九州ツーリング

我らが相棒たち。阿蘇山 根子岳正面を望む
’88・10・6(木)〜10・10(月)

 会社同期T中くんとの第2弾。初めてのツーリングですっかり気を良くした2人は、早速次回の計画にとりかかった。場所は、関西からのツーリングメッカの1つ、九州。関西からは瀬戸内海航路のフェリーが沢山出ており、夜出発して翌朝到着と、実は身近な場所だったりする。今回からは同じく会社同期のA沢さんもメンバーに加わり、合計3人での旅。就職して1年以上経ち、すっかり逞しくなった私たちは、ちゃっかり予定内に有休を取得してたのでした(笑)。

10月6日(木)
 出発当日、ツーリングの準備をして出勤し、仕事が終わってから集合場所へ。3人とも職場はバラバラだったけど、全員ほぼ予定時間に集合、フェリー乗り場へと向かう。利用するのは数あるうちから選んだ、阪九フェリー(六甲アイランド〜小倉)。なんせ一番安かった。無事乗船手続きを済ませ、出航を待つ。なんかドキドキだ。なんせフェリーに乗るのは生まれて初めて。それがツーリングでなんだから、妙に興奮してた(笑)。相棒たちも気持ちは同じようで、夜もなかなか寝ようとしない。ちょうどこの年の春に瀬戸大橋が開通してて、その下を2時ごろ通過するってアナウンスがあったので、それまで起きてようってことになった。
 いよいよ時間だってなったら早くから3人はデッキに上がり、意味もなしに騒ぐ騒ぐ(笑)。橋が見えてきたら大変だ。記念写真だの何だの、見えなくなるまではしゃいでた。ちなみに写真の方だけど、1枚も写ってなかった。当たり前だ。あんな高いところにフラッシュ届くもんか(笑)。その時は全員それに気付かなかったところに、バカ騒ぎ振りが見てとれるなあ(笑)。

10月7日(金)
 2日目、朝8時ごろに小倉へ到着。天気は快晴、ウーン気持ちがいい!高速を使って足早に街を抜け、阿蘇を目指す。そして、そこへ至るまでの途中の道、“やまなみハイウェイ”を通ることが、何よりも目的の1つだ。R10を南下し、別府から湯布院方面へ。そして水分峠から、いよいよ“やまなみハイウェイ”だ。当時はまだ有料道路だったんだけど、この道はすばらしい!日本とは思えないような牧歌的な風景が左右に拡がる。そしてワインディングの感じも絶ピン。高速コーナーあり、タイトありと全く飽きない。景色もいいから、流してたって気持ちいい。こんないい道を走ったのは、当時初めてだったんぢゃないかな。特に、阿蘇山の外輪山が見えてくるとこらがハイライト。写真がないのがおしい!3人とも、あんまり気持ち良すぎて止まるのも忘れ、一気に走り抜けちゃったのだ。

城山休憩所にいたタヌキと  城山展望所に着いてやっと休憩。もう阿蘇は目の前だ。とりあえず宿へ荷物を置きに行く。時計を見るとまだ3時過ぎだ。えらく早く着きすぎたなあ。しょうがないから、明日行く予定だった中岳噴火口へ行くことにした。白川水源を横切って阿蘇登山道路を登っていく。平日だからか、はたまたこんな時間だからか、他の車はほとんどいない。途中、道路より草千里を望む。写真を撮ろうと思ったのだが、寒い!メッチャ寒い!とてもジッとしていられないので、そのまま一気に噴火口へ。
 阿蘇町営道路にのると、いよいよ火口だ。さっきまでの牧歌的な風景とはうって変わり、荒涼とした景色の中をニョロニョロと1本の道が上へと続く。コレだよコレ!実は阿蘇は、中学校の修学旅行以来2度目。その時、いつかこの道を自分のバイクで上っていくんだって夢に描いていたのだ。この道は火山活動によっては通行止めとなってしまうので、天気の良さといい、まさしくベストの状態で夢をかなえられた。ワーイ、感無量!
中岳噴火口にて T中くんと  噴火口のすぐそばの駐車場にバイクを止め、火口までトコトコ歩いていく。もの凄い硫黄の匂いで息苦しい。火口からはモウモウと煙が噴出してる。まさに活火山って感じだ。とりあえず、ちゃんと着ましたよ、というお約束の証拠写真をパチリパチリ。そうこうしてるうちに団体様のご到着で、バスガイドさんが丁寧にお客さんへ火山のご説明。当然私たちもにわか団体客となって一緒に説明を聞いていたのはいうまでもない(笑)。なんでもここは自殺の名所なんだそうだ。へぇーといってオッサンと一緒に火口を覗きこむ。ウーン、なんか熱そうだな。そういう問題ぢゃないか。
 さすがに上ってきた時間が遅かったこともあって、ゆっくりしてるうちに陽がくれだした。暗くなって走るのはヤなので、ボチボチ宿へ引き返す。風呂入って晩飯食ってビールで乾杯。やー、なんだかんだって疲れちゃったな。この日は3人とも早くにグッスリ。

俵山峠からの景色 10月8日(土)
 上陸2日目、この日も快晴。本日のルートは、熊本から天草五橋を通って雲仙までというもの。とりあえず県道を抜けて熊本までレッツゴー。
 途中、俵山峠より阿蘇周辺を望む。いやー、いい眺め!3人ともえらくこの場所が気に入って、結構長時間休憩。まだいくらも走ってないんだけど。熊本に着いたら12時まわってしまってた。ちょっと予定が狂ってるかな、と思いつつ昼飯。熊本駅の観光案内所で飯屋を教えてもらい、熊本名物の馬刺しカラシレンコンを食らう。ウマイウマイ、などとゆっくりしてたらいよいよ時間が無くなってきた。これはヤバイと、予定してた熊本城観光をキャンセルして先を急ぐ。
天草?橋目。橋が風景とマッチしてました 天草街道(R57)を経て天草パールライン(R266)へ。ここから天草五橋を渡りつつ、島づたいに雲仙を目指す。海の向こうに長崎県島原が見える。やー気持ちいいや、と思ってたのもつかの間、疲れからかだんだん眠くなってきた。イカンイカン、と思いつつも辛抱しきれず、とうとう走りながらウトウト(笑)。よく事故らなかったもんだ。眠かったのは2人も一緒で、時間の都合上ノンストップで行くハズだったんだけど、危ないから天草五橋の途中で休憩。景色は結構綺麗ですね〜。橋が風景に溶け込んぢゃってます。疲れをとるためにゆっくりしてたら、アララまた時間が。
 結局、雲仙へと渡る島鉄フェリーの鬼池港についたのは5時過ぎ。こりゃもう陽が暮れるな。疲労度A状態の私は、フェリーデッキから沈みゆく太陽をボーッと眺める。対岸の口之津港に着いた時には、すっかり暗くなってしまってた。こっから宿までどの道走っていったか、正直覚えていない。宿は雲仙温泉にとってたんだけど、暗くてどの辺走ってるのかわからない。道に迷ったんぢゃないか、と途中で電話したら、すぐ傍まで着いてた。ああ良かった、寝床にありつけるぞ。それにしても今日も疲れた。

雲仙地獄にて A沢さんと 10月9日(日)
 上陸3日目、九州最終日だ。この日もピーカン。いやあ、日頃の行いがいいんですねえ、私たちって(笑)。出発前に宿の裏にあった共同浴場で朝風呂に入る(100円だった)。ここの温泉は趣があっていい感じだった。派手さがなくて、いかにも温泉って感じかな。どっかとえらい違いだ(笑)。
 ひとっ風呂浴びてから、すぐ近所の雲仙地獄を観光する。なんか地面からボコボコっとお湯が湧いてきてます。なるほど、それで地獄ってわけか、納得。
 これで観光は終わり。あとは小倉のフェリー乗り場までひたすら移動だ。さっさと行かなきゃ帰れなくなってしまう。ルートを確認し、いざ出発。先頭は私。今回のツーリングでは先頭を日替交代で走ってて、最終日が私だったのだ。諫早を抜け、有明海を右に眺めつつ北上する・・・はずだったのだが、気がつくと海が左に見える。アリャ?!なんで?2人も異変に気付き、パッシングで合図を送ってきた。どうやらというか、やっぱしというか(笑)、道を間違えたようだ。私は旅行日程をツアー会社並に綿密に計画するんだけど(今回のルートも私が計画)、実際走るのは無頓着で、しょっちゅう道を間違えてしまうのだ(自慢げに言うなよ)。とりあえず現在地を確認するため、茶店で昼飯を兼ねて休憩。それにしても、よりによって一番移動距離の長い日を、間違えてさらに長いルートにしてしまった(笑)。ま、いっか。

 気を取り直して再出発し、R34を北上してとりあえず佐賀、そして鳥栖市を目指す。な〜んか恐ろしく単調な道だなあ。海が見えてる時はまだよかったんだけど、内陸にいくにつれ退屈。そして、またまた睡魔が。どれぐらい走ってたんだろう、ハッと気付くとバックミラーに白バイが!ゲゲッ、2人は?!と位置を確認すると、私より500mくらい後ろを走ってる(爆)。ガ〜ン、俺だけかよ〜!っとショックを受けつつ、観念して左に寄ったら、白バイは右横をすっとんで行ってしまった。なんか知らんが助かった〜(冷汗)。それにしてもなんて友達甲斐のない奴らだ。後でどうして教えてくれないんだと怒ったら、逆に必死に教えたのに気付かず行ったのはお前だ、と怒られてしまった。どうやら相当グッスリいってたらしい(笑)。なんにしても九州記念チケットもらわずに済んでよかった(ホッ)。
神戸港での記念撮影  なんだかんだ走りながら鳥栖からR3へ、そして途中渋滞にまきこまれながらも福岡を抜け、やっとのことで小倉に到着。なんとかフェリーの時間に間に合ったようだ。小倉の街で遅い晩飯食って(ラーメン屋のオバハンにラーメン500万円と言われた:爆)、フェリーに滑り込む。ふぅ〜、よかった。この日はあっという間に寝ちまった。なんせオール下道で街中走ってきたもんな。メッチャ疲れたのね〜。

10月10日(月)
 翌日、朝9時頃に六甲アイランドに到着。今日もいい天気だ。港に到着するまでの間、デッキにあがって景色を眺める。海からの景色っていいもんですねー。なんかフェリーはやみつきになりそうな予感が。それにしても今回のツーリングはラッキーだったな、なんせ全部晴天だもの。港で記念撮影し、それぞれ帰路に着く。や〜、なんだかんだあって楽しかった。これだからツーリングはやめられない。また行こうな、兄弟!

おわり


もどる