| クローン病食 クローン病患者さん用の説明なので、専門的ではありませんが・・・(栄養士さんごめんなさい) |
クローン病についてで解説したとおり、原則は高エネルギー、低脂肪、低残渣です。 クローン病などの炎症性腸疾患は、一日に必要なエネルギーの必要量が高い若年者に多く発症することや、炎症により必要エネルギーが増加するため、高エネルギー食になります。
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2.低脂肪 脂質は、他の栄養成分に比べて腸管の蠕動運動を刺激します。脂質の消化吸収には、胆汁酸が不可欠ですが、その胆汁酸は健康な人の場合回腸末端部で再吸収されます。しかし、クローン病患者さんでは、胆汁酸の再吸収が行われずに、腸管を刺激してしまい、下痢や腹痛を起こしてしまうのです。 そのため、腸管を安静に保つために、脂質の制限が必要なのです。クローン病患者さんでは、一日の脂質摂取量が30gを超えると再燃率が上がると言われているため、30g以下におさえるようにします。これは成人に必要な量の1/2〜2/3程度です(生活の強度や年齢、性別により差がありますが) 脂質は、マーガリン、バター、植物油などの”油”そのもの以外に、食品として脂質を多く含んでいるものに、生クリーム、チーズ、ばら肉、霜降り肉、ベーコンやソーセージ、うなぎ、トロ、マヨネーズ、ドレッシング、インスタントラーメン、チョコレート、スナック菓子などなどがあります。じつにたくさんの食品に、脂肪がたくさん含まれているのです。 例えば、炒め物をして大さじ1杯の植物油を使ったとします。そうすると大さじ1杯の植物油で13gの脂質の量になってしまいます。つまりあと使える脂質の量は17gしかないことになります。さてそこで、食パン6枚切りを1枚と牛乳(無脂肪や低脂肪牛乳でないもの)コップ1杯と卵1個を食べたとすると、脂質制限30gに早くも達してしまうのです。油そのものだけではなく、食品に含まれているものを含めた30gの脂質制限なのです。 どうですか?けっこう厳しいなと感じた方も多いのではないでしょうか。限られた脂質量の中で上手に使っていかないといけないことはこれでわかっていただけたかと思います。 また、”量”だけではなく、”質”にも気をつけなければなりません。ラードやヘッド、n-6系脂肪酸を多く含む油脂(大豆油、コーン油など)は、腸管粘膜の炎症を悪化させると言われています。逆に、n-3系脂肪酸を多く含む油脂(魚油、シソ油、エゴマ油)は、炎症を抑える働きがあると言われています。”量”と”質”に気をつけて上手に脂質制限を守りましょう。 健康な人が普段食事をしていても、エネルギー(カロリー)を気にすることはあっても、脂質の量を気にする人は少ないかと思いますが、さまざまな食品にたくさんの脂質が含まれているのです。否が応でもクローン病患者さんたちは主婦のように食品の裏や側面をじーっと看て、脂質の量などを確認されるかと思いますし。クローン病暦の長い患者さんはよくご存知かと思いますが、まだクローン病と診断されたばかりの方などはよく食品表示をみるようにしてください。 くどいようですが、油そのもの(植物油やマーガリン、バターなど)を含めたすべての食品に含まれている脂質の総量が30gなので、注意しましょう。 3.低残渣 残渣とは、食物が消化吸収された後に残る、食べ物のカスのことをいいます。すっかり世間に定着しつつある、食物繊維のことだと思って頂いてよいと思います。 健康な人ならば、食物繊維は水分を吸収して便の硬さや量を調節したり、腸内細菌の状態を良くしたりなどとてもプラスに作用しますが、クローン病患者さんでは、腸管を刺激して、下痢や腹痛の原因になってしましますし、腸管に狭窄がある場合はそこでつまって腸管が塞がってしまう危険性があるのです。 しかし、食物繊維も生きていくうえでやはり必要な栄養成分です。クローン病といえども摂る必要があるのです。では、どんなものがよくてどんなものは避けるべきなのでしょうか。 食物繊維には「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」に分けられますが、クローン病で問題になってくるのは「不溶性食物繊維」です。「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の違いは、字のごとく水に溶けるか否かということです。 わかりやすくいうと、りんごやバナナ、桃などに含まれるペクチンなどが水溶性にあたります。某製薬会社から発売されている食物繊維入りのドリンクに含まれているのが水溶性食物繊維です。水溶性食物繊維は刺激が少なく、下痢を軽減する効果があると言われていますので、摂取したほうがよいと言われています。 逆に「不溶性食物繊維」は、たけのこ、ごぼう、れんこん、ふき、こんにゃくなどに含まれる食物繊維がこれにあたります。こちらはその見た目どおり刺激の強い食物繊維なので、摂取を避けます。摂取できるものが限られてしまいますが、上手に摂っていきましょう。 余談ですが、健康な人には不足しがちなものであるため、世間ではもてはやされ、食物繊維入りお茶とか、食物繊維入り○○○などたくさんの食品が発売されていますが、クローン病患者にとっては「そんなものに食物繊維をいれてくれるな!」と言いたくなる食品も最近では増えつつあるのです。 |
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2.ビタミン・ミネラル はっきり言ってこれはクローン病患者さんには健康な患者さんと同様に摂取することは難しいと思います。 たとえばカルシウムを摂取する場合、有名なところでは牛乳が挙げられますが、脂質を多く含んでいること、乳糖不耐症(牛乳に含まれる乳糖を分解する酵素が不足、又はない為に下痢や腹痛をおこすもの)の患者さんがいる場合があることなどの点から、牛乳からカルシウムを摂取することは難しく、かわりに、ヨーグルトなどから摂取するなど別の方法をとらなければいけません。 鉄分を摂取する場合も、鉄分の多い食品にはほうれん草やレバーなどが挙げられますが、ほうれん草にはシュウ酸という物質があります。シュウ酸は胆石の原因物質の1つといわれており、避けたほうがよい食品だと書かれている書籍もあるくらいですし、レバーも一般的に好んで食べられる食品でもないことから、これらで鉄分を十分な量摂取することは難しいです。 他のビタミン類も同様に、もともと食事量を抑えているため、これらを食事で十分な量摂取することは不可能といえるでしょう。そのため、エネルギーやたんぱく質を補うためだけではなく、こういった栄養成分を効率よく摂取するためにも成分栄養剤が必要不可欠なのです。 成分栄養剤について クローン病患者さんの栄養療法に用いられるものに、成分栄養剤(エレンタール)があります。 簡潔にいってしまえばクローン病患者さんの大事な”栄養ドリンク”といったところでしょうか。これは、消化をほどんど必要としない成分で構成された栄養剤で、腸管の安静を保つことができるように工夫されています。たんぱく質源はたんぱく質の構成成分であるアミノ酸(消化を必要としないのです)ですし、その他糖質、ビタミン、ミネラルなどもかなり入っているので、クローン病患者さんにはなくてはならない栄養剤なのです。 エレンタールの摂取方法には大きく分けて2つあります。飲み物として直接飲む方法と、胃に管を通して(鼻からチューブを胃まで入れるか、お腹に直接チューブを入れる)直接流し込む方法です。飲む方法は手軽ですがとんでもなくまずいため、専用のフレーバーで味をつけて飲むのが一般的です。フレーバーには青りんご味、パイン味、アセロラ味、オレンジ味、ヨーグルト味、コーヒー味などがあります。また胃に直接流し込む方法は、睡眠時に必要量を注入します。 これを読んでいるクローン病患者さんの同僚、同級生の方。エレンタールを飲んでいるクローンさんをあたたかく見守ってあげてください。緑やら黄色やらまぁ、いろいろな色をしたはたから見ると変なものてすが、クローンさんにはなくてはならないものですから。そういう私も夫が飲んでる、あるときは黄色、またあるときは緑色をした不思議な飲み物を学生時代はずっと、一体何物なのかどうしていつも色が変わるのか、聞くに聞けず不思議に思っていました。彼はクラスの自己紹介で「なにやら変なものを飲んでいますが、いじめないでください」なんて言っていました(笑)。 |
一般的なクローン病食の食材選び クローン病食を作るにあたって、使用しても比較的安全な食品とそうではない食品があります。患者さんによって安全な食品と避けたほうがよい食品が多少違ってきますが、ここでは一般的に安全だと言われている食品と、一般的に避けたほうが良い食品について説明します。 なお、我が家独自の決め事や調理方法やその工夫、レシピ等は我が家のレシピにのせましたので参考にしてみてください。 注意!! あくまで一般的なものであって、クローン病患者さんすべてにあてはまるわけではありませんし、私個人の判断であえて安全なほうにあるものを避けるほうに入れたり、その逆にしたりしている部分も若干ありますので、自分の体質にあわせて、食材の選択をしてください。 |
| 分 |
比較的安全な食品 |
どちらとも |
避けたほうが よい食品 |
ポイント |
| 穀類 |
お粥、ご飯、餅 |
食パン、 スパゲティ |
玄米(五穀米なども) |
基本は軟らかく。 |
| 芋類 |
じゃが芋、里芋、長芋 春雨 |
こんにゃく さつま芋 |
芋類はお腹の中で発酵しやすいため、とりすぎない程度に。 こんにゃくは全く消化されないので避ける。 |
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| 豆類 |
豆腐、豆乳、 高野豆腐、 |
油揚げ、厚揚げ |
大豆、小豆、黒豆、うずら豆 などの豆 おから |
豆腐は絹ごし、木綿、焼き豆腐とも可。 |
| 種実類 |
使用しない | ごま、 |
脂質が多いことと、繊維が固いため種実類はすべて避ける。 |
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| 野菜類 |
大根、人参、かぶ |
玉ねぎ |
ごぼう、れんこん、たけのこ、 |
野菜は繊維質なので、あまり量をとりすぎないこと。
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| 果実類 |
りんご、バナナ、 もも缶、りんご缶 |
ベリー類、柑橘類、キウイ、 パイナップル、ぶどう、 メロン、柿、日本梨、 レーズン、プルーン、干し柿 など |
果物は種類に気をつけて食べましょう。 種が多いもの、刺激の強いもの、消化しにくいもの、発酵しやすいものなどががあるので注意。 |
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| きのこ ・ 藻類 |
使用しない | 海苔の佃煮 | ||
| 魚介類 |
避ける食品以外の |
エビ、カニ |
イカ、イカ製品(するめ、 塩辛など) カキ以外の貝類小エビ、くらげ 佃煮、みりん干し、干物 まぐろ油漬け 魚卵 |
貝類は、カキのみ食べてもよい。但し加熱すること。それ以外の貝類は、あさりやしじみの汁物等のエキス程度は可。 |
| 肉類 |
鶏ささみ、鶏むね肉 (皮なし) |
牛肉赤身 |
豚肉、その加工品全般 脂肪の多い肉(ハム・ ソーセージ・ベーコン・ミンチを含む) 鶏の皮 市販のミンチ肉 |
自分に向くもの向かないものなどがあると思うので、自分の許す範囲で摂取する。 |
| 卵類 |
鶏卵、うずら卵 | 調理法に気をつける。出し巻きなどはどうしても油を多く使う。 | ||
| 乳類 |
ヨーグルト |
アイスクリーム、生クリーム、 チーズ、牛乳(普通牛乳) |
乳糖不耐症の人はNG | |
| 油脂類 |
n−3系油 (しそ湯、えごま油、 魚油) マクトンオイル (MCT) |
バター、マーガリン、 ラード、ヘッド 揚げ油 |
油を使用するときは少量で。揚げ物等はNG |
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| 菓子類 |
和菓子(粒あん以外) |
カステラ ゼリー、プリン |
洋菓子・スナック菓子 |
和菓子でも繊維の多そうなものは避けたほうがよい。 カステラ、ゼリー、プリンはものにもよる。 脂肪分の多い菓子類は和菓子・洋菓子ともに避ける。 |
| 嗜好品 |
お茶類 | コーヒー、ココア アルコール 清涼飲料水 |
緑茶、紅茶はあまり濃いものは避けたほうがいいかも。 | |
| 調味料 |
醤油、味噌、 コンソメ、 ノンオイル ドレッシング トマトピューレ、 トマトケチャプ |
酢 | 香辛料全般 しょうが |
ケチャップはどちらかというと避けるほうに入っていることが多いが、ここでは料理のバリエーションを考えあえて、可にしました。 その他調味料もあまり刺激の強いものは避ける。が、ただでさえ料理のバリエーションがきかないので、自分の許す範囲で使用する。 酢は本によって違うが、ここではどちらともいえないほうに入れた。 |