緑のパワー                                         2003.5月

緑三昧をした。
今年のGWを二泊、私の故郷、島根で過ごした。
毎年 夏に一度帰るので 今回の帰省は特別だ。
三瓶山のふもとのロッジを借りて
私の方の親戚も集まりにぎやかに過ごした。
ロッジの周りは 見渡す限りの木々。
遠くには男山、女山。
子供達は、そばのアスレチックで楽しんだ。
夜になると あたりは真っ暗、朝は小鳥の声で目が覚めた。
時計も テレビもない中を ただ緑に包まれて過ごした。

故郷を離れ 故郷のよさを知る。
故郷がある 心地良さも知った。
主人は 有り難いことに この土地をすぐに気に入ってくれ
今では私より町中の近道を知っている。

京都に帰る日、姉の住む町で町民運動会があったらしい。
この町は漁師町。兄も漁師。
活気があり お祭りが好きだ。
この運動会で、 棒を支えに くるくる回り
フラフラのまま走る「よっぱらい競争」というのがあるらしいが、
素のよっぱらいも 参加していいらしい。(笑)

私が帰ってきてると聞いて 近所の人が姉に言ったらしい。
「まあ、妹さんが、かえっとっちゃるなら 皆で運動会出るように頼んでや。」
・・・田舎は よそ者も何もないのだ。

皆と別れた後の、帰りの中国道も緑がひたすら続く。
木々の緑は色が微妙に違い 「緑色」は 
この世の色の中でも 種類が一番多いのではないかと錯覚するほど。

ふと気付く。
「今日はみどりの日・・・」
昭和天皇が植樹で全国を回られ、たくさんの緑を増やされたことから
お生まれになった日を こう名づけたと聞いた。
私が保育園の頃、この三瓶山にもお見えになり
道端で国旗をパタパタ振ったことを覚えている。
あの日も、こんな穏やかな新緑の季節だったように思う。
「みどりの日」は 緑が一番美しい時期なのだと
改めて実感した。

この緑の町と道のりを あと何回往復できるのだろう。
私が「妹」に帰れる町。
母が待っていてくれた町。
そして見送ってくれた町。
いろいろな思いをのせたまま 緑の中を車は走る。

緑のパワーを力につけて 明日からも頑張ろう。
大好きなみんな また逢える日まで、元気でね。

ー帰りの中国道にて。