は年齢に比例するという説があります。つまり50歳では5歳のときの10倍の速度で時間が過ぎるということになります。年をとると日々の行動を無意識的につぎつぎ自動処理するので、その間の出来事をじっくり味わうことがないためなのでしょうか。

私の経験からは、自分が楽しいことをゆっくりしていると時

間のスピードがぐっと遅くなるような気がします。あなたはどう思われますか。



自然農


耕さず、農薬や化学肥料を必要とせず、草や虫を敵としない自然農を学び始め自分なりに実践し始めて4年目になります。


近年、環境問題や安全性の面から有機農の野菜やお米に関心が寄せられるようになっていますが、篠山市では農薬、化学肥料を使うのがごく普通で有機農の農家は数えるほどしかいません。まして自然農で作物を作っている方は、私以外に2、3名いらっしゃるかどうかだと思います。

ところが、篠山市農業委員会の農政部会の新家龍さんが今年4月の「農業委員会だより」の中で、市場原理にかわって生命原理に基づく農業、つまり有機農業・自然農法に転換すべき旨書いておられました。農業委員会の資料中に自然農法という言葉が現れたのに対し、驚きもし心強くも感じたことでした。

         

                 


やまざる通信 No.09 

(2001年7月23日)


井上智郎さんを悼む


「帰農すと定め豊かな青き踏む」    井上智郎


 この句は俳人であり、料理人であり、アイデアマンであり、私ども夫婦の良き兄貴分であった井上さんの2年前(平成11年春)の作です。ちょうどそのころ私達家族は丹波篠山の農村部に移住し、農を中心にした生活を送り始めたところでした。

 私はこの句を井上さんの私達に対するエールと受止めて、大切に心に留めています。


 その年の5月には、娘の誕生日を祝ってくれるために篠山まで来ていただくことになっていました。 井上さんは農村のご出身とかで、農に関して実践的な知識をお持ちでした。農村で住むときには庭はこのようにしてとか池を掘って魚を飼うこととか、拙宅を見てもらった上でいろいろアイデアを教えていただくことになっていていましたが、結局井上さんの体調が思わしくなくて延期となり、今年5月12日68歳で他界され、実現不可能となってしまいました。


 井上さんについて忘れがたいことはたくさんありますが、井上さんが毎年1月の「えがおサロン」で披露される今年の計画はまったく斬新で面白いものでした。

 たとえばダニの研究はその一つでした。ダニといえば嫌なものという代表みたいですが、生物全体としてはなくてはならないものだそうです。生物の循環の中での細菌類の働きについては比較的良く論じられていますが、ダニ類もそれに劣らず重要な役割を担っています。つまり動物や植物の亡骸は小動物やダニ類細菌類などによって処理、分解され、次の命の糧となって行きます。このダニに着目された井上さんの眼力はすごいと思いました。


 眼力といえば環境にいいものを扱う商売をしているという某氏について思い出します。

 4、5年前だったとおもいますが、私が共同でビジネスを進めようとしていた某氏と井上さんを交えてお茶を飲んだことがありました。井上さんは某氏とは初対面で2、30分雑談しただけでしたが、あとで私に「彼には気をつけないといけない」と忠告してくれました。そのときは何の事か分かりませんでしたが後になって私は某氏に騙されることとなったのでした。


 今更ながら、井上さんにもっといろいろ教えていただくのだった、と思うことが多いのですが、井上さんは自分でいろいろやってみなさい、と笑っておられるでしょうか。



家族のこと


 やまざる通信で、家族のことについて書くのは初めてです。今私どもは夫婦と6歳の娘、3歳と1歳の息子の5人で暮らしています。私が農的生活をして満足しているのは、収穫した野菜などを一緒においしいねといいながら食べてくれる家族がいることがとても大きいと思います。


「孫といふ涼しき命だきにけり」

             今瀬剛一

 私が54歳で授かった1歳の子を抱いていて、すとんと腑に落ちる句です。今日この子と昼寝をしていました。1時間ほどすると一時的に目を覚まし回りを確認し、横の私を認めると安心してまた1時間ほど寝ました。こんなとき、この子の親で良かったな、とつくづく思います。


 3歳の男の子は優しい性格で、マイペースです。世間と適当な距離を取って、自分の好きなことができればいいね。


 6歳の長女は落ち着いてしっかりした子です。会話しているとふっと自分が親であることを忘れてしまいます。


「稲雀父は無口に孫の守り」 

              長田美子

 自分が3人の子供を持つことは夢にも思わなかったという、つれあいの句です。見知らぬ土地、初めての田舎暮らしでの子育てでストレスも大きいと思いますが、子供達や私に対しほとんど怒らないひとです。私がサラリーマンをやめ収入が期待できそうにない農業を始めることについてあっさりと認めてくれて感謝しています。高価なものにはあまり興味がないそうで、私には特価980円のシャツが与えられます。


 このような3人の子供達に恵まれ、朝も夕も全員で食卓を囲んでいます。お金はかけていませんが、私はこの生活スタイルが気に入っています。


畑の見学


 「やまざる通信」のホームページを読んで、メールを下さる方がぽつぽつあり、嬉しいことです。メールの交換で終わる方や、自然農の畑を見たり話を聞きたいと訪問して下さる方、訪問した結果、農作業を一緒にされる方などいらっしゃいます。

 現在一人の方は月に1回(第一土曜日)に定期的に篠山まで来られて野良仕事をされています。彼女は自分のニンジンとゴボウが芽を出し、成長が気になるようです。




やまざる通信 No.10   

(2001年10月10日)


自家米の味


 炊き上がって食べるまでは、どんな味なのか不安でした。しかし口に入れたとたん、これは・・・おっおー、これはいける。つれあいも子供もそろっておいしいと口走る。無農薬、天日干の自家米で初めて炊いたご飯です。


 今年は念願の田んぼを借りることができ、5畝(500㎡)の広さでコシヒカリを4畝、残りの1畝に赤米、黒米、緑米を植えました。 お米の育て方を赤目自然農塾で習い始めたのが4年前。毎年20~30㎡ほどの小さい田んぼでお米を作ってきましたが、イノシシに食べられてしまったり出来が悪くて種籾しか残らなかったりして、自分で作ったお米を食べたのは実は今回が初めてなのです。


 トラクター、田植機、コンバインなどの動力機械を使わず約1名の人力で、田植に3日、稲刈りに3日、稲木にかけて干すこと約2週間。脱穀はつれあいのメール友達(家から車で20分ほどの農家)から足ふみ式万能脱穀機を借用し、2人で約半日の仕事。籾(もみ)をわらくずや空籾と分けるために唐箕(とうみ)をどうして調達しようか思案。ホームセンターに木製の手回し式小型唐箕が7万円弱で売っていましたが、簡単な構造なので自分で作りたくなってしまいました。素人大工で見栄えはいまいちですが機能的にはほぼ満足できるものが完成。材料代は杉板など8000円也。籾摺りは人力では難しいので18リットル用循環式精米機を購入しました。お米を籾で保存して、必要分を籾から精米する「いますり米」で食べます。


自然農での米作り


 コシヒカリは、多くの肥料を要求し、穂の出るのが早い(早生)ので、じっくりと育てる自然農には不向きと考えられます。しかしこの春田んぼを借りることが決まったときには地主さんがすでに苗を発注していたので、それを買い取ることにして主としてコシヒカリを作ることにしたのでした。


 今までずっと農薬と化学肥料を使う慣行農法が続けられていた田んぼを借りて4月30日にはコシヒカリの箱苗が届くという状況でどのような米作りを行うか迷いました。「苗の消毒はこの薬」、「田植機貸すよ」、「田植のあと10日ほどあとに除草一発という薬をやるといいよ」などなど地主さんや近所の方から親切な言葉がかかる。


  うーん。今年は慣行農法でやってみようかとぐらぐら迷いながらも、結局、手作業・無農薬・無化学肥料を選びました。周りからの助言はありがたく承るが従わないことになりました。


 コシヒカリの収量は4畝で1俵(60kg)強でしたから量的には失敗かもしれません。自然農では反(10畝)あたり5~7俵、慣行農法では反あたり8~10俵が標準でしょうか。 今回収量が少なかったことを考えてみると次のことがありました。


 1)分けつ数が2、3本から15本ぐらいと場所によるバラツキが大きかったこと・・・田んぼの均平化が不充分であった。


 2)稲の丈が低く穂が小さかったこと・・・肥料分が少なかった。


 3)条間を40cmに取り、苗を1、2本植えにしたこと・・・地力が低い田んぼでは疎植すぎた。


 4)7月になってコナギが急激に繁茂したが除草が充分出来なかったこと・・・分けつが阻害された。


 それでも、主食であるお米を育て収穫し、家族で食べられたことに他では味わえないような充実感と幸福感を得ることが出来ました。

 来年は今回の学びを生かしてもっといい状態のお米作りをしようと思います。



ニワトリが卵を生んだ


 今年の6月に6羽の中雛を購入し、自作の約1坪のニワトリ小屋で飼い始めました。8月後半からボツボツと卵を生み始め、今では6羽ともほぼ毎日1個の卵を生んでいます。毎日5~6個は家族5人では食べきれず、近所の家にさし上げて喜ばれています。


 餌はJAから購入した配合飼料を主に与え、古くなった玄米や生ゴミ、野菜くずをプラスしています。配合飼料中には今問題になっている肉骨粉が含まれていて、今後は配合されないことになるはずですが気になるところです。ニワトリの餌も自給目標の一つになりました。


 それにしても、毎日卵を生むニワトリというのはつくづく不思議な生き物に思えます。