<森の狼>
人里離れた森に男が住んでいた。
たった一人森に住む男は、
朝は湧き上がってくる開放感に、
夜は染み出てくる人恋しさに、
雄叫びを上げる。
そして里の者は森に響く咆哮を恐れ、誰一人として森に近付こうとはしない。
今日も、森の中で狼の叫びが木霊する。
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