クリーニング賠償基準とは、消費者の利益を守るために クリーニング業界が独断的に定めたものではなく、消費者団体代表、保険会社、学識経験者、
行政、クリーニング業界代表、学識経験者、法律専門家等の合議によって 昭和43年に定められたものであります。



クリーニング賠償基準

(事故原因所在)
・クリーニングの事故原因の所在を以下の三つに大別します。
(イ)クリーニング方法及び取扱い方法に過失がある場合
(ロ)製造者(メーカー)の企画・製造等に過失がある場合
(ハ)使用者の使用方法及び保管方法等に過失がある場合

(賠償範囲)
・弊社が事故賠償の責に応じられるのは次に示す上記(イ)の内容です。
A.
クリーニング洗浄による損傷
B.
シミ抜き工程による損傷
C.
プレス仕上げによる損傷
D.
お品物の所在不明及び紛失
E.
その他の原因による損傷につきましては、繊維製品における専門機関の鑑定もしくは繊維製品品質管理士の鑑定による判断に基づくものとします。

(賠償対象外)
・次に示す上記(ロ)(ハ)の原因所在に関しましては賠償の責に応じかねます。
(ロ)製造者(メーカー)の企画・製造等に過失がある場合
A.
経年劣化及び変化の著しい素材で企画・製造された商品(ポリウレタン加工等)
B.
染色堅牢度の弱い素材で企画・製造された商品
C.
接着方法に問題のある素材、接着剤で組み合わされ企画・製造された商品
D.
熱セット性が弱い生地で企画・製造された商品(プリーツ加工やシワ加工等)
E.
クリーニング方法がまったく異なる素材で組み合わされ企画・製造された商品
F.
組成表示や洗濯表示に誤記が見受けられる商品
G.
表示責任者の名称と連絡先の表示がない商品
H.
通常の使用に耐えない素材で企画・製造された商品
I.
通常のクリーニングに耐えない素材で企画・製造された商品(洗濯表示が全て不可表記商品・スパンコール・刺繍・ビーズ・プリント剥離・装飾品の破損・ボタン等の欠落及び破損を含む)
J.
縫製撚糸の弱い商品によるほつれやほころび
K.
その他企画・製造等に起因する事項

(ハ)使用者の使用方法及び保管方法等に過失がある場合
A.
化学薬品等による変退色や脱色が見受けられる商品(整髪剤・パーマ液・洗剤・漂白剤・バッテリー液・排気ガス等の付着によるもの)
B.
汗や日光・照明による変退色や脱色
C.
着用時に発生した破れ・ほつれ・糸引き等
D.
ボタンの欠落及び破損

E.使用者保管中の損傷
F.
経年劣化及び変化によるもの
G.
組成表示・洗濯表示・表示責任者タグ(メーカータグ)のいずれかが欠落した商品
H.
その他これらに類する使用者による事故

1.賠償額は、特約のあった場合を除き、次の方式によって算定します。

賠償額 = 物品の再取得価格 (事故発生時における同一品質の新品の市価)

× 物品の購入時からの経過月数に対応して別表(2)に定める補償割合

[別表(1)(2)を参照]

2.洗濯物が紛失した場合など上記の算定方式が妥当でない場合は、次の算定方式を使用します。

(1)ドライクリーニングの場合 クリーニング料金の40
(2)ランドリーの場合 クリーニング料金の20

3.クリーニング業者が賠償額の支払いと同時に事故品を引き渡すときは、賠償額を一部カットできます。

4.クリーニング業者が洗濯物を預かった日から90日を過ぎてもお客様が受け取らず、かつ、これについてお客様の側に責任があるときは、受け取りの遅延によって生じた損害については賠償責任を負いません。

5.お客様が洗濯物を受け取った後6ヵ月、またはクリーニング業者が洗濯物を受け取ってから1年(ただしクリーニングに通常必要な期間以上かかったときはその超過日数を加算する)を経過したときは、本基準による賠償額の支払いには応じかねます。

6.この基準の適用について争いが生じたときは、申し出に基づいてクリーニング事故賠償審査委員会が判断を示します。

別表(1)商品別(洋装品)平均使用年数表



※ 備考
平均使用年数は別表1の基準による補償割合の中における、A級、B級、C級の区分は、物品の使用状況によるものであり、次のように適用する。

A級:購入時からの経過期間に比して、すぐれた状態にあるもの。

B級:購入時からの経過期間に相応して、常識的に使用されていると認められるもの。

C級:購入時からの経過期間に比して、B級より見劣りするもの。

(例)
1.
ワイシャツの場合、襟・そでなどの摩耗状態で評価する。
2.
補修の跡のあるもの、恒久的変色のあるものなどは通常C級にする。

(2009710日制定)
(2012
213日改訂)