12才                          2003.7月

私の「12才」を振り返ると ひたすら手紙を書いていたように思う。
今ほど プライバシーだの、いたずらだの無かった時代だから
漫画本の「文通しましょう」というコーナーで ペン・フレンドを作るのは簡単だった。
気の合う友達ができて、毎日がピンポン玉のように 弾んでいた。
分厚い封筒に切手を貼り、ポストに入れた瞬間に
今度は待つ身の自分となる。
その分、 私宛に届けられた手紙を手にした時の思いは
未だに忘れる事ができない。
今でも「手紙」という字に触れただけで 胸がドキドキしてくるのは
彼女達と出会えた この時期があったからだと思う。

私の「12才」は 漫画を描いていた。
「大きくなったら 花屋さんになりたい」と 作文に書いた覚えはあるが
おそらくかっこつけただけで、実は漫画家に憧れていた。
ちょうど 陸奥A子さんや 太刀掛秀子さんが 流行りだした頃かと思うが
ほんわかした絵やストーリーが新鮮だった。
田舎のそのまた奥に住んでいた「12才」は 
Gペンだの ケント紙 ホワイトにスクリーントーンなど 
だれよりも早く手に入れただけで
 世の中の全てを手に入れたかのように 満足していた。
でも 投稿という努力もせずに 
私の夢はこの頃から中途半端に終わっていたような気がする。

私の「12才」は 音楽部に入って ギターを弾き出した。
姉の影響もあり、フォークソングが大好きだった。
夜更かしして オールナイト日本を毎晩聞いていた。

私の「12才」は コトの「12才」より 想像力は はるか大人で
私の「12才」は コトの「12才」より 実際はとても幼稚だった。

実はこの頃から あまり成長していないのでは・・と思う私は
コトに偉そうに 叱り付けながらも 
心のなかでは充分に 気持ちがわかる自分がいて、
貫禄や説得力は あまりない。

コトの「12才」が そしてこれからの人生が
どうぞ心豊かなものになりますように。
大人の振りした私は 
後ろからずっとずっと見守って行きたいものだと思う。

マサムネ

cotoは今、12才です。世間をにぎわす12才。
私の12才は何をしていたのか、振り返ってみました。