a problem
〜それは由々しき問題だ
『おまえさ、休み、あと何日残ってるか知ってる?』
そんな電話がかかってきたのは、夏休みもあと僅かとなった日の夜半。神奈川県立湘北高校バスケ部は、
月末の二日間、校内及び体育館整備のために練習が休みとあって、きょうの練習は前半四時間、後半四時間のダブル
ヘッダーという過酷な一日だった。
ヘロヘロになって帰りつき、風呂に入って寝ぼけ眼のまま晩ご飯をかっ込んで、その後、完全爆睡状態の流川楓が、
携帯の小さな電子音なんぞで目覚めたのは、疲労度合いが大きすぎて、かえって神経が過敏になっていたからだ。
通常であれば、電子音どころか、段々トーンの目覚ましのひとつやふたつ、非力すぎてお話にならないはず。
頭上でナパーム炸裂は大げさとしても、即効性があるのはマネージャーである彩子の、スナップの利いたハリセン攻撃か、
意外と情け容赦のない母親の、ベッドからの引きずり落としくらいなものだろう。
起きたからと言ってすっきりサワヤカな目覚めであるはずがなく、ディスプレイの表示を睨みつけること数秒。無言のまま
通話ボタンを押し飛び込んできた第一声がそれでは、相手に対して殺意を覚えたとしても不思議はない。
『あれ。もしかして寝てた?』
無視して覚醒し切らない頭で部屋を見渡せば、時計の針は午後九時を回ったところ。非常識な、と怒る時間帯でもない。ただ、
この男の学校も相当な練習量を誇るはずなのに、疲れを知らないその軽快な口調に苛立っただけだ。
『流川、聞いてる?』
「あんだよ」
『ああ、やっと起きたか』
ホッとしたような間合いを取ったあと、この男――宿敵陵南高校の主将兼エース仙道彰は、実にサワヤカな声音で一方的に
語りだした。
『日頃のおまえを見てるとさ、出された課題を七月中にやり終えたりなんか絶対にねーだろ。居残り練習はだれに言われ
なくたってかかさないどころか、オーバーワーク気味なくせにさ。んで、ぼやぼやしてるうちに八月だ。月初は遠征の
連戦だって言ってたじゃん。お盆だってトーゼン休みナシだわな。気がついたら新学期までカウントダウン。真っ白な
ワークシートを前にして、真っ青になってるおまえがいる。だから電話したってわけ』
オレってば、ほんとに慧眼、だろ、と、ひとを小バカにしたような、見下すような。それでいて、年上の余裕と包み込む
慈愛と気遣いをあふれさせるという、複雑怪奇で屈折した愛情の押し売りに出た男は、助けてやるよ。今度いつ休みだと聞いてきた。
この男の声を聞くのは久し振りだ。いつ以来だっけと思い至って、眠気が醒めた。頭が回らないなりに矜持に支えられて、
流川は三音で即断する。
「いらね」
『またまた、そんなこと言う』
「なにが、またまただ」
『さては、おまえ。フケる気だな』
「しねーよ。宿題忘れると、センコーども、煩せーんだ。ジカクだとか。シメシだとか。去年は、んなこと言わなかった
くせに」
あまりにらしい流川の科白に、仙道はカラカラと笑った。
『そりゃな。去年のおまえは湘北のエースの看板だけ背負ってりゃよかったけど、そうそう甘えてられる立場じゃなくなった
ってことだよ。自覚なんかねーだろうけど、確実におまえに憧れて湘北に来たって後輩もいるわけだろ。その憧れの
流川先輩が、万年赤点大王じゃ、カッコつかないもんな。先生たちの温情だぜ、それ』
「勝手に幻滅でもなんでもすりゃいいじゃん」
オレは全然困らねー、と憮然としたもの言いは、唇を尖らせたような音がした。
それは困らないだろうと思う。流川にすれば
バスケ以外の部分で無意味な期待を膨らませるなといったところだ。それに幻滅されるくらいの方が、身辺、静かになって
有象無象の煩わしさから解放されだろうと考えている、と見た。
だが、そんな目論見は、ちゃんちゃら、甘いと言わざるを得ない。一度、彩度の強い光に目を射られたものは、その
光源の回りに遮蔽物があったとしても眩しいと感じ続ける。それは多分誤解と希求の産物なんだろうけど、ひとに夢を
与える具現者は、そうそう、諦めてもらえないのだ。
だからといって、大目に見てくれるほど、特に公立高校は甘くなく。
『お勉強が少し苦手な流川先輩は可愛いーで済むけど、毎回毎回、追試と呼び出しとさらに進級に関わるんじゃ、オチオチ
居残りもしてらんねーだろ。結局、いまを惜しんでも、後々の時間の無駄なんだよ。なんで気づかないかな』
過去を鑑みて仙道的にはそう思うわけで、けれど今回の流川はやけに居丈高だった。
「おーきなお世話って言葉、知ってっか?」
『言い切っていいのかな? 危ねーんだろ?』
「バカにすんな。ちゃんと出来てる」
『ウソっ』
「なんでウソつかなきゃ、なんねー」
『あと一週間もあるんだぜ、夏休みっ』
「だからなんだっつうんだ」
おまえがっ。おまえがそんなにやれる子だったのかっ、と失礼極まりない科白を吐いたあと、仙道は独占欲まる
出しの声を出した。
『オレ以外の、だれに助けてもらったんだっ』
そう仙道が叫んだもの無理からぬこと。大きな声では言えないけれど、流川と、まぁ、こんな関係になって一年弱。
初めての夏休みと言っても長期休暇は三度目だ。公立高校の湘北では、春休みに宿題はなく、仙道が流川の横着ぶりに
直面したのは、付き合ってすぐの冬休みだった。
哀しいことにあの冬はふたりとも仲良くウインター杯県予選で敗退し、クリスマスのイルミネーションがやけに白々しく
感じたのを覚えている。楽しいこと大好きイベント命、なによりも付き合って初めて迎えるクリスマスを心待ちにして
いた仙道ですら、取り逃がした切符の大きさを実感して、はしゃぐ気になれなかったのだから、バスケの神さまに総てを
捧げてしまっている流川の落胆は察して余りあった。
だから仙道も自重した。大げさに騒がなかった。いつものように部活を終えて、いつものようにふたりで自主練をした。
仙道のマンションに帰って小さなケーキにロウソクを灯し、ささやかな喜びに浸った。そのあとちょっとシツコク迫って
流川を撃沈させたことなんか、仙道にすればお愛嬌だし反動だ。
互いの瑕を舐めあうつもりはなかったけれど、かなり頻繁に会った冬休みだったから、仙道がなんの気なしに宿題の
出来を聞いたのも話の接ぎ穂のようなもので、それが正月開けて六日目くらいだったか。答えた流川はシレっと言い放った
のだ。
――全然、手ぇつけてねー
まぁそれから慌てたの、慌てないの。けれどアタフタしたのはまったく無関係な仙道だけで、教えを請う流川に至っては
倣岸不遜でいつもどおりの流川だった。始業式まで、なんて無理な目標は視野にも入れず、教科の授業開始日に標準を
合せた。綱渡りもいいところだ。長期休み明けには課題テストがある。だから、
懸命に流川の字を真似ての代筆も出来ない。とにかく書けと。書いて書いて覚えまくれと、眠気でアタマが揺れる流川を
小突き回しての年初だったのだ。
眠気の勝った流川ほど扱いづらいものはない。かつスリリングだ。あの苦労を他のだれが知っている? 分かち合う?
むしろ横取り。それも違うっ。いや。違わないか。
なんにせよ。
当初、不可能だと思われた真っ白のワークシートを埋め尽くしたときの達成感。隣に座っていた本人が書き切るや
意識不明に陥ったものだから、抱き合って喜ぶことも出来なかったけれど、心地よい疲労感と思わず出た
ガッツポーズに、やはり、己の躰に色濃く流れる体育会系の血を強く感じた仙道がいた。
他に楽しみがないのかなんて言っちゃあ
いけない。ささやかだろうが、慎ましやかだろうが、ご本人は真横でシャーペンを握ったまま爆睡していようが、
道端の小さな花に喜びを見出すような心境と境地を会得していなければ、付き合う上で精神衛生上とてもよろしくない
相手だったのだ。
なによりも、こと流川に関すること。そんな些細なやり取りだって、だれとも共有するつもりはない、と仙道は拳を
掲げる。
――オレの流川にっ。
だが、なに鼻息荒くしてんだと、呆れ口調で告げられた人物は、仙道の悋気なんか遠く及ばない非武装地域のような
存在だった。
「だれって、センパイ」
『彩子さん?……』
「そう」
『って彼女、受験生じゃん。なのに、おまえの宿題、見てくれたのかよっ』
「だな」
『どこで』
「センパイんち。近いから』
『あ、そっか。おんなじ中学出身って言ってたっけ。で、宮城も? 宮城も一緒だったのか?』
「チガウ」
『ふたりっきりっ?』
「どあほーと」
『……なんで、桜木っ』
「アイツの方がヤバイ。オレのがマシ。オレはついでみたいなもん」
『仲良く追試組みってのは変わらないだろうが』
「一緒くたにすんな」
『五十歩、五十一歩ってとこじゃねーか。で、彩子さんの命令には、ちゃんと従うんだ、流川ってば』
「練習させねーつうから。前半練習が終わったあとに、昼から来いって。行かなきゃ、次の日の練習、参加させねーって」
『宮城が荒れただろうに』
流川はなんでだ、と、きょとんとしたような声を出した。
「アヤコセンパイの努力を無駄にすんなとか、神妙に聞いてろとか、次の課題テスト、赤点取ったらコロスとか、主将、
スゴんでた。めんどーだし、じゃ行かないっつったら、殴られそうになった。いったい、どっちなんだよ。わけ、分かんね」
そりゃそうだろう、と恋する男心に理解の深い仙道なら分かる。っていうか、だれだって分かる。彩子命の宮城にすれば、
後輩を可愛がる彼女の精神的な足枷にだけはなりたくない。本当なら、前半練習の終わったあとのひとときは、
彼が独占していい時間帯なのだ。
仕方ないから譲るけど、てめーら、つまんねー喧嘩だけは絶対にすんな。で、手間をかけさせるのもこれっきりにしろ、と、
たぶん、宮城はそう続けたと思う。
流川は覚えてないだけで。
湘北高校バスケ部の人間関係恋愛模様も、悲喜こもごもだ。
『そっか。じゃ、今回はオレの出番はナシだな』
ちょっと得意だっただけに意気消沈した。だいたいが、会おう、バスケしようよと素直に言えばいいものを、優越感を味わいたい
ばかりに回りくどいもの言いをした自分がバカみたいだ。流川の口から聞いたことのないアリガトウが欲しかったのか、
それとも羨望の眼差しか、もしくは困った顔が見たかっただけとか。
それも、この夏の結果を気にかけて、いままで連絡できなかった変な負目もある。そんなもの、気にするヤツじゃ
ないのは十分承知だが、一番初めはなんといって声をかけようと、悩んだのも事実だ。
終わった、が一番近いかな。結果や試合内容を聞きたがるタマでもないだろう。
去年、逆の立場を経験したからよく分かるけど、ただ、大会が終了するまでは、甘ったれた感情を置き去りにしようと
思った。
だからいまさらの取ってつけたような言い草だ。
まったくもって、男心もやたらと複雑で。
よくよく考えれば、丸々残した夏の宿題を全部仙道が助けてやったとしても、そんな展望、望めるはずもなく。
終ぞ見せてもらえなかった冬を思い出せ、オレ、と言いたかった。
『じゃ、あとはラクだな。思いっきり居残りも自主練もできるじゃん』
やっぱいつものパターンで釣るしかないのかよ、とお決まりの科白を吐きかけたとき、呟くような流川の声が漏れた。
「全部、出来てねーけど」
『え、そうなの?』
「半分しか」
『ふうん』
それも当然かと思った。量の少なかった冬でさえも丸二日かかったんだ。教師も気合を入れまくる夏の課題が、いくら
彩子が敏腕マネージャーだからといって、半日やそこらで完成するわけがない。バスケ以外でそんな驚異的な集中力を
発揮する流川なんてのも知らない。
『彩子さん。さすがにデキる。オレの出番を残しておいてくれたんだね』
効果音をつけるなら、さしずめ『キラリン』か。目では見えなくても、仙道の口の端が釣り上がったと分かる。段々と
発想に図々しさが増し、天動説くらいは唱えそうだ。脳内腐乱なにするものぞと仙道が開き直れば、天然粉砕マシーン流川は、
その思惑に気づく間もなく芽を潰してゆく。
「チガウ。も一回、センパイが教えてくれることになってる」
『軽くおねだりしながら、そいうこと言うか』
「あんたになんか頼んでねーぞ」
『あの話の展開から、全部できてないって返すのは、おねだりとおんなじなのっ』
ぐっと詰まったような沈黙が落ちた。納得したわけではなく、ただ返す言葉を持っていないだけの流川だから、
ここで言い負かせて、機嫌を損ねるのは仙道の本意じゃない。どの口が言うと、彼を知るものならだれもがそう突っ込む
だろうけど、たまに振り子が振れ過ぎて、流川をぺしゃんこにしてしまうのは、いつも抑えに抑えた反動ということに
しておこう。
『じゃあさ、こういうのどう?』
仙道は説得と譲歩に出た。別名、ただの言いくるめ、だが。
『彩子さんちに行く前にさ、ウチ、来いよ。総て終わらせちゃおうぜ。おまえだってちょっとは出来るとこを
見せてもいいと思うけどね』
「仙道。センパイは侮れねーぞ」
なにをとは聞かない。ひと言で的を射た、尤もな言い分に、しばし沈黙した。
『ん。一理あるな』
彼女と流川との付き合いの長さは仙道の比じゃない。親密度合いも相当なら、真っ当な愛情に満ち溢れている。流川楓の
モノグサ度もきっちりと理解しているから、自分で片付けましたなんて、信じるものか。だれに手伝ってもらったのと、
すかさず詰め寄られるのがオチだ。
この場合、湘北関係の名前は使えないから、
ちょっと厄介なことになる。彩子に睨まれた流川に、気の利いた科白で上手く回避しろだなんて、そんな無茶、
仙道だって望まない。
簡単に答えてくれるだろう。
仙道、と。
それはそれで嬉しいし、そのあとのさらなる追求に、当の流川がどう答えるか気にもなる。案外、ツルリと簡単にカミング
アウトしてくれそうで怖い。ただ流川の態度が曖昧なら彼女は知ろうとするだろうし、そこから始まる猜疑とジレンマの
渦に彼女を巻き込むのはゴメン被りたい。
いつまで隠しとおせるものではないと思うけど、だからと言って積極的に公表するつもりもない。奇異な目に
晒されるから秘するというより、いまの、社会的地位も知恵もスキルもなにもない自分では、流川を守れない。その
身を守れないのではなく、煩わしさの中に放り込まれてしまっては、流川楓のバスケが守れないのだ。
そんな心模様、これっぽっちも理解していない男は、さらに暴言を重ねた。
「それに、センパイとの方が、はかどる」
たっぷりと三十秒は固まった。
これが本当に、何度も何度も世話をかけた相手に言う科白か。喩え本音であっても、モノには順序がある。
ありがとう。助かった、が、まず先にありきだろう。礼をぶっ飛ばされて、それでも耐える男はオレくらいなものだ。
親しき仲にも礼儀あり、と憤るものの、続いて出た声は、仙道のものとは思えないほど、秋口の蚊のような物悲しさを
含んでいた。
『オレ、教え方、マズイか?』
「はかどんねー」
『おまえがどこまで理解してるか、分かって教えてるつもりなんだけどな……』
「はかどんねーっつってる」
『未だに割合が弱えーもんな。数学は間違いなく小五くらいでけつまずいただろ。英語は中二だ。B動詞と
一般動詞、一緒に並べたり、過去完了もごっちゃだし。時間軸が読めてねー。ヒアリングが出来ても、文章書けなきゃ、
点数はもらえない。けど、もうちょっと反復練習させりゃ、トンネル抜けるかな、くらいの展望が見えてきたのに』
流川専属カテキョとしては、次にけつまづいたときのプログラムまで思い描いていたのだ。そう落胆の色を濃くすると、
返された言葉は違う意味合いを含んでいた。
「あんたのは、変にイゴコチがわりーんだよ」
『居心地?』
へぇ、と思ってちょっと復活する。『居心地』なんて、流川にすればもの凄く穏やかなもの言いだ。その、ほんの少しの
違いを感じ取れる自分が嬉しくなった。けれど、急に元気付くと、たちまちへそを曲げて蹴り返されるから要注意だ。
そろそろとほふく前進して、手繰り寄せる気分。
『悪いのは教え方じゃないんだ』
「だと思うけど」
『ふうん。じゃ、オレんちが、落ち着かないってことか?』
「別に」
『おまえんちに比べたら狭いのは仕方ねーよ。けど、全然気遣いなしで寝転がってるじゃん』
「狭いって思ったことねえよ」
『だよな。いっつもピースカ、穏やかそうに寝てる』
「……」
『それともメシ? おまえ、味に煩くねーから、ろくなもん、食わせてないもんな。いろんな意味でさ。それが不満
なら、今度からお勉強会は流川んちにお邪魔しようよ。お母さん、すげぇ歓待してくれるし、メシ、本気でうめぇし。
おまえがちゃんと招待してくれないから、オレが嫌がって不義理、重ねてるみたいじゃん』
「センドー」
『オレはおまえんち、居心地、いいよ』
「てめーわざと言ってるだろ」
流川も段々と気づいてきたようだ。返る声が地を這った。話の展開が読めるようになったあたり、伊達に付き合いは
短くない。
『あと、ウチに来るのが邪魔くさいってんじゃなけりゃ、居心地が悪いってなに? オレがそばにいるとドキドキするって
ことかなぁ?』
「調子、こいてんじゃねーぞっ」
『だめだね。おまえが言い出したことなんだから。オレを調子づかせたのもおまえ。責任とるのもおまえ。次、休み、
いつさ』
「てめーんちへ行ったら、はかどんねーっつった」
『よく分かってるね、流川。当然、はかどんないよね。おまえの宿題、見る気もないし。けど、アヤコさんちに行くんなら、
残しててもいいってことじゃん。そうだろ?』
「こんのっ。ド腐れ仙道っ!」
吐き捨てても、クスクス笑いが忍び寄る。ヤケクソで携帯を投げつけようにも、『会おうよ、流川』に包まれた。
お調子もので、ときに倣岸で、つかみ所のない男と付き合って、一年弱。上手く距離の取れなかった流川にも、ひとつだけ
分かったことがある。
ふたりの間にバスケがあって、そこに勝負の結果があって、順位がつけられて、しばらくは互いの顔を見たくもないと
思っていても、ほんのわずかなひとときで、手が伸びてしまう。お調子者をさらに調子づかせてしまう。
『会おうよ、流川』
仙道は何度でも言うだろう。流川が答えを返すまで。
返すと分かっているから。
だから安心して、流川は毒づける。
「るせー。どあほー」
end
夏休みもとっくに終わったというのに、こんなマの抜けたお話でスミマセン。はい。書き出しは八月アタマ
だったんですねぇ。それにも増して、連載はどうなったという疑問も尤もでございます。 いや〜、とてつも
なく煮詰まってしまって(アハハ)
|
|