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私のインド(深い河に想いを馳せて。。)

インド旅行から帰って数日後、 何か忘れてるような感覚を引きずっていたのは、 以前読んだこの本のせいだったと気付き本棚から探し出し一気に読んだ。 故遠藤周作最後の小説、深い河。 作者本人が病に冒されながらもすざましい執念でインドへ取材して書き上げた痛恨の作品だったと記憶してます。 読み終わった途端に魂を揺さぶられたような身体の奥から涙が溢れました。

小説の舞台はヒンドウの聖地バラナシ。 それぞれに痛みや苦悩を抱え、 輪廻転生を信じ自分の真実と平安をインドへ探しにいく内容です。

深く考えることなく,日々追われた生活の延長 私の魂というところにズシーンとのしかかります。 誰もが持ってる悩みや惑い、 これでいいのかと考えたくともつい流されてしまってる自分、、 心の奥深く閉ざした物に向き合ってもいいんじゃないかなと、 そう、、見つめなおしてる自分がいます。 オーバーラップしそうな舞台の町で過ごした数日は貴重な経験。 ガンガーの流れは人生の深さを、また、全てを包み込む優しさを感じたものです。

真実、愛というものが分かってたのか、離婚してまで守ってきたものはナンだったの、 神秘なガンジスの夜明けは今までのいろんな想いを彷彿とさせました。

この町にはほんとに不思議な空気が流れています。 貧困も不浄も、全てを受け入れて脈々と流れるガンジス河、 又このシバ神のもとへ今度は"小説 深い河"を携えていってみたい。 何度訪れたところで求める答えなんてわかりはしないでしょうが。。。。。。 合掌 ナマステ!


旅行後記(2004年2月中旬旅行)
8日間の北インドの旅でしたが.俗にいうカルチャーショックというものを実感した次第 観光地アグラーでの異常に高い入場料にはびっくりですが背景にはお国事情もありそう、、 世界中には素晴らしい芸術、迫力の大自然、歴史的大寺院、 比較する事は出来ないですが、インドはどこにもない空気、悠久という言葉がぴったり。 壊れかけてる日本人のセンチメンタルかも.、、、 日本から見ればインドは想像以上に厳しい国。我慢出来そうにない事は多々ありますが 入れば入るほどはまってしまう。進歩を唱える毎に大事な物を失ってきた文明の陰に 本当の幸せがあるんじゃないかと痛感した旅でもありました。 ここまで読んでくれてありがとう。