北四国ツーリング

’96・10・26(土)〜10・27(日)

 94年11月にバイク乗りに復活して以来、ほとんどいつも1人で走ってた。バイク乗りの仲間がいなかった訳でもないけど、仕事の都合とかでなかなか一緒に走る機会がなかった。
 その仲間とは、高校からの友人であるK吉と、中学校からの付合いのHBK。K吉は20歳頃エンデューロレースをやってた当時のチームメイトでもあり、それからもバイクを降りることなくずっと乗りつづけてる、こよなくバイクを愛する爆走男。そしてHBKは、私がバイクに乗ってても全く興味を示さなかったクセに、同僚の女の子がバイクに乗っているのを見て、急に27歳になって免許を取ったエセライダー。ちなみにカイショ無し出戻り野郎の私を含めて、3人は同じ高校の部活で共に汗とヨダレを垂らした仲でもあった(笑)。
 前々から一緒にツーリングに行こう、と誰からとなく話していて、やっと3人の予定が噛み合った。これからも一緒に行き続けることを念頭に置いてチームを結成、名づけてツーリングチーム『チェリーボーイズ』!(爆)。これはその第1弾。場所は1泊で帰って来れることを前提として近場を探し、まだ完成していない本州四国第3ルート(現在のしまなみ街道)を島伝いに渡り、瀬戸内海側を走って淡路島経由で1周しようということに決まった。準備は万端、いざ四国を目指して出発!

10月26日(土)
 朝9時に、3人の家からちょうど中心近くにあるドライブインに集合。ここでちょっとトラブル。集合時間になってもHBKが来ない。しばらく待ったが来る気配がないので、心配になって家に電話してみた。家の人はさっき出て行ったと言う。もしかして途中なんかあったか、と思ってた矢先にやっと本人到着。着くなり私にエライ怒ってます。聞けば私が家に迎えに行くと言ったから待ってたとのこと。俺そんな事言ったっけか?覚えてないなあ。「絶対ゆうた!」としつこい程言うので、どーでもいいからそういう事にしておく(笑)。はいはい、私が悪うござんした!
 気を取り直して早速出発。天気は曇り。かといって降ってくる気配もなし。心持ち肌寒いって感じかな。でも雨に降られるよりはマシです。ルートは山陽道を通ってまず尾道まで。出発予定時間から既に30分以上たってたけど、高速使うし大丈夫でしょう。まずR2を西へ走り、姫路東ICから山陽道へ。K吉がストリートファイター仕様のRGVΓ、HBKがドノーマルのバンディットと共に250なので、気を使って100km/h前後で走行。このスピード域ではだいぶストレスが溜まります。けど仕方ないか。それにあまり飛ばして警察屋さんと仲良くなっても嫌だしね(笑)。
 途中吉備SAで休憩。K吉が私に気を使って、「もうちょっと出してもらっていいよ」と言ってくれた。そ〜お?でももうちょっとってどれくらい?(笑)。数10km/h上げてもこっちはあまり変わらんのやけど。まあいいぢゃん、こっちも安全運転で行く気だからさ。
 ゆっくりと休んでから再出発、一路福山西ICを目指す。試しにプラス30km/h程出してみたけど、一時ならまだしも連続してはやっぱりしんどそうだ。無理をさせる訳にもいかないので、また元の速度域まで落として我慢走行。まあ景色でも楽しみながら行くことにしましょうかね。

 福山西ICを降り、R2を通って尾道市内へ。ちょうど時間も昼頃になったので、昼飯食うことにします。市内だったらどっかにメシ食うところぐらいあるだろう、なんて楽観してたけど、ないんだなコレが。オイオイ、尾道の人は外食しないのか?(笑)。同じところを何度も走り回って、やっとこさ商店街の外れに小汚い中華料理屋発見!(笑)。この際贅沢は言ってられないってことで、とりあえず腹一杯にします。腹減ってたら何食っても美味いもんだ。けど昼時なのにどうして他の客がいないんだ?(爆)。うーん、とても不思議。
西瀬戸自動車道 大浜PAにて Y本と  さて腹も満タンになったし、そろそろ行きますか。R2を少し戻って西瀬戸自動車道の入口へ。いよいよ島渡りの開始だ。私は瀬戸内海の小島になんか小豆島くらいしか行ったことないので、どんなとこだか楽しみだなあ。
 まず尾道大橋を渡る。驚いたのがその距離。ほんとすぐ前に島がある。これは海ぢゃなくて川なんぢゃないかと思えるほど。『向島』とはよくいったもんだ。短い橋をあっという間に渡り、そのまま自動車道を進んで行くと、今度は島の町並みが見えてきた。これもまた驚き。丘の上に家がびっしり。淡路島でもこんなに集中して建ってるのを見た事ないよ。私の持っていた小島のイメージを見事に破ってくれました。ここは島ではなく、陸続きの場所といっても間違いぢゃないな。
 次に因島大橋を渡って因島へ。ここは海を渡ってるって感じ。渡り終えてすぐにPAがあったので、景色を見るため休憩。遊歩道があったので歩いて行くと、大橋の下の辺まで行くことができました。この橋は2階建てになってて、下の橋は歩行者や自転車なんかが渡れるようになってます。観光道路なんかではなく、ちゃんと生活に密接してるんだなあ。のどかな風景に好感が持てました。

 ここからしばらく走ると、一旦自動車道は終点。下道のR317を海に向かって5km程走ると、今度は有料の生口橋。わずか2km足らずの短い橋だけど、将来の自動車道の一部のようで、それなりの高さのとこを通ってます。ぐるーっとループのように橋の高さに上がってから、あっという間に向こう岸へ。3つ目の島、生口島です。ここまで来たら、いかにも瀬戸内海のノンビリした田舎の島って感じがしますね。
 ここでは国道を通らず、島の北側の海沿いを瀬戸田港まで。いよいよお待ちかね、生活密着型小フェリーへの乗船です。どうやら1隻で、まさしく渡し舟となってる様子。乗船待ちは私たち3台以外に、車が数台と原チャリ、歩行者数人。待ち時間は15分程でした。
 辺りの景色を眺めながら待ってると、向こうからチビッ子の船が出現。お、来た来た!・・・ほんとちっちゃいな、コレ。どう見ても車が10台ぐらいしか乗りそうもない。しかも係のおっちゃんに導かれるままにフェリーに乗りこんだら、フェリーは即座にそのまま発進。ええっ、固定しないの!?予想もしてなかった事態にしばし唖然(笑)。波でバイクが転倒したりしないか、ちょっと不安だなあ。けど心配をよそに、こんなに船は小さいのに全く揺れず。瀬戸内海はほんと穏やかなんだ。渡し舟の情緒をいっぱい楽しんぢゃいました。船はわずか10分程で4つ目の島、大三島へと到着。

 大三島へ上陸すると、この島から再び完成してる西瀬戸自動車道へ。わずか12kmの間に大三島大橋を渡って伯方島、さらに伯方・大島大橋を越えて大島まで。あまりに短いので、島の感じがわからなかったのが残念。かといって1島づつ回るって訳にもいかないし、仕方ないか。
 大島で自動車道はまたまた終了し、再度R317へ。山間の国道8kmを快走。予定では亀老山展望台へと向かうはずだったけど、時間の都合でパス。ラストの来島海峡を渡るべく、下田水港のフェリー乗り場へと進みます。
 4時過ぎ、港に到着。この港はそれなりの規模です。かといって大きいわけぢゃないですけど。待ち時間は20分程。なんとか日没までには宿に着くメドが立ったぞ、ホッ。
 それにしても、この向こう岸はもう四国なんだねえ。こちょこちょ島を渡ってきたとはいえ、ここまで早かったなあ。1本の橋で繋げたいと思った気持ち、なんとなくわかる。けど、わずかな利用客の為に莫大な税金がかけられていることも事実。気楽な旅行者としては、小さなフェリーの方が情緒あると思うんだけど。住んでる人にとってはそういう問題ぢゃないか。
 そうこうしてるうちにフェリーが到着。今度はちゃんと固定してくれました、簡単にだけど(笑)。今からは約30分の船旅。デッキに上がって瀬戸内風景を眺めながら、ノンビリとくつろぎます。手前に見えてる島並みには、来島大橋が今まさに建設中。うーん、やっぱりこの景色の中ではちょっと浮いてる感じだなあ。

工事中の来島大橋   海峡の景色を眺める 隣りはK吉

 今治港には5時頃到着。おお、やっと四国に上陸か。この辺りに来るのは初めて。けど、特に田舎ってな感じはしません。当たり前か、街だもんね。
 下船後はR196通って南下し、無事に今宵の宿、東予国民休暇村に到着。おいしく晩飯いただいて、風呂に入って疲れを癒しました。但しK吉にとっては風呂は苦痛だった模様。なんでも前日、Γのエンジンがかからず、押しがけ中に誤ってステップに足をひっかけてパックリ切っちまったらしい。うわ、お前ソレ縫わなくちゃいけないんぢゃないの?おえ〜、気味悪いもんを見ちまった。ちゃんと医者行けよ。
 風呂上がりは部屋でテレビ見ながら雑談。アルコールも入って、ほろ酔い気分で寝床へ。今日はけっこう楽しかったなあ。明日は晴れでありますように。

10月27日(日)
宿駐車場にて 出発前です  翌日、天気は快晴。そうこなくっちゃ!朝飯食ってウンコして、出発準備は全て完了。では早速淡路島へ向かって、レッツゴー!
 まずR196を通って東予市まで。朝方とはいえ、空気はとっても冷たい。ていうか寒い。冬はもうそこなんだなあと感じつつ、東予市からR11へ合流して東へ。交通量はけっこう多いです。田舎に来ると主要国道に車が集中するよな。飛ばせるわけでもなく、流れにのってただひたすら走行。移動してるだけでなんかつまらん。
 そのままダラダラと走って川之江も通り過ぎ、やっと瀬戸内海が見えた豊浜で休憩。距離がどうこういうより、気分的に疲れたな。もっとチャッチャと走って欲しいよな、チャッチャと。ただでさえ下道ではアクセル開けれないんだから。ホンマ頼んまっせ。
 豊浜からはR377へ分岐して内陸側へ。目指すは金刀比羅宮。今ツーリング唯一の観光スポットです。私は初めて行く所だし、走りに不満がある分、気分転換にはなるかな。淡々と走って琴平町まで。町に入ると標識に沿って神社へと進みます。ここはどこへバイクを止めればいいんかいな?探し回る時間がもったいないので、土産屋さんに誘われるままに店の駐車場へ。なんか買い物すればタダだそうな。言われるままに家と職場への買い物を済ませてから、神社まで歩いて行きました。
 途中、ちょうど昼時なので飯タイム。名物のさぬきうどんを食います。本場物はダシに浸かってるんぢゃなくて、薬味の上から醤油ぶっかけて食うとのこと。んぢゃソレ頂戴!HBKは気が進まない様子だったけど、「ここでしか食えないんだから」と納得させて同じく注文。後から出てきた品を見て、「醤油だけか?」とたいそう怒ってました。だったら普通のうどんを注文すればよかったのに、と火に油を注ぐ私(誘ったのはオマエだろ!:笑)。それを横目にK吉は普通のうどんを食ってます。自分の意志はしっかり持とうな、HBKくん(爆)。
 食後は有名なあの階段へ。うわぁ、キツそうだなあ。せっかく前まで来て何々だけど、登るの嫌だ(笑)。2人に「どうする?」って聞いたら、即座に「止めよう」って答えが返ってきた。ぢゃ止めようってことで、バイクまで引き返します。一体何しにここへ来たんだ?(爆)。3人揃って軟弱者だからなあ(笑)。これで金刀比羅に行ったということには・・・ならんだろうな、やっぱし。

 再出発して、大鳴門橋を目指す。R32をしばらく走った後、不要な渋滞を避けようってことで綾歌町から中讃広域農道へ。交通量は極少で快適走行。ただし景色が単調で、やっぱり退屈。ただの抜け道という以外、何の取り柄も無い道だな。睡魔が襲ってきたので、途中コンビニでしばし休憩。あとどんくらい退屈な道を走らなアカンのやろ?憂鬱だなあ。
鳴門道路のPAにて  その後もひたすら東進し、県道経由してやっとR11へ合流。距離以上に長く感じたな。といっても出てきたとこも国道だから、流れはそれなり。次第にストレスが・・・。
 鳴門市手前に来たところで、もう我慢の限界。予定ではそのまま鳴門自動車道へと進むはずだったけど、急遽予定変更して鳴門道路のワインディングへ。有料道路だったようだけど、ちょうどこの年の春に無料化されたみたい。こりゃおあつらえ向きだってことで、今までの鬱憤を一気に晴らすべく、うおりゃーっと峠を駆けあがる。いくらか気分はスッキリしました。
 峠に着いて展望台で休憩。景色を眺めるのは今日初めてだな。やっぱりツーリングを計画する時は、要所要所にこういったポイントがないと疲れが倍増しちゃいます。いい加減ヘトヘトなので道にへたりこんでると、駐車場に観光客らしき外人が車でやってきて、人のバイクを見て写真をパシャパシャ。お、毛唐にはZZRは珍しいのか?それともこれがあの有名な、なんて言ってるんだろうか。何にせよ自分のバイクの写真を撮ってもらえるのは嬉しい限り。でも一言ぐらい持ち主に断ったらどうだ?まあいいや、今日は見逃してやるよ(笑)。

 十分に休んだ後再起動。ボチボチ急がんと陽が暮れちまう。鳴門北ICから自動車道に乗り、大鳴門橋を越えて淡路島へ。この橋を渡るのも初めて。景色がいいですねえ。けど連結部分の鉄が長いんでちょっと怖い。気にしてる内にあっという間に通り過ぎちゃいました。ビューポイントではなく、あくまで道なんだからしょうがないか。
 渡り終えた後はそのまま自動車道を通り、三原ICで下車。自動車道はまだ続いてたけど、どうせ全線開通してないし、金がもったいないってことで。下りたら西淡町へ出て、サンセットロードを北上して岩屋のフェリー乗り場へ向かいます。夕陽が綺麗に見えてましたけど、角度的に走行したままでは眺めることは出来ず、かといって止まるわけでもなし。もう気分的余裕がなかったもんで。
 岩屋港には5時過ぎに到着。15分程の待ち時間でフェリーに乗り、対岸の明石へ。もう帰ってきてしまったのか、早いなあ。1泊ってのは急ぎ過ぎって感じがするな。もうちょっとバイクで走っていたい。ただし今日ぢゃなくて明日ってことだけど(笑)。今日はもういい、疲れた。乗船中の30分間、建設中の明石海峡大橋を眺めることもなく、船内でグターっと寝てました。
 明石港には6時頃に到着。もうすっかり陽も暮れちまってます。疲れた体に鞭打って、我が家までの最後の走行。無事に6時半にHBKの自宅前に着いて、ここで解散式となりました。大きなトラブルも無く帰ってこれて良かった、良かった。何年か振りに友人とツーリングに行けて、疲れたけれど楽しかったなあ。次回の約束を交わして帰路へ。今度も必ず一緒に行こうな!

おわり


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