バスケットボールとは?


ラリーゲームである。
もし両チームが平均12秒でオフェンスを終了したとすれば、40分間のゲームの中で200回のラリーが行われる事になる。
地上の球技の中で最も体力的に過酷だと言われる所以である。
いくら技術的に勝っていても最後までそのパフォーマンスを続けられなければ、勝負に勝てるとは限らない。


トランジションゲームである。
野球のように攻防の切り替えに時間は設けてくれない。タイムが進んだままプレイは続く。
オフェンスからディフェンス、ディフェンスからオフェンスへの切り替えの速さだけで勝負を決められる。
そのためには、状況把握、予測が必要となり、技術や体力だけではその勝負に勝てない。


アメリカで生まれた球技である。
イギリス発祥のゴルフやサッカーと違い、アメリカで誕生したスポーツには特徴がある。
反則を犯せばペナルティが与えられてパーにするという思想である。
バスケットボールの場合、パーソナルファールは5回まで退場はない。
言い換えれば5回まではファールを有効活用できる、
そしてタイムアウトも活用できる。ゲーム中にチーム全員で修正が行えるのである。


限りなくオフェンスが有利な競技である。
サッカーと違い 1−0 で終わる事はない。
同じ能力の選手同士の1on1なら、限りなくオフェンスが有利である。
この事からディフェンスはチームで行うのが常識である。


無酸素運動系のスポーツである。
マラソンや水泳など有酸素系競技と違い、息を止めてパフォーマンスするのがバスケットボールである。
コンマ何秒の中で凌ぎ合い、勝負が繰り返される。その間、先に息を吐いた者が負けるのだ。
格闘技やベースボールと同じである。短距離走を常に続ける競技なのである。


まだ誕生して100年程である。
バスケットボールという競技は1891年12月21日に誕生したと、FIBAで指定されている。
まだ100年を少し超えた程度の歴史である。
他の競技に比べるとかなり日が浅い競技なのだ。
だから未だに毎年のようにルール変更が行われている。
まだまだ確立されていない競技なのである。
ちなみに日本では1912年、神戸YMCAでプレイをしていたと言う説がかなり有力である。


予測の攻防である。
パスを出すにしても受けるにしても、シュートを打つにしても、ドリブルで抜くにしても相手ディフェンスの守りを予測しなければならない。
逆にそのオフェンスに対しても予測をしなければ守れないのがディフェンスである。
なぜならシュート、左右上下のパス、左右のドリブルだけでも全て相手が動いてから反応してももう遅いのである。全てのプレイの予備動作を見抜き、予測が出来なければ反応できないのである。


騙し合いである。
狭いコートの中で相手を出し抜こうと思えば、オフェンスにしろディフェンスにしろ相手に対してフェイクが必要となる。
シュートすると見せかけてドリブルで抜く、ステップで抜くオフェンス。
アウトナンバーを守ろうとしてテイクチャージをすると見せかけてアシストパスを防ぐディフェンス。
一つ一つのプレイは全てフェイクとセットになっている。
フェイクを必要としないのは、予備動作がない場合だけである。


ハビットスポーツである。
コンマ何秒で凌ぎ合う競技なので、選手個々には瞬時の判断が求められる。
しかしゲームのその瞬間に頭で考える余裕はない。
その瞬間に正しいパフォーマンスを身体が勝手に行うように習慣づけておかなくてはならない。
その為には日々の繰り返し練習(ドリル)で、習慣づいたものが優秀な技術者と言えるのである。
そしてそのパフォーマンスは前にダッシュする以外、全て非日常的な身体の動きから構成されている。
後ろ向きに全力ダッシュするなど、バスケットボールだけである。


100と0のクイックネスの攻防である。
縦28m横15mの狭いコートの中で攻防を行う競技であるがゆえに走りあいで競争するわけではない。
ランニングでなくダッシュを繰り返すのは当たり前であるが、それだけでは相手を振り切れないし振り切られる。
相手を振り切るためには切り替えの瞬間である。
100のスピードでダッシュして減速せずに0に止まれば振り切れる。
逆に0の状態からいきなり一歩目で100のスピードでスタートできれば振り切れる。
バスケットボールという競技で必要なのは、ストップする事と一歩目のスタートである。
一歩目でイニシアチブを取れていなければまたストップする。
ストップしてまた一歩目で振り切るのである。


複雑なルールである。
バスケットボールほどジャッジポイントが多い競技はない。
競技を長年経験してもレフリーが出来ないプレイヤーは多い。
ルールが事細かく、複雑である上に未だに毎年変更や追加がある。
レフリーはゲームをスムーズに進行させてくれる協力者である。


基本的にボールの対しての競技である。
バスケットボールのルールは基本的にボールに対しての攻防をベースに作られている。
ボールの奪い合いである。


人と時間との勝負である。
相手は人だけではない。時間とも勝負している。
バスケットボールは競技時間が定められている。勝ち負けはその時間内で競われる。
いくら得点を奪っても取られたら勝てない。
逆に得点を取らなくても時間を費やしさえすれば勝てる事もある。
そして時間で縛られているルールも多数ある。
24秒、8秒、5秒・・・・NBAではバックトウバスケットと言ってボールマンは5秒以上背中を向けて攻め続けてはいけないルールまである。


トランジションゲームである。
野球のように攻防の切り替えに時間は設けてくれない。タイムが進んだままプレイは続く。
オフェンスからディフェンス、ディフェンスからオフェンスへの切り替えの速さだけで勝負を決められる。
そのためには状況把握、予測、判断が必要となり、技術や体力だけではその勝負に勝てないのである。


攻防の切り替えは3パターンしかない。
@ターンオーバー
Aディフェンスリバウンド
Bシュート成功
これ以外のパターンはない。
ファーストブレイクを成功するのも守るのも、この瞬間のトランジションである。