
吸排気・点火系編
BabyFaceステンカーボンマフラー(手曲げ/4−2−1)
生粋のエンジン屋、ベビーフェイスプロデュースによる4in2in1マフラー。ステンレスの材質にまでこだわった砂詰め手曲げ管で、美しい3次元曲線を描く。性能も優秀で、ノーセッティングで確実にパワーが上がる。整備性も考慮され、装着状態でオイル・オイルエレメント交換可能、またセンタースタンドも使用可。音量98db、単体重量約6kg。
’96・5・29、走行距離2,101kmにて装着。私の場合、マフラー交換はパワーアップではなく、軽量化のための必須事項だった。なにせセンタースタンドを上げられなかったのだ(笑)。
当時からZZR用マフラーは数多くデリバリーされていたが、すでにBabyFaceにいろいろお世話になっていたこともあり、これ以外選択肢はあり得なかった。右1本出しとなったが、もともと2本出しに愛着がなかったため、特に抵抗も感じなかった。
さて装着後の感想の方だが、軽くなったの一言。なぜってセンスタ上がった(笑)。冗談はさておき、ノーマルに比べ10kg近くの軽量効果は絶大で、特にリアサスの動きがよくなった。
パワーはK&Nフィルター及びダイノジェットキットとの組み合わせで全域約5PSほどアップ。体感的にパワーが上がったとは感じなかったが、抜けが良くなった分吹け上がりが気持ちよくなった。
気になる音の方だが、GOOD!アイドリング状態では驚くほど静かな感じだが、ひとたびアクセルを開ければ腹に響くような重低音を奏でる。テールパイプのRも秀逸で美しい。まさにビックバイクの所有欲を満たしてくれる、秀作の1本といえよう。
余談だが、私のZZRはBabyFaceの広告に使われた(写真右)。カスタムのため預けていた時に、撮影に使わせていただくとは聞いたのだが、実際雑誌に掲載されているのを見ると嬉しい。現在は広告展開の主力が他車に移行したため2度と使われることはないのだろうが、一時でもメーカーの看板になったと思えばこれに勝る幸せはない。つくづくベビーさんと親しくなれて良かったと思う。
なお現在BabyFaceは、性能はそのままに機械曲げとしたオリジナルマフラー『SATO』(社長の名前だ!)と、同じく手曲げチタンをリリースした。それぞれの予算に応じてご検討してみてはいかが?
- ◎ここがグッド(^o^)
- ・何といっても手曲げの美しさ。溶接も丁寧で納得のクオリティ。
・ノーセッティングで下から上まで全域パワーアップ。
・迫力の重低音!アクセル開けるのが楽しい。
・装着状態でオイル及びオイルフィルター交換ができる。センスタOKで整備性良し。
・軽い!
- ●ここがチョット(TT)
- ・良くも悪くも1本出し。スタイルを壊したくない人には不向き?
・少々割高か。
K&Nエアフィルター(リプレイスメント)
アメリカ・K&N社製エアクリーナー。エアフィルターの社外品といえばK&Nというくらい、超有名パーツだ。防塵性、耐久性に優れ、吸気抵抗も少なく効率よくキャブレターへ空気を送り込む。FCR−BOX仕様なら必需品。
マフラー交換と同時に装着。より吸気効率を上げるため交換したのだが、ハッキリ言って効果のほどは不明。パワーフィルター仕様ならいざしらず、これの違いが解る人なんて恐らくいないだろう。
但し、ノーマルと比べて耐久性が上なのは事実。本体は波状に張られたワイヤーに紙製フィルターを内蔵したもので、ジャブジャブと洗うわけにはいかないが、K&N製エアフィルタークリーナーを使えば簡単に洗浄できる。そして洗えば半永久的にいつまでも使える。
吸気孔が正面にあるZZRにとってエアクリが汚れるのは必定であり、ましてやタンクをはずさねばメンテナンスできない構造上、耐久性が高く手入れも簡単、何度も使えるとあればそれ以上求めるものなどあるはずもない。お勧めパーツの一つである。
- ◎ここがグッド(^o^)
- ・高い耐久性。洗って何度でも使え、経済的。
・K&Nクリーナーを使えば水で洗浄できる。手入れが簡単。
- ●ここがチョット(TT)
- ・もみ洗いできないので、K&Nクリーナー以外で洗うのは至難の技。
ノロジーホットワイヤー(プラグコード)
アメリカ・ノロジー社製、USAドラッグレース生まれの高性能プラグコード。0.5Ωという超低抵抗のコード自体にCDIシステムを内蔵し、点火コイルから送られてきた電荷を蓄電、増幅することによって、STD比10万分の1以下の放電時間&約330倍のスパークを実現する。完全燃焼を促進することによって中低速トルクアップ、始動性アップ、燃費の向上など様々な効果をもたらすスーパーコード。
’97・3・23、走行距離7,476kmにて装着。私のZZRは購入時から調子が悪かったことはエンジン編で述べたが、素人的考えで点火系が悪いのではないかと感じていた。理由は排ガスが生ガス臭く、ちゃんと燃えていないのではないかと思ったからだ。
この前年秋に、自分でスプリットファイアに交換していたのだが、取付精度が悪かったため、かえってパワーダウンするという御粗末な事態に陥り、BabyFaceに相談したところ薦められたので交換。
装着して違いはすぐに体感できた。ノーマル時の5000rpmあたりの谷間がすっかり消えてしまったのだ。ターボ的なおもしろさがなくなったものの、下からフラットに伸びるようになって、むしろ乗りやすくなった。燃費の効果は不明(気にしたことがない)。また、始動性については原因が別にあったため(エンジン編参照)、この時は改善せず。現在は良好である。
注意点だが、このコードはプラグとの相性がある。どれがどうとはいえないが、とりあえずスプリットファイアプラグとは相性が良くなかった。これも素人的な考えで、低抵抗でスペックの高いパーツの組合せであれば性能がアップすると思っていたのだが、どうやらそうではないらしい。
BabyFaceによれば、特にこのコードは着火力が強いため、プラグまで強いと点火時期が狂うらしい(タイミング前に引火する)。くれぐれもノーセッティングでの装着は厳禁だ。
また、困ったことだがプラグキャップがすぐ抜ける。いい加減な差込み方をしていると、振動ですぐ浮き上がってしまう。当然抜けた気筒は死んでしまうので、プラグ点検等でキャップを抜いた場合は、必ずしっかりと押し込むよう注意が必要だ。
- ◎ここがグッド(^o^)
- ・強力な着火力。中低速パワー、トルクがUP!
・始動性向上、アイドリング安定。
・燃費が向上(するらしい)。
- ●ここがチョット(TT)
- ・プラグとの相性がある。
・プラグキャップがすぐ抜ける。注意して押し込んでおかないと、後で何気筒か死ぬ(爆)
・1本7,500円もする。高い!
ケイヒンFCRキャブレター(41¢ダウンドラフト)
高性能キャブの代名詞的存在ともいえるスポーツキャブレター。ピストン式のスロットルバルブを持つ可変ベンチュリー型キャブレターで、フラットバルブ採用によるレスポンスアップ、スロットルバルブベアリング、背圧バランスバルブによる動作性&気密性の向上、加速ポンプによる開け初めの息ツキ防止など、考えうる全ての性能を高レベルで実現している。ボディに書かれた「RACE USE ONLY」の文字がそそる。
’98・1・28〜4・15、走行距離12,235kmにて装着。これもZZR完調化プロジェクトによって装着されたパーツの一つ。
エンジンO/H後しばらくしてから、1番のプラグがカブって3気筒になるというトラブルが再三にわたって発生し、BabyFaceとその対策について頭を痛めていた。結局キャブに原因があるのではないかと推定(実はシムだった、エンジン編参照)、ならばいっそのこと交換してしまおうということで思い切って購入。
装着後しばらくは普通に走っていたが、99年春に症状が再発し、わずか5,210kmの走行距離でO/Hを実施している。またエアクリーナーのBOXにも問題があったらしく(2次エアを吸引していた模様)、O/Hと同時にBOX加工を施した。
そんな訳で、つい最近まで正直FCRの恩恵に全く授かっていなかった。むしろ噂ほどではない、とガッカリしていたほどである。完調となった現在は感動的といってもいいくらいで、クセもなく綺麗に吹け上がり、開けたら開けただけパワーをくれるといった感じで楽しくってしょうがない。
レスポンスも俊敏で、常に欲しい時に欲しいだけのパワーを得られる。また、アクセルを開けていった時の「キュィーン」という吸気音が魅力的で、それだけで酔ってしまう。低速域のガバ開けで多少息つきすることがあるが、それは大口径であるための宿命のようなもので、3000rpmも回っていれば全く問題ない。
BOX仕様としたのはエンジン耐久性を考慮してのこと。ファンネル仕様とすればそれだけで10PS以上パワーが上がるらしいが、エンジン寿命が短くなるくらいならやめた方がいいと判断した。またBOXであればラムエアを生かせるので、選択は間違っていないと確信している。BOX仕様とするには別途アダプターが必要となるので注意されたし。
さて欠点の方だが、良くも悪くもレーシングパーツということ。つまりセッティングがすぐズレる。極端な言い方をすれば毎日性格が変わる。気温・湿度がバッチリあっている時は至福の瞬間だが、そうでなければそれなりだ。毎日リセッティングを施すなど非現実的なことので、これは致し方ない。キャブの原理上どうしようもないことだ。
ベストは季節に応じて年4回なのだろうが、私はベビーさんにお世話になってるので、金銭的理由によりルーチンを飛ばしがち(笑)。そのうち自分でチャレンジしてみようと思っている。
- ◎ここがグッド(^o^)
- ・俊敏なレスポンス。欲しい時欲しいだけパワーを得られる。
・パワー感増大。さすがはFCRと唸ってしまう。
・官能的な吸気音。はっきりいって酔う(笑)
- ●ここがチョット(TT)
- ・セッティングがすぐズレる。良くも悪くもレーシングキャブ。
・チョークがないので、冬の始動にはコツがいる。
RPMイグニッションアドバンサー(可変式パルサーローター)
アメリカ・ROHM PERFORMANCE MACHINE社製可変式タイミングローター。STDより交換することによって、イグナイターへ送る信号を変更し、よりエンジンに最適な点火タイミングを調整できる。一般的な社外品パルサーローターとは異なり、トリガー(突起)部が5段階に調整できるようになっており、好みに応じて進角にも遅角にも(それぞれ最大4度)設定できる。
’99・3・24〜5・23、エンジン腰上&FCRのO/Hと同時に装着。エンジンの調子が不良だったことはあるが、相変わらず素人的考えで“しっかり燃えていない”と感じていた私は、点火時期を変えてみれば良くなるかもしれぬ、とZZR再点検の折にBabyFaceに相談。
初めはV&Hかなと思っていたのだが、ベビーさんが「可変式のいいヤツがある」というので、すっかり口車にのって購入。
取付にあたり、ベビーさんに出したオーダーは、キャブセッティングを含めてトルク重視ということ。実際乗ることを考えた場合、ピークパワーよりもその方が実用性があると考えたからだ。オーダーに沿って取付は5段階レベルの4(3がノーマル、1〜2進角・4〜5遅角)、つまり2度遅角側に設定された。
装着後の感想だが、以前にもましてトルクが分厚くなった。特に発進時など、背中をどつかれたの如くスタートする。どの速度域からも加速が楽しい。以前にも増してゆっくりと走れなくなってしまった(笑)。
欠点としては、遅角側に振ったため伸び感がなくなった。ただしこれはセッティング次第で、高速側にしたければ変更すればいい。両方イヤならばノーマルレベルにも戻せる。1つの型に押し込められず、自由に遊べる意味から考えてもお勧めパーツといえるだろう。
- ◎ここがグッド(^o^)
- ・好みで進角にも遅角にも設定できる。
・キャブセッティングデータさえもっていれば、変更も容易。
- ●ここがチョット(TT)
- ・今のところ見当たらない。

