指導計画の立て方


このページでは、私の指導計画の立て方を紹介します。
基本的に年代別によって考え方が全く違ってくるものと考えます。
もちろんレベル、ステージによっても計画が大きく変わります。しかし大まかな指針として紹介します。

各カテゴリ

幼少期〜小学校4年生

人間の運動神経は10歳までに発達を終えると言われています。
脳の容量もこの頃までに基盤が作られると聞きました。
この時期にいかに出来るだけの発達を促進するのかが、その後の育成の可能性を広げると言っても過言ではありません。
将来プロを目指すなら、この時期から育成に着手しておくべきです。プロになる可能性を持たせておけば、一つの選択肢となるでしょう。
10歳までが一つの分かれ道なのです。

小学校5年生〜小学校6年生

この時期はやはり神経系の発達を促進するべきでしょう。
ボールハンドリング系ですね。指先の神経の発達なんて、年が若ければ若いほど発達期間は短くなります。
そして何より大事なのが、バスケットボールを好きになってもらう事。
バスケットボールの指導者としては競技者人口の増加促進の一端を担わなければいけません。
底辺の拡大はトップレベルの向上になります。これがエンデバーの真髄だと私は考えています。

中学生

私の場合、中学一年生の初心者だけ別と考えています。ただし男子と女子の身体の発育の違いの差が激しく、それだけでは判断できない部分もあります。
3ポイントシュートが届かない子供には、まだバスケットボールの理屈は通じません。ロングパスが出来ない子供にも同じ事が言えます。
しかしよほどでない限り中学3年生になると男女ともそれらの事はクリアしてきます。この時期に筋力トレーニングは必要ないと考えますが、クリアできるだけの筋力は必要でしょう。


高校生

プロになる選手でも高校からバスケットボールを始めた選手がかなりいます。下手に悪い癖が習慣化されていない状態で、理解力が中学生に比べると格段に上がるので、無駄道を踏まないからと言えます。
それらの初心者も含めて私の場合、もう一度ファンダメンタルから指導する事が望ましいと考えています。
ただし中学生に比べると吸収力が高いので時間が飛躍的に短い時間で済みます。その分その時期のレベルに合わせた戦術指導も可能になります。


大学生

初心者は中学生と同じですが、経験者になると戦略指導の中で技術指導を交えていけばいいと考えます。
となると技術向上は選手任せとなるわけですが、選手が技術向上に向かう意識付けも指導の大事な部分でしょう。ですから私の場合、このカテゴリが一番ミーティングが必要だと考えます。
ただ、高校生と同じだと考えなければいけないチームが大半かもしれません。1部リーグと3部リーグの下位チームや医歯薬系のリーグでは全くステージが違うと考えなければいけないでしょう。

クラブチームおよびサークルチーム

指導計画以前にやらなければならない事が多々あります。
まず全ての選手が練習も含めて参加しているのか、選手は足りているのか、チーム目標は確立しているのかなどです。
もし目標が確立していないチームに強化指導を敢行してしまうと、選手が揃わない、足りないなどで大幅に狂ってしまう恐れがあります。まず楽しめるメニューから組み立てなければならないかもしれません。
選手の参加が安定して目標が設定できてから本格的な指導に移行します。しかしあくまでチームですから、強化が目的に変わりありません。


実業団および社会人トップチーム

今在籍している選手の個々のファンダメンタル能力の向上は基本的に考えません。選手個々に任します。主に戦術・戦略指導となります。
しかし時にはファンダメンタル指導が必要な場合もあります。
ただしチームの戦術、戦略に対応できない選手はプレイタイムが減る事になります。プロチームと同じ考え方だと思います。
ですからこのカテゴリは基本的に選手の能力に頼る事になります。となると選手の能力を分析した上でチーム戦術、戦略を選択しなければなりません。