ZZRカスタムインプレッション
外装・ドレスアップ編

タートル・カーボンチェーンケース
 バイクハウスタートルプロデュースのカーボン製チェーンカバー。左リア部を軽快かつレーシーにドレスアップする。



左リア回り  マフラーを右1本出しにしたことにより、左リアが寂しくなって不細工な純正ケースが丸見えになってしまった。やはりライダーとしてはカッコよく決めたいとの思いから、手頃な物がないか探していたところ、雑誌広告で見つけたので装着。購入は直接タートルに連絡をとって郵送してもらった。
 さて装着の方だが、これがかなり梃子摺った。ただノーマルを外して着けるだけでいいはずなんだが、穴の加工精度に問題があり悪戦苦闘。3点固定のうち、2点を合わすと何故か残り1点が合わない(笑)。どうにもならないので、クレームをつけて修正してもらった。しかし修正で直ってきた物も穴の位置が微妙に違う。再度電話でクレームをつけたところ、曲がるので無理して着けてくれとのことだったのでそうした(笑)。真後ろから見ると、スイングアームへ伸びるアーム部分が外へ湾曲してしまっている。最初は気に入らなかったが、滅多に見ない部分なのでそのうちどうでもよくなった(笑)。

 それよりも問題なのはタイヤとのクリアランスで、タイヤのショルダーエッジから約7mmしか確保されていない。リアサスがボトムした時などの事を考えると、はたしてこれで大丈夫なのかといった心配がつきまとうし、タイヤによっては干渉するのでは、といった不安もある。一応、今までミシュラン、ダンロップと履いてきて干渉してないようなので、現在は問題先送りとしているが。
 それさえ気にしなければ十分レーシーでかっこいいし、何より軽いのがいい。今のところお気に入りのパーツの1つである。

◎ここがグッド(^o^)
・左リア部分をレーシーにドレスアップ。
・やはり軽い。計量化にも効果あり。
●ここがチョット(TT)
・取付穴の加工精度がイマイチ。
・タイヤとのクリアランスが少なく、タイヤサイズアップに不安が残る。

ロックハート・エアロタイプスクリーン(スモーク)
 アメリカ・ロックハートフィリップス社製エアロタイプスクリーン。上半身への風圧を低減するとともに、良好な視界を確保する。カラーも蛍光ピンク・グリーン等、アメリカナイズされた各色が豊富に揃う。ノーマルタイプも有り。



ロックハートエアロスクリーン  ZZRユーザーならば、誰でも不満があるであろうスクリーン越しの前方視界。またノーマルでは速度を上げていくと、思ったより上半身への風圧が大きい。視界の方は滅多に見ない景色なので我慢するにしても、風圧の方は体の疲労にも影響してくることから交換を検討。どれが良いのかいろいろ悩んでいたが、風圧軽減の1点に絞ったら自然とこれに決定した。ちょうど近所のバイク屋で安売りしていた、ということもあるのだが(笑)。
 さて装着後の感想だが、予想以上に効果があった。ハイスピードクルージングにおいても、ある速度域(詳しくは言えない)までは全く伏せる必要がない。常用速度域に至っては快適そのもので疲れ知らず。スクリーン上端が反りかえっているだけでこんなにも違うものなのか、と感心した。視界の方も歪みが少なく、ノーマルとは比べ物にならない程良好である。
 但し、中途半端に伏せると目線の位置にスクリーンの反りがくる為、視界が歪んでしまうので注意が必要だ。空力全体としては、前面投影面積が増えて最高速度が落ちているかもしれないが、所詮ストリートでそんなスピードを出すことなど私には関係のないこと。スタイル的にもさほど違和感なく、カラーもスモークとしたので引き締まって見えるのも好印象であり、個人的には気に入っているパーツである。
 同社製は他社製と比べて安価で実売価格もこなれてきているので、風圧をなんとかしたい、と思っている諸兄に特にお勧めだ。
◎ここがグッド(^o^)
・上半身への空気抵抗が明らかに少なくなり、快適。
・ノーマルよりも歪みが少なく、視界がクリアーである。
●ここがチョット(TT)
・エアロタイプの為、結局上部の反っている部分では歪んで見える。
・前面投影面積が増えるので、最高速は落ちるかも。

Ninja用クラッチレリーズプレート(メーカー不明)
 アルミ削り出しクラッチピストンベース兼用スプロケットカバー。ドライブスプロケット回りを軽快に演出し、軽量化にも役立つ。メーカー不明のNinja用。



クラッチレリーズプレート  私は滅多に洗車をしない方だが、それでも各部への給油やサスのロッド等の清掃には気を使っている。いくら大パワーを誇るバイクでも、伝達系のフリクションが大きければ無意味だと考えるからだ。
 特に後輪へパワーを伝えるチェーンには常に注意を払い、300km毎に清掃もしくは注油を行っている。ノーマルカバーのままではドライブ側の清掃がやりにくく、一度無理矢理行おうとした折にクラッチピストンが飛び出しかけたことがあったので交換を決意。こんな物はどこのでもいいと思っていたので、他の整備ついでにベビーフェイスで交換してもらった。バイク屋まかせなので、故にどこのメーカー物かさえ知らない。一応ニンジャ用のようである。
 装着理由は掃除の為なので、良いも悪いもなく、これ以上求めるものなど無い。ただ交換した副産物として、スプロケ周りがシンプルになってかっこ良くなった。これは嬉しい誤算。他にもノーマルの巨大な塊がなくなったので、軽量化にも寄与しているのはありがたいことだ。

 但しちょっとした弊害もある。まずチェーンの余分なオイルをしっかり拭き取っておかないと、そこら中に飛び回る。ノーマルカバーでも内部では同じことが起こっているのだが、無い為に靴にまで飛んでくる。うっかりすると靴やジーンズの裾が油まみれになることがあるので注意が必要だ。
 また些細な事だが、結構駆動音がやかましい。ノーマルには消音材が着いているのだが、やはりそれなりの意味があるから着いていたのだ。壁際等を走行すれば、「ジャー」という音がはっきりと聞き取れる。まあ、気にしなければそれだけの話なのだが。
 もし、ドライブ側のスプロケットを掃除したことがない人には、一言注意しておく。この部分は恐ろしい程汚れている。油と埃や砂が混ざり合って、まるでコールタールのように堆積している。ひどい状態だと山積みとなったそれらがチェーンに干渉するまでになるので、そのままではフリクションロスとなってしまうのは明らかだ。別に交換は強要しないが、マメに清掃をするよう心がけて欲しいものだ。

◎ここがグッド(^o^)
・ドライブスプロケットの掃除が簡単。
・いかにもチューンドバイクだと思わせる雰囲気。
・軽いので、軽量化効果もあり。
●ここがチョット(TT)
・チェーンの油がそこら中飛び回る。
・チェーン駆動音がやかましくなる。

エーテック・カーボンカウル(アッパー/ロアー/シート/インナー/Fフェンダー)
 カワサキワークスにもカウルを供給する、エーテックのウエットカーボン製ノーマル形状カウル。高剛性かつ超軽量で、確実な軽量化を約束する。フロントフェンダーはオリジナル形状も有り。



 忘れもしない、98年12月29日。年内走り納めとばかりに行ったお気に入りのワインディングで暫し走りを楽しみ、十分堪能した帰りのこと。頭はクールダウンしていたのだが、肝心のペースが速いままだったようでうっかり転倒!ZZRは私を置き去りにして路面を滑走し、あろうことかガードレールにぶちあたって止まった。幸い車体のダメージは少ないようだったが、カウルは左アンダーを残して大破。特にガードレールに直撃したシートカウルは見るも無残な姿に変わり果ててしまった。
 早速自宅へ戻ってパーツリストを見たのだが、ノーマルカウルは思ったよりも高価な代物と判明。暫く考えた末、どうせ換えるならカーボンにしてみては?と計画。前々からカーボンカウルには興味があったので、いっそのこと全部カーボンにしてしまうことを決意。購入にあたっては直接エーテックのショールームに出向き、クオリティーを実際に確かめた上で発注。ほとんど手作りなので、納期は約1ヶ月半かかった。
 はたして、50インチのTVかと思われる程の大きな箱によって送られてきた中身は、想像以上の驚異的な軽さ!そもそもその大きな箱自体がヒョイとばかり持ちあがるのだから、これで感動しないはずがない。参考までにエーテックへ重量を聞いてみたところ、暫し思案した挙句「だいぶ軽くなる」との答えがかえってきた(爆)。これは私の推測だが、全て交換して3〜5kgの軽量化がなされていると思われる。カーボン自体は驚く程薄く、それでいて全く反らない程強度がある。細部の曲線も忠実に再現されており、値段に疑いのない納得のいく仕上がり具合だ。但し装着するにあたって、いろいろ不具合も生じてきた。それぞれのパーツについて紹介していこう。

@アッパーカウル
アッパーカウル  シルエットの出来具合は完璧。特に私のお気に入り部分であるエアインテーク部分の膨らみも綺麗に再現されていて、感激も倍増ものだった。
 但し取付にあたっては困惑。問題はヘッドライト取付で、ステーはカウルに装着済なのだが、ただ穴が開いているだけなので位置決めに四苦八苦。同梱されてきたボルトは貧相なもので、結局ノーマルの固定類を使用してなんとか落ち着いた。やっと着いたと安心したらば、カウルとヘッドライトの左右方向の隙間がやたら大きく、これは大いに不満。また車体への取付については、ミラー部にただ大穴が開いているだけなので、そのままではかなりのガタが発生する。私はアンダーカウル用ラバーを流用して対処した。当然ながら、ラムエアーダクトとの連結ステーなどは存在しない。ダクトはカウルによって下から支えられているのみの、宙ぶらりん状態である。
 取付後の問題だが、フェンダー上部の部分まで一体式となっているので、光軸の調整ノブに手が伸ばせない。カウル装着状態での光軸調整は至難の技である。その他ダクト付近にガタがある為、走行中にカタカタと音がする。結構不快である。

@ロアーカウル
ロワーカウル(左側)  ノーマルよりやや大きめ。エアスリット部分に若干のデザイン差があるが、総じて綺麗に仕上がっている。但し細部までよく観察すると、カーボンの折り目が皺クチャになっている部分も多少あるが。
 これの装着にも相当苦労した。やはりアッパーと同じく、基本はただ穴が開いているのみ。しかも微妙に位置がズレている。やはり貧相なボルトが同梱されているが、カウル裏から誰がナットを合わせてくれるというのだ(笑)。仕方ないのでカウル装着用のラバーマウントを別途購入してアッパー側に装着し、位置のズレについてはドライバー等を利用して穴を拡大することによって対処した。ちなみにラジエター付近のカウルも一体式となっており、余計なパーツは一切無い、完全な左右2ピースとなる。装着にあたっては、一応マフラーの熱を考慮して裏面に耐熱シートを貼り付けた。
 但し熱問題は別部に発生。カウル内に遮へい板が無い為、エンジンからの熱風が脚を直撃する。遮へい板があるノーマルでさえ熱かったのだ。この熱の異様さは筆舌に尽くし難いものがある。100km/h以上で走行しても襲ってくる熱風はまさに地獄である。

@シートカウル
シートカウル  ノーマルとは違い、左右一体式。エーテックの説明によれば、カーボンだと強度があるので一体式で良いのだそうだ。その時はなるほどと思ったが、やはり装着時において問題が発生した。
 何が問題になったかというと、その強度自体。カーボンは全くしならない。一体式の為、後ろからはめ込むように装着するのだが、左右に広がらないので奥まで入れるのに悪戦苦闘。どこかにバリがあったのか、最後は「バキィ」という音と共にはまった(汗)。固定はノーマルと同じなのだが、やはり荷懸けフック部分などは穴が開いているのみ。ノーマルではラバーを介しているのだが、それだけの穴を自分で加工するのがもう面倒だったのでそのまま装着した。その他ウインカー取付部分のガタが大きく、やや不満である。
 装着後の使い勝手も、やはり一体式であることに起因してくると思われる。例えばオーリンズの圧側減衰調整を行おうとするだけでも、カウルを全部取らなければならない。再び装着する時には上記の問題がまた発生する。滅多に調整しない部分とはいえ、今から考えるだけでも頭が痛い。

@インナーカウル
 ノーマル同様2ピース式。一応左側に小物入れ、右側にラジエター点検用の窓部も存在する。出来具合については、ほぼノーマルと同じと考えて支障は無い。取付についてだが、メーター周りの方は問題なかった。但し装着してみれば、アッパーカウルとの間にかなりの隙間が生じ、かなりの不満が残る。
 タンク側の装着には問題あり。何故かといえば、やはり左右に広がらないから。整備をする折にはタンクを外すことが多いが、再装着する際、先にタンクを取り付けると難儀な事になる。広がらないのを無理に押しこめようとすると、カウル先がタンクを引っ掻く。カーボンは強いので、かなり深手の傷を負ってしまうことになる。さらに無理に広げれば、カウル中央部が割れる。私は割ってしまった(泣)。
 また左側の小物入れだが、かなりのガタがある。ラバー等の対策を施さないと、走行中にもカタカタと音をたて、なによりロックしていてもほとんど蓋が取れてしまう。結局、私は整備する時の事を考えると面倒なので、タンク側はノーマルに戻してしまっている。

@フロントフェンダー(ノーマル形状)
フロントフェンダー(ノーマル形状)  他にオリジナル形状が2種あるが、私はノーマル形状が好きなのでこれを選択。ノーマル同様2ピース式。取付時の問題は他カウルと同様、穴が開いているのみということに尽きる。タイヤとのクリアランスを確認しつつ、同じくカウル装着用のラバーマウントにて対処した。
 このパーツは数あるカーボンカウルの中でも効果がはっきりと確認できた物の1つで、ハンドリングが軽くなったのを感じた。唯一のバネ下装着パーツであることを考えれば、むしろ当たり前のことかもしれないが。装着及び取り外しがやや面倒だが(これはノーマルでも同じ)、一度着ければ滅多に外さない部分であるから問題ないであろう。

@総括
 全体の取付として苦労したのは、やはり穴の位置。しかし、これだけの大きさの物に正確に開けていくというのは無理があると思うし、多少の加工の覚悟が必要だ。当たり前の事かもしれないが、純正カウルは良くできていると正直思った。取付に際しての注意点は、ボルト類の締め付け。いくらカーボンとはいえ、ある一点に力がかかると簡単に割れる。そして一度割れると非常にモロい。しならないだけに、無理は禁物である、と言っておこう。
 また、これはカーボンカウルのデメリットではなく私の問題なのだが、装着して全く攻めれなくなった。いかんせんコケるのが怖い。コケて怪我するが怖いのではなく、カウルを破壊するのが怖い(笑)。ノーマルカウルと比べて値段的にそう変わらない(むしろ安い)のだが、根っからの貧乏人気質故どうしようもない(爆)。いつのタイミングで減価償却したと見るか、私自身の大きな課題だ(笑)。
 様々な問題点を挙げたが、装着してみればかっこいいの一言。ペイントなどしなくとも、カーボンフル武装はGPマシンのシェイクダウン車を髣髴させ、眺めていても一向に飽きない。軽量化に多大な貢献もあるし、ブルジョワ気分に浸りたい方へは、ぜひともお薦めだ(笑)。

◎ここがグッド(^o^)
・なんと言っても軽いこと!さすがカーボン!
・カーボン独特の折り目が特別な雰囲気を醸し出す。はっきり言ってかっこいい!
●ここがチョット(TT)
・取付穴の加工精度がイマイチ。取付に苦労する。
・フルセットで揃えると一大財産になってしまう。壊すのが怖くて攻めきれない(苦笑)

ポジポリーニ・アルミボルト
 「世界で一番高いボルト」という掟破りな広告が有名な、イタリア・ポジポリーニ社製ボルト。チタン・アルミ共全ボルトのネジ部は転造製作され、抜群の耐久性を持つ。またフェラーリF1純正部品にも指定され、その品質はまさに折り紙付きのスペシャルボルト。



ポジポリーニボルト  カスタムにハマった者が、必ず最後に手を出すといわれている代物。例外に漏れず、私もカウル一式を交換した折に購入(笑)。カウルは当初から金銭的な理由によりオールペン出来なかった為、殺風景になることを考慮してアクセント的に導入した。現在はスクリーン及びカウル固定に使用。
 さて装着の感想だが、コレに関しては良いも悪いも無い、着けてみればわかる、着けた者のみがわかる(笑)。たかがボルトと見るか、されどボルトと見るか、全ては個人の判断だ。
 剛性の方だが、耐久性に優れるといえどアルミはアルミ。無茶をすれば折れるしネジ山は潰れる。チタンの方は私は知らない、そこまでまだ手出しできない(笑)。一般的なボルトと比べ、メリットといえば軽いことぐらい。グラム単位の軽量化には役立つが、ストリートバイクの分際でボクシングの計量のようなマネをして何の意味があるのか、私が聞きたいくらいだ(爆)。それでも信者は後を絶たない、不思議な部品である。
◎ここがグッド(^o^)
・ポジポリーニだけが持つ高級感。自己満足度高し!(笑)
・ステンレス製より軽いので、若干の軽量化に役立つ。
●ここがチョット(TT)
・たかがボルトのくせに高い!

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