感 覚 統 合 入 門
playfulnessより記載させていただいています。


このブックレットは、Sensoryが発行した
「A parent`s guide understanding sensory integration」(1991)の
翻訳のもとに 日本の現状に合わせて編集したものです。
このブックレットで説明しています感覚統合理論は、A.Jean Ayres博士(作業療法士)によって提唱、、理論化されたものです。
この理論は、Ayers博士や他の作業療法士、理学療法士の研究によってさらに発展し洗練されてきています。また、この理論の発展と治療技術は神経心理学、神経学、生理学小児発達学、心理学などの学問領域を理論背景としています。信や自発性は育ちません
まず、子供がどれくらい努力しているかを理解してあげることが大切です。
そうすれば、励ましてあげることや待ってあげることも苦痛ではなくなるはずです。そして、基本てきな問題である前庭覚及び固有受容覚の感覚統合障害に対して援助を始めることが大切です
両親は、自分の子供のことを他の誰よりも深く理解しています。ですから、子供が苦戦している時、物事をやりそこなった時、苦痛な体験をしている時、つまずいた時一番の理解者なのです。

このガイドは、なぜそのようなトラブルが生じてくるのかについて理解できるように書かれています。ご両親が何気なくやってらっしゃることのなかに子供たちの能力を最高に引き伸ばすものがありますし、また、これはトラブルの原因を理解することにつながります。

教師、医師、カウンセラー、セラピスト等と話しをされる時、このブックレットは子供たちの示すいくつかの行動を理解してもらうことを助けることも出きるでしょう。


1.感覚統合ってなに?

□触る感覚:触覚
触覚や動きの感覚、姿勢の感覚は、視覚や聴覚と違ってきっとあまり聞かれたことがないでしょうが日常生活で大切な役割を果たしています。
例えば、真っ暗な中で引き出しの中の懐中電灯を見つけることができるのは、この触覚のおかげです。
また危険から身を守ることにも大変役だっています。
この働きにトラブルが生じると、子供は手で優しく撫でられている感触と、クモが体をはっているのを区別することができないでしょう。

□動きの感覚:前庭感覚
前庭感覚は 頭の位置やその動きを感じ取り 
その変化に対応できるような自動的な体や目の動きを生じさせてくれます。
もし、この感覚がうまく働かないと黒板の内容をノートに書き写す時に黒板を見た後ノートの必要な個所に視線を戻すことが難しくなります。

また、山道を落ちないように歩くことやサッカーボールを蹴るために片足を上げることも困難となってしまいます。
さらに前庭感覚には、筋肉の緊張の強弱を維持したり、体の両側のバランスをとったり 頭を重力に対してまっすぐに保つというような働きもあります。


□体の位置の感覚:固有受容覚
前庭感覚に密接に関係しているのが固有受容覚です。
これは体の各部がどんな位置にあるかということを教えてくれるものです。
手足を動かす時にその部分を見ていなくても思いのままに動かすことができるのはこの感覚のおかげなのです。
この機能がうまく働けば 別に意識しなくても椅子からころがり落ちないように座ることができます。

また、鉛筆・ボタン・スプーン・櫛などもスムーズに使うことができます。
歩道の縁石から足をふみはずしてしまっても 次の一歩は転ぶことなくちゃんと地面につくことができます。

*いくつかの感覚が組み合わさりまとまりを作る過程*
触覚・前庭感覚・固有受容覚は 母親のおなかの中にいる胎児のころから
すでに働き始めています。
そして成長するに従ってお互いに関係しあいながら、脳の他のシステムと連絡をとりあいながら成熟していきます。
このように様々な感覚が複雑にからみあっているおかげで、人は身の回りの状況を正確に判断し適切な行動が可能なのです。
私たちが感覚統合という言葉で言っているのは、この働きのことです。

□運動企画
感覚統合のおかげで脳に入ってきた感覚に適切に反応できるばかりでなく状況にどう対応するかを考えることもできます。
例えば 運動企画はとても大切な能力ですが この能力は感覚統合の成熟の度合いによって左右されます。

運動企画というのは、まず何をしようかと考え、そのために動作を計画しそしてその動作を行うという 一連の流れです。
今までのいろいろな経験とその時の感覚体験をもとにして新しい運動を計画します。

どのように体が動き、そしてある状況で行動するためにそれをどう使うかを考えてみるとき触覚固有受容覚さして前庭感覚がとても重要となります。
運動企画という、新しい動作を作り出す機能によって全く新しい課題を扱えるようになるのです。

例えば、幼稚園児が新しい子供用乗り物に出会ったとします。誰かに教えてもらったり
助けてもらわなくても乗り降りのやり方を自分で考えすことができるでしょう。
つまり運動企画とはあまり意識されることのない感覚情報の処理を土台として行われる意識的に問題解決を行う力なのです。

□感覚統合機能のトラブル
たいていの場合感覚統合は、ふつうの活動をしていれば発達するものです。
運動企画能力は、成長するうちに自然に身についていきます。
しかし、感覚統合が十分に成熟していない子供もいます。
感覚統合の発達がうまくいかないと学習・成長・発達などにいろいろと問題がでてきます。


2.感覚統合にトラブルが生じているとき

□触覚・動きの感覚・視覚・音刺激に対する過敏さ
触られることを嫌がり避けたり、ある一定の衣服や食べ物を受け付けないことや、普段の遊びの中によくあるような動作を過度にこわがったりすることが見られます。
このように感覚刺激に対して過度の恐れや逃避を示す状態を「感覚防衛」と呼ぶことがあります。


□活動レベルが絶えず過剰に高い、もしくは異常に低い
絶えず動き回っているか もしくは動作がゆっくりで動きが少なく疲れやすいということがあるようです。
また、活動レベルに波があって一定しないこともあります。

□感覚刺激に対する鈍さ
過敏な子供とは反対に 体をぐるぐるまわしたり 物にぶつかったりするような強烈な感覚刺激を求める場合があります。
体の痛みに気がつかなかったり、自分の体がどんな姿勢でいるのかに気がつかないようです。

また過敏に反応したり、全く反応しなかったりと反応が一定しない子供たちもいます。

□動作協調性の問題
大きな動作 または細かい動作に現れます。バランスがとりにくかったり動作の協調が必要な新しい課題を行うのが難しかったりします。

□発語・言葉・運動技能・学業での遅れ
就学前の子供たちに現れやすい兆候です。
小学生の子供では、いわゆる知能指数は正常なのに学業面の問題がでることもあります

□行動をうまくコントロールできない 行動がまとまりにくい
すくにかっとなったり 注意が集中できなかったり課題をやり遂げようとする
計画性に欠けたりします。
新しい場面に適応するのが難しかったり 失敗した時に欲求不満となって怒りだすこともあります。
また しっぱいすることを避けるような行動をとることも見られます。

*自己概念の低さ*
これまで述べたような問題の経験を重ねてきますと
自分がほかの子供たちと違うのだと思い始める子供もいないわけではありません。
頭のよい子供は自分はほかの子供ほど簡単に課題をやりとげることができないことがわかってきますが その理由までは理解できません。
このような子供たちは 怠け者だとか意欲が欠如しているかのように見られてしまいます

このような問題をどのように理解していいのかわからない時子供と両親は自分達に責任があると考えることがあります。そし家庭の中が緊張し自己概念は低下し絶望感が広がります。

○感覚統合に問題のある子供さんには、通常これらの問題が1つ以上見受けられます。

3.次のステップへ(評価)
お子さんが、前に示したような状態に当てはまるようでしたら療育・教育機関の作業療法士(セラピスト)に感覚統合機能の評価をしてもらうことをお勧めいたします。
感覚統合の評価は、感覚統合療法に関する講習を受けたセラピストによって行われています。

評価はそれぞれの子供さんの年齢や状態に合わせて、検査道具を用いたテスト例えば南カリフォルニア感覚統合検(SCSIT)・日本版ミラー幼児発達スクリーニング検査(JMAP)や姿勢・バランス・手の協調性・目の動きなどの観察を行います。

また、いろいろな感覚刺激に対する子供の反応検査や 自由な遊びを通した観察などの評価もあります。

また、お子さんの成長の様子や行動について ご両親に質問させていただくことや、感覚発達チェックリストをなどのチェックリストをつけていただくこともあります。
通常このような評価に3〜4回 子供さんにお会いすることになります。

その後、ほかの専門家からの情報もふまえ、感覚統合アプローチを用いた治療がそのお子さんに適切であるか判断されます。

感覚統合機能のトラブルが明らかな子供さんには、もちろん感覚統合療法をお勧めしすが、確かでないお子さんの場合試験的治療を行いそのお子さんに効果があるかどうか見ることがあります。
また、感覚統合療法ではなく言語療法等の他の療法を紹介することもあります。


4.子供を援助する治療とは

□どんなことをするの?
治療ではいろいろな体の動きを通して感覚刺激に対して適切に反応する力を養うような活動を行います。これには前庭感覚・固有受容覚・触覚の刺激を伴う活動もありますし お子さんの発達上の必要な体の動きを含む活動などもあります。そしてお子さんの体の動きを含む活動などもあります。

そしてお子さんの体の動き・反応をより適切なものとしていくために、活動の難易度を注意深く徐々に高めていきます。
この時重要なのは 子供にどう反応・ 運動するかを教えたり練習させたりするのではなく、本人なりの目的や楽しみを得るた めに活動しているうちに自然と感覚統合が促されていくことです。
この治療では、特別な技能の訓練が大切なのではありません。平均台の上を歩いたりボールをキャッチしたり 鉛筆を使ったりケンケン跳びをすることが出来るようになるための訓練をするのではありません。

むしろ そういう技能をちゃんと身につけることのできる基礎的な能力を発達させるた め行うのです。
しかし、子供の自己評価や仲間づくりの能力を高めるためにある技能を訓練せざるを得ない場合もあります。
そういう時は、理学・作業療法士が その技能訓練をするかこれをしてしてくれる他の専門家を紹介します。
体を動かす技能の訓練に的をしぼった例には 体操教室や運動教室があります。

このようなものも大切ではありますが 感覚統合療法と同じものではありません。
感覚統合アプローチを使う治療で大切なことは どの活動を選ぶかを決める時に子供がどれをやりたいと思うかということを大切にすることです。
子供というのは、その発達段階において一番適した感覚経験を求めるものです。
これはセラピストにとって重要な手がかりとなります。
そして、どのような活動を選ぶかを決められるように 子供の興味ややりたい気持ちをセラピストが引き出していきます。
何をするか、たくさんの選択肢の中から選べる子供もいますが、うまく選べない子供にはセラピストが選択しやすいように援助します。
セラピストは、助けはするものの子供が主体的に参加できるような設定を配慮し
ます。

子供が刺激を受けるだけで自分からは反応しないということは ほとんどありません。
思い切って自分でやってみようと思えるようになれば子供は外界からの感覚情報をもっとうまく処理できるようになるのです。

□子供たちは治療が大好き!

感覚統合を使った治療は、子供にとって楽しいものです。訓練室は興味をそそる遊具でいっぱいです。
滑り台・ブランコ・大きなスポンジクッション・トランポリン・トンネル・空中ブランコなど・・・。子供にとっては治療は遊びですし、大人が見ても訓練は遊びのように見えます。

しかし、専門家がついていてくれるおかげで、子供は遊びの中で十分な達成感を得ることができ、このことが訓練の重要な側面となります。
感覚統合に問題のある子供さんには、特別な助けがなくては創造的に上手に遊ぶことができない子供がたくさんいます。
治療のなかでの遊びの雰囲気はただ楽しいために作られている訳ではありません。

興味を持ち意欲的に参加できれば、訓練にエネルギーをつぎ込みやすく、そのため限られた時間内での効果も上がりやすいという利点もあります。
子供は、自分自身が成長することを熱い思いで待ち望んでいますので治療は子供にとって積極的な成長経験である必要があります。

しかし治療が毎日うまくいくとは限らず、子供につらい思いをさせてしまうこともあります。
たとえば、その遊具に関わるのが難しいと感じ、訓練が楽しくなくなってしまうこともあります。
また、そのために治療に参加するのがむずかしい子供たちもいます。
経験をつんだセラピストなら 子供にどこまで強いたらよいかを知っていますし、子供が参加できるように親も助けてもらうこともあります。

□治療から期待できること
感覚統合訓練の効果が出てくると子供は以前よりずっとうまく複雑な動作を以前よりもスムーズに出来るようになる。
つまり動作の協調性がよくなってきたり、感覚刺激に対して反応しすぎたり逆に反応しぎたり逆に反応しない状態から、ちょうど良い反応の、方法に変化してきます。

また感情も安定し、自分に自信がもて、社会的技能も上手になってきます。言葉の発達が著しい子供もいますし、神経システムが効率よく働き始めるため学校の勉強ができるようになる子供もいます。

ご両親が、よく言われるのは子供が「まとまってきた」ということです。
また、ばらばらだった心と体がうまくつながり「一緒に暮らしやすい子供になってきた」 という声も聞かれます。
治療のはじめにセラピストは、これまでの経験や研究結果や問題点の中心はなにか?
という観点から子供さんのどの発達領域が、今後変化していくかを予想します。

もちろん、予想は誤ることもありますから、治療期間の途中で予測されるような
治療効果がみられているかを通常3〜6ヶ月に一回程度チェックします。
治療の期間は、子供さんの年齢や問題点のタイプ、変化の状態、また医療療幾機関の
事情などによって異なりますが、通常6ヶ月から1・2年間続きます。

また、個別訓練を一定期間行ったのちにグループでの訓練へ切り替えることもありますし、叙々に訓練の頻度を少なくし様子をみることもあります。
また、子供によっては短期的に集中して行い、それを休み休み行うこともあります。


5.両親にできること
両親が、子供の感覚統合を促すための援助で一番大切なのは、感覚統合というものが
存在し、子供が成長するときに重要な役割を果たすということを理解することでしょう。
どのように子供が様々な感覚を経験するかを考えながら子供の成長と成熟を促すような豊かな環境を与えることが大切です。
次に大切なのは、どの子もそれぞれに独特の興味、反応、ニードを持った一人の人間だということを認めることです。

料理の本のようにあなたのお子さんがの発達にぴったりの訓練が何かなどとは誰も教えてくれません。色々な状況に子供が反応するのを見ていると、親は自分の子供だけに必要なものを誰よりも分析できるのです。
例えば子供が触れることや動くこと、見ること、聞くこと、におうことなどをどのように行っているか考えてみてください。

速い動きによって子供が機敏になったり言葉が増えたりすることがあります。しかし別の時には、または他の子供だったら同じ動きによって興奮し、混乱してしまったり恐怖を感じることもあります。
親が子供の反応を観察し、その反応のもとになる行動を変えてゆく心がまえをしておくことが大切なのです。


*基本となることの原則*
それぞれの子供が違っていることや子供の反応も変化することをふまえて、
感覚統合を促す一般的な原則を考えてみましょう。

□すべての感覚を忘れずに
小さな子供がまわりの世界のことを学ぶためには、視覚・聴覚と同じくらい触覚と運動が大切です。これは 幼児期に視覚・聴覚を制限するという意味ではありませんが、触覚と運動の大切さを忘れてはいけないということです。

例えば家族が何をしているのか見たり聞いたりできるように居間の近くに置いた子供用の椅子に乳児を座らせておくことがありますが そうではなく腕に抱いてでもおんぶしてでも赤ちゃん用のブランコでもいいですから その子を長い時間抱っこしたり、ゆらしたり 動かしたりしてあげて、体の触覚は感覚を刺激し親子のきずなを深めます。

もうひとつ考えていただきたいのは 子供に一日のうちに色々な姿勢をとらせてあげることです。
遊んだり、寝たり、抱っこしたりする時にさまざまな姿勢をとらせると赤ちゃんは、重力や動きや身体のコントロールを体で知ることができるのです。

□子供の反応に敏感になろう
それぞれの子供がどういうふうに感覚刺激を感じ取り それぞれの体験にどう影響しているかを理解することが大切です。
軽く触られて喜ぶ子供もいますが、いやがる子供もいますし、特定の音(先生の声な ど)に注意を払おうとしても、まわりの雑音が気になる子供もいます。

高い所やある体の動きを嫌がる子供もいれば、じっとしていられない子供もいます。
大事なのは子供がそういうふうに反応するのは まわりの世界をどう感知しているかに左右されるのであって 必ずしも問題行動ではないことを認めてやることなのです。
子供が自分のまわりの世界をどう感じ取っているかをいったん理解することができれば
親はずっと適切に子供のニードに対応することができます。

つまり子供にとって安定できる状況をつくってあげたり または避けたりすることで子供がしっかりと触られたり強くおさとえられたりするのなら大丈夫なことが多いのです。
こういう理由でたいていの子供は抱きしめられると落ち着くことが見られます。
また、課題に注意を集中させる時にまわりの音が気になってしまう子供には、教室や勉強部屋として別の静かな部屋を用意すれば良いと思います。

子供から手がかりを探そう
子供というものは、自分の神経システムが必要としているタイプの感覚経験を探し求めるものです。
触覚であろうと動きであろうと視覚であろうと音であろうと子供が何かの感覚を感じたがっているように見えるなら あるタイプの感覚を強く求めているというしるしです。

子供がたくさん動きたいとか触れたい圧迫されたい振動したい、見たい、聞きたいなどと思っているようでしたら普段の遊びの中で、このような刺激が含まれるよう工夫してみてください。

たとえば人にべたべたしていて強く圧迫された感じを欲しがっているようなら綱引きをしたり、重いリュックを背負って近所にハイキングに行ったり、ごろごろ転がるゲームをしたり大きな枕やマットレスの下でかくれんぼをやってみるなどの遊びがよいでしょう。
これらの遊びは、強い固有受容感覚を与えてくれるもので、子供のニードを満たすことでしょう。

子供の能力を見極めよう
子供が感覚刺激を処理したり、それに適切に反応するときに要求されていることを考えてみましょう。
揺れるブランコの上でその動きを楽しみ、バランスをとることの出来る子供は、揺れながらでも生き生きと豊かな会話を楽しむことができます。

しかし、動きを怖がりバランスをとることの出来る子供は、揺れながらでも生き生きと豊かな会話を楽しむことができます。

しかし、動きを怖がりバランスをとることで精一杯の子供は、ブランコをこぎながら話をすることはできないでしょう。

前の子供さんは無意識のうちに感覚情報を処理したり反応したりすることがうまくいっていますが、後者の子供さんは感覚情報の処理が、まだ自動的に行われていないために、自分の力をそこに使い果たし、話す余裕がありません。このように無意識のうちに処理できない子供がいることを理解しておいてください。

遊びの精神を育もう
感覚の入力は強い力を持っています。
そのおかげで覚醒や活動のレベルがあがったり反対に下がったりする効果が現れます。小さな子供さんにとって、特に感覚刺激は、神経システムに強い影響力を持ちます。
いつもとちがう新しい感覚経験は睡眠、食事大小便のコントロール等の生理状態に影響を及ぼしますから、新しい訓練を始めるときはいつでも子供にすぐに見られる表面的な影響と長期にわたってゆっくり現れる影響の二つがあることに注意してください。
あまりに過剰で刺激的な遊び・活動には注意が必要です。

子供が主体的に関われるように
積極的に動いたり反応したり行動したりする脳の働きは、受け身な活動で生じる脳の働きとは違っています。
積極的に動くには、子供がその行動を考え出し計画をし実行し、ダイナミックに反応することが必要なのです。
受け身的な活動というのは、必ずしも反応を必要としない感覚や動きを生み出します。

積極的に関われば脳の変化たとえば成長し、学習し 行動をうまくコントロールできるようになる可能性が高くなるでしょう。
子供が積極的に関われば、その状況をコントロールする力を持つことができます。
それに対して受け身の行動ではいやがっているサインを出しにくいので用心しなければなりません。

ですから新しい感覚経験や動きの経験を計画する時は 子供が積極的に関わることが大切なポイントとなります。