北海道ツーリング(道央・道東編)

7月9日(日)
オンネトーの滝  翌日、朝7時半に起床。久々によく寝れました。食堂行って朝ご飯食べながら宿の人と話をする。この辺は真冬−38℃ぐらいまでなるんだそうな。ちょっと想像できんなあ(笑)。食事が終わったら速攻で出発準備。今日もいい天気だ。さあ、いっちょ走るか!
 本日の第一目的地は、昨日行ったオンネトー。景色をもう一度見ておきたかったのと、何よりそこにある温泉に入るため。なんでもオンネトーの温泉は、人体から出る脂分が環境に悪影響を与えてるとかで、ここ数年の間に入浴禁止になる噂があるらしい。ならば今のうちに入っておかねば。
 昨日と同じ道を引き返して、青年の家からさらに2km程奥に入ると到着。朝早いのにもう先客さんがいました。さて温泉はどこだ?目の前には小川みたいなのがチョロチョロ流れてる。湯の滝というらしいけど、滝には見えないなあ。看板によれば、この滝が流れ出してるとこが温泉らしい。では早速入浴といきましょうか。さてさて、湯加減は・・・って水ぢゃん、コレ!しかも足元が苔でヌルヌルしてて気持ち悪い。よく見ると水面にも水垢みたいなのがいっぱい浮いてる。う〜、これではありがたいのかそうでないのか、ちょっとフクザツ。長く入ってると反って風邪ひきそうなので、早々とあがる。とりあえずこれでいい・・・かな(笑)。オンネトーの畔まで戻って少し休憩。ここは本当に綺麗なところです、お勧めです。

美幌峠にて  さてと、景色を十分堪能したところで、そろそろ再出発といきますか。次に目指すはお約束の屈斜路湖方面。R241に戻って阿寒湖を通りすぎ、途中双湖台からペンケトウ・パンケトウを眺めたりしながら弟子屈へ、そこからR243に入ってまずは美幌峠へ。今日は天気もいいことだし、さぞや景色はサイコーだろう、とワクワクしながら峠を登る。
 ひとしきり高速コーナーを走って峠の休憩所へ到着。さあ、ここで屈斜路湖をバックに写真を、と思ったらモヤってた。ザンネン!とりあえず写真撮って、レストハウス辺りをウロチョロ。ここも観光客が多い。それに日曜日ということもあって、地元ライダーさんも結構いた。そろそろ行くかな、と駐車場に戻って準備してると、どこからともなく大音響が。なんだなんだ、と待ち構えていると、ラジカセ搭載のバイクが峠を駆け上がってきた。ボリューム最大でヘビメタかけてやがんの(笑)。さすがは北海道、ライダーにもいろんな人がいるもんだ。残念ながら話しかける勇気がなかったので(笑)、そのまま峠を降りる。

 次はどっか温泉いってみよう、この辺は温泉の宝庫だし。1番目に峠降りてすぐの和琴温泉へ。屈斜路湖が目の前でロケーションは抜群。さあ、どんな温泉かなーと期待を胸に膨らましていけば、ゲゲッ、これって池ぢゃないの?!しかも開けた場所に何の敷居もないときたもんだ。入るかどうかさんざん迷った末、せっかくきたんだから入ってしまえー、と勇気を出して入る(もちろんフルチン)。…ゲロゲロ、底が苔でヌルヌルだぁ(笑)。チキショー、なんか不愉快だぞ(笑)。
 ここも3分も立たずササッと上がって、ソソクサと先を進む。かなりご機嫌斜めだ(笑)。ブツブツ言いながら走ってると、砂湯に到着。確かここは砂を掘るとお湯がでてくるんだっけな、とバイクを降りて砂浜へ向かったはいいけど、来るわ来るわ、次から次へと観光客が。こんなとこフルチンで入れるはずないぢゃん!(笑)。もういい、直感的にいいと思わなかったとこには長居しない方が無難だ。ということでお次は摩周湖方面へ。
 途中、硫黄山を見学。温泉の近所には必ずといっていいほどありますね、硫黄の匂い漂うところが。グルっと回ってからすぐバイクへ戻る、ここもこれくらいでいいや。それよりも摩周湖へ早く行こう、もしかしたら湖が見れるかもしれない。ちょっと期待してたけど、やっぱり考えがアマかった。上へ行くにつれて霧が現れはじめ、第3展望台では全く何も見えやしない。しかものっぴきならないほど寒い。仕方がない、ここも清く諦めるか、と来た道通って下へ降りる。なんか体冷えちゃったんで風呂入りたくなったな、それもちゃんと熱い風呂に(笑)。下へ降りたとこで川湯駅の近所に銭湯を発見。一応温泉だし、なにより体を温めないと、と迷わず入浴。ふー、気持ちいい、生き返ります。風呂上りにジュース飲んで、ちょっと一服。

 さあ、そろそろ今日の宿を探しはじめようか。昨日の反省から、今日は目的地をしっかり決めとかないと。明日の観光のことも考えてウトロへ行くことに決め、まずはR391を北上、途中で道道へそれてJR沿いに斜里へ。この辺りはのどかな景色が広がってます。そして斜里からR334をウトロ方面へ、オホーツク海沿いを快調に走行。そういえばオホーツク海は初めて見るなあ。夕方ということもあって一段と海が綺麗です。途中オシンコシンの滝にて休憩。滝が流れていく方向の横から落ちてきてます。なんか変わった滝だなあ、でも綺麗ですね。

オシンコシンの滝  キタキツネ君と

 あまり長居してると時間がなくなるので再出発。トンネルを抜け、さあアクセルオン!と思ったら目の前に黄色い物体が。もしかしてキタキツネ?わあ、本物見るの初めてですう。目の前にバイクを止めたら、コイツ逃げるどころか近寄ってきた。人間にエサもらう癖がついちゃってるみたいだ。それによく見るとビッコ引いてる、多分車に跳ねられたんだろう。なんか可愛そうな奴だな、でも俺は何もやらないよ、残酷なようだけど。ぢゃあな、と別れを告げてまた走り出す。
 そしたら、その先50m間隔ぐらいで道端にキタキツネが座ってた。こいつは驚きだ、こんなにも人間に慣れてるのか、と同時に怒りも込み上げてきた。マナーの悪い観光客がエサをあげるから、コイツら自然を忘れて自立して生きれなくなった。車に跳ねられるのも、車が来たらエサをくれると思って自分から近寄ってるんだろう。全くなんということだ、たった数人の馬鹿ども達のせいで、野生動物がこんなにも犠牲になってるなんて。みなさん、野生動物にエサをやってはいけません!彼らは自然と共生していってこそ幸せなのだから

ウトロの夕陽  思いもしなかったキタキツネのお出迎えゾーンを過ぎ、ウトロの町へ。時間は6時頃だったかな。まず一番に泊まりたかった徒歩宿のボンズホームへ行く。そしたら昨日と同じく、「今日はもういっぱいです」・・・あっそう。困ったなあ、どこに行こう。走りながら探してると、また町を出てしまった(笑)
 もう探すのメンドクサい、と国道沿いの民宿へ。「今日泊まれますか?」「はい、どうぞ」ということであっさり決定。とにかくもう寝転がりたかったもんで。部屋に入ってふと窓の外を見ると、ちょうど陽が暮れようとしていた。綺麗なもんだ。疲れているのも忘れて外に飛び出し、そのまま町中をお散歩。オロンコ岩にも登って辺りを一望する。ほんとに綺麗なところだなあ。こんな町に住めたら幸せだろうな。眺めてるうちにすっかり陽が暮れたので、宿に戻って夕食。なかなか今日も満足できる日だったかな。本日の走行距離、263.6km。

7月10日(月)
 翌日、今日も晴れてます。本日の第一目的地はカムイワッカの滝。どうしてもここには行ってみたかったんですよ。朝8時半に宿を出発、一路知床林道へ。五湖より先はダートになったので慎重に走行。こけたらシャレにならんからな。途中、林道横の茂みがガサガサゆれているのを発見。ゲゲェ、まさか、と恐る恐る近づいてみると、な〜んだ、エゾジカぢゃん。ビックリさせんなよぉ。不思議なことにコイツも逃げない。ただしコイツは人間に慣れているのではなくて、外敵とは思ってないから逃げないみたいだ。私にかまわずひたすら葉っぱ食ってる。残念ながらシャッターチャンスには恵まれなかった。
 気を取り直して先を進む。いい加減ダートがイヤになったころに到着。先客は車が4・5台。おお、やはり朝早いと空いてます、まさにねらい通りって感じ。バイクを端っこに止めて、早速沢登り開始。まず1歩川に足を入れると・・・あったかい!これは感動ものだ、お湯が流れてるぞ!有頂天になって2歩目を踏み出した途端、ツルッと滑ってケツをしこたま打つ!痛ってえ〜!!川底は1枚岩のような滑らかな岩で、無謀にもそこをビーサンで登ろうとしていたのだ。これは危ない、と裸足で登り出す。しばらくして足の裏を切った(馬鹿丸出し)。結局、クツ下をはいて登る。これが一番安上がりで安全です。初めからこうしときゃよかった。登っていくにつれて、だんだんとお湯が熱くなってくる。よく見てみると横の岩からお湯が涌き出てます。まさに秘湯って感じですねえ。

岩間からお湯があふれ出てます  こんな感じで沢登り
 途中ロープで登るような難関を潜り抜けて第一の滝壷に到着。ここは先客で既にいっぱいです。それに水着なんか着て入ってやがる。反則だぞ、お前達(笑)。恥ずかしいからもう一つ上へ。こっちにも人がいますねえ。結局3個目の滝壷まで上がってやっと入浴。いや〜野趣満点、サイコーです!湯加減もちょうどいい感じ。足の裏切ってまで登ってきた甲斐があった。
 実はこの時、カメラを持っていってなかったので、降りてからもう一度上まで登った。それで登ると汗かいたのでもう一度入った(笑)。つまりそれくらい良かったってことです。再び降りてきた時には、アレレ、俺のバイクはどこだっていうくらいの大混雑。やはりここは人気があるみたい。早めに来ておいてよかった。

熊の湯にて  さて、こんなことしてるうちに時間はもう12時前。イカン、少し遊びすぎた、先を急ごう。知床横断道路で峠越え開始。なかなか快適な道です。しかし登るにつれて一面に霧が。峠の頂上は真っ白で何も見えず、越えると雨が降っていた。前日宿の人に、峠のこっちと向こうで天気が違う、と聞いてたけど、なるほどこの事だったのか。関心してる場合ぢゃない、急激に温度も下がって体が冷えてきた。カッパを着ないとヤバイなと思ってたら、うまい具合に熊の湯が。グッドタイミング!早速入りましょう。
 バイクを止めて橋を渡り、温泉の前へ。ここは混浴ではなく男女別です、残念?(笑)。脱衣所に入ったら先客は誰もいない。やったね貸切!と勢いよく入ろうとすると、アッチー!!足もまともにつけれないような熱湯。これは水をいれんと入れないぞ。しかし水はどこだ?付近にそれらしいのが見当たらない。フルチン状態でまわりを探し回る。そのうちライダーさんが2人来て、3人仲良くブ〜ラブラと探す(笑)。おかしいな、ほんとにないぞと思ってたら、1人が女湯に入ってホースを見つけてきた。おお、まさしく水だ、これで入れる。適温になるまでじっと待ってやっと入浴。あーいい気持ち。実は聞いた話によると、羅臼の漁師さんは熱いのが好きで、水で薄めるとめっぽう怒るらしい。今日はいなくて良かった。

 すっかり温まったところで、さあ先へ進みましょう。羅臼の町で昼食とってから、今度は野付半島へ向かう。R335でまず標津へ。天気が良ければ国後島が見えるらしいが、海霧と雨のせいで何にも見えない。峠の向こうはあんなに天気良かったのにな、つまんねえの。不満たらたらで走ってるうち、標津の辺りでなんとか雨はやんでくれた。そのままノンストップで半島方面へ。両側に海が見えるようになったな、と思った途端、辺り一面がオレンジ色の景色に。ハマナスの自然群落がちょうど満開となってました。おお、これは綺麗だ。男の私でもこれにはちょっと感動です。しばしバイクを止めてお花畑を満喫。

野付半島のハマナス群生  同じくトドワラ
 さて、そこからちょっと進むとトドワラです。先までバイクで行けないので駐車場にバイクを止め、散歩がてらに遊歩道を歩く。15分程行くと立ち枯れた木々が寒々と点在する場所に到着。これがトドワラですか。何かものの哀れを感じますなあ。
 しばらくボケーっと景色を眺めてるうち、また雨が降ってきた。もう夕方だし、これは今日の宿へ早く行かないと。実は昨日までの教訓より、事前に宿を予約しておいたのでした。本日のお宿は、中標津の徒歩宿ミルクロード。天気が悪くなっただけに、これはいい判断でしたねえ。早速R272を通って中標津までレッツゴー。

 一度道に迷ったけど、空港から電話して道を聞き、無事到着。他のお客さんはライダーさん1人。なんだ、別に予約とらなくても泊まれたのか。晩飯にジンギスカン死ぬほど食わされて、食後にカラ松の湯に連れていかれる。なんか強引というか、豪快というか。この徒歩宿の親父は変わり者で、妙に客に悪態をつく。ちょっとムッとしたが、別料金のはずの酒盛りをタダにしてくれた。気に入られてるのか嫌われてるのか、どっちかよくわからない。まあいいか、寝床にありつければ文句なし。焼酎「ビッグマン」2本空けて爆睡。本日の走行距離、207.6km。

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