◆  Dog Show ◆
ここでは主にJKCドックショーのあらましをお伝えしています。

■ドッグショーとは
犬種の理想(スタンダード)をもとに比較審査する品評会のことです。

■審査ドッグショーの歴史
ドッグショーは一般に1859年にイギリスのニューカッスルで開かれたのが始まりといわれています。以後、鉄道などの輸送網の発達によって地域的スケールから全国スケールへと拡大されますが、ルールが不徹底なためトラブルが続出しました。そこで、ショーの管理、法的規制を含めたルール作りを目的とした機関:ケネルクラブが、1873年に創立され、以後ケネルクラブの管理下、全国規模のドッグショーが開催されるに至りました。

ドッグショーは基本的には犬種の理想とされるスタンダードをもとに比較審査する「品評会」で、イギリスのクラフト展、アメリカのウェストミンスター展は今日の犬種の発展に大きな影響を与えていることは、世界中の愛犬家が認めているところです。

犬種のスタンダードは、長い年月をかけて”ブリーダー(繁殖家)”の手によって犬種それぞれの特徴・体形・性格・被毛・毛色など、その犬種の理想像(スタンダード)が作り出されました。
ブリーダーはこのスタンダードを基本に考え、より理想の犬に自分の犬を近づけるために惜しみなく時間と労力をかけ、情熱を燃やしながら繁殖を繰り返し、ドッグショーをその成果を評価してもらう場として、犬質の向上を目指してきたのです。

■審査ドッグショーの種類
FCI展(本部展) ・社団法人ジャパンケネルクラブが年1回開催するFCIアジアインターナショナル  ドッグショー。
・アジア最大のドッグショー。
・出陳頭数は、約2,500頭。

※FCI=国際蓄犬連盟
FCI展 ・全国14ブロックが各々年1回開催する展覧会。
・出陳頭数は、約700〜1,500頭。
・(例:FCIインターナショナルドッグショー(東京ブロック協議会))
【ブロック】
北海道ブロック協議会
東北ブロック協議会(青森,岩手,宮城,秋田,山形,福島)
北関東ブロック協議会(茨城,栃木,群馬)
埼玉ブロック協議会
東京ブロック協議会
千葉ブロック協議会
神奈川ブロック協議会
北陸甲信越ブロック協議会( 新潟,富山,石川,長野,山梨)
中部ブロック協議会( 静岡,愛知,岐阜,三重)
近畿ブロック協議会( 福井,滋賀,京都,奈良,和歌山,兵庫)
大阪ブロック協議会
中国ブロック協議会
四国ブロック協議会
九州ブロック協議会
クラブ連合会展 ・全国67の連合会が主催する展覧会。
・出陳頭数は、約300〜500頭。
・各連合会は3年に1度、展覧会を主催する義務があります。
全犬種クラブ展 ・全犬種クラブが主催する展覧会。
・出陳頭数は、約200〜500頭。
・各クラブは5年に1度、展覧会を主催する義務があり、全国で年600くらい 開催されています。
グループクラブ展 単一のグループによるクラブ展。
(例:第4グループクラブ展)
単犬種クラブ 単犬種クラブが主催する展覧会。
(例:パピヨンクラブ展)
犬種部会展 犬種部会によるクラブ展。(例:プードル部会展)
【犬種部会のある犬種】
ダックス
ポメラニアン
シェットランドシープドッグ
コーギー
プードル
ボクサー
マルチーズ
アメリカン・コッカースパニエル
シベリアンハスキー
秋田犬


■審査
審査はトーナメント方式で行われます。
(ベスト・イン・ショー以外は、オス・メス別に審査されます。)


※チャンピオンシップショーの例
ブリード戦
同じ犬種の各クラス(ジュニア・ヤングアダルト・アダルト)ごとに、オス・メス1頭ずつの1位を選出します。
単犬種クラブ展、および単独システム場合は、各クラスごとに自家繁殖クラスが設置されます。(自家繁殖ジュニア・自家繁殖ヤングアダルト・自家繁殖アダルト)
上記1で選出された各クラスの1位から、オス・メス1頭ずつの1位(ウィナーズ/Winners)を選出します。オスはウィナーズドッグ/Winners Dog、メスはウィナーズビッチ/Winners Bitchと呼びます。
(単犬種クラブ展の場合は、オスをベストドッグ/BD=Best Dog、メスをベストビッチ/BB=Best Bitchと呼びます。)
Winnersの選出後、Winnersに選出されたクラスの2席犬が加わり、引き続き2位(リザーブウィナーズ/Reserve Winners)を選出します。オスはリザーブウィナーズドッグ/Reserve Winners Dog、メスはリザーブウィナーズビッチ/Reserve Winners Bitchと呼びます。
同じ犬種のチャンピオンクラスと、上記2で選出されたWinnersの中から、オス・メス1頭ずつの1位(ベストオブブリード/BOB=Best Of Breed)を選出します。
Winnersがチャンピオンクラスを抜いて1位になった場合を「オーバースペシャル」と呼びます。
クラブ展以外の場合は、BOBの選出後、引き続き2位(アワードオブメリット/AOM=Award Of Merit)を選出します。
グループ戦
上記3で選出されたBOBをグループごとに集め、オス・メス1頭ずつの1位(ベストイングループBIG=Best In Group)を選出します。
ベスト・イン・ショー戦
全犬種のBIGのから、1位のオス(キング/King)と1位のメス(クイーン/Queen)を選出します。
(2位のオスはリザーブキング/Reserve King、2位のメスはリザーブクイーン/Reserve Queenと呼びます。)
KingとQueenから、当ドッグショーの1位(ベストインショー/BIS=Best In Show)を選出します。
(単犬種クラブ展の場合は、1位をベストインスペシャリティーショー/BISS=Best In Specialty Showと呼びます。)
一般的に、ベストインショーとはチャンピオンシップショーのことを言い、ベビークラス・パピークラスとは区別されます。


審査のポイントは、以下の7つです。
@タイプ(犬種に特有な特色)
その犬種に特有な特色がよく表れているかどうかを見ます。その犬種に求められるアウトライン・型・性質など、基本的な特質を持っているかがチェックされます

Aクオリティー(犬種の特色の洗練さ)
イプで表現された犬種に特有な特色がより充実し洗練されているかどうかがポイント。いわば本の特色が一層魅力的に見えるかどうかが審査されます

Bコンディション(健康状態・精神状態)
スポーツ選手がレース当日のコンディションに気を配るように犬もドッグショー当日の健康状態や精神状態の調整が必要なのです。

Cサウンドネス(健全さ
精神的にも肉体的にも健全であるかどうかを確認します。怯えたり、骨格や筋肉の状態や噛み合せが悪くてはいけません。

Dバランス(全体の調和)

一部分が秀れていても全体の調和が取れていなければなりません。魅力的な各部分のポイントが全体の感じを損なわず、かえってその犬全体を魅力的にしていることが大切です。

Eキャラクター(ひときわ輝く魅力)
ドッグショー会場の中を他の犬と共に歩く時でも 何か光輝いた部分がある、一際目立つショーマナーが良いというような魅力もドッグショーでは大切なことです。

F個体審査・歩様審査
視審・触審によって、頭部・歯・骨格・体型・毛並み・バランス・歩様・犬種の特徴が出ているか等を審査します。


■単独システム
出陳予定頭数400頭以上の全犬種クラブ展において、開催申請時に申告のあった犬種が、申込締切日に40頭以上となった場合、単独システムが準用されます。


■出陳クラス区分
ベビー・マッチショー 生後 4ヶ月1日〜生後 6ヶ月
パピー・マッチショー 生後 6ヶ月1日〜生後 9ヶ月
チャンピオンシップショー ジュニア 生後 9ヶ月1日〜生後15ヶ月
ヤングアダルト 生後15ヶ月1日〜生後24ヶ月
アダルト 生後24ヶ月1日〜
チャンピオン チャンピオンタイトル獲得犬

単犬種クラブ展、および単独システムの場合は、各クラスごとに自家繁殖クラスが設置されます。
(例:自家繁殖ジュニア、自家繁殖ヤングアダルト、自家繁殖アダルト)


■犬種グループ(展覧会犬種 FCI 10グループ)
犬種は、機能・形態などにより、10のグループに分かれています。
ラブラドールは 第8グループ に属します。


第1グループ シープドッグ & キャトルドッグ(スイスキャトルドッグを除く)
第2グループ ピンシャー、シュナウザー、モロシアン・タイプ & スイスキャトルドッグ
第3グループ テリア
第4グループ ダックスフンド
第5グループ スピッツ & プリミティブ・タイプ
第6グループ セント・ハウンド
第7グループ ポインティング・ドッグ
第8グループ レトリバー、フラッシング・ドッグ & ウォータードッグ
第9グループ コンパニオン & トイ
【第9グループの犬種】
ビション・フリーゼ
ボロニーズ
ボストン・テリア
ブリュッセル・グリフォン
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
スムース・コート・チワワ
ロング・コート・チワワ

チャイニーズ・スレステッド・ドッグ
コトン・ド・テュレアール
フレンチ・ブルドッグ
キング・チャールズ・スパニエル
ラサ・アプソ
ローシェン
マルチーズ
パピヨン
パピヨン(ファレーヌ:FCI展のバラエティー採用)
ペキニーズ
プチ・ブラバンソン
スタンダード・プードル
ミニチュア・プードル
トイ・プードル
パグ
シー・ズー
チベタン・スパニエル
チベタン・テリア
第10グループ サイトハウンド

■出陳条件
  ジャパンケネルクラブ会員所有の登録犬であること。
  • 開催日の20日・以前1年以内に、狂犬病の予防注射を済ませていること。
  • 咬癖のある犬・発情している犬・去勢/避妊手術を受けた犬は出陳できません。
  • (審査中に判定された場合、退場となります。)
  • ハンドラーは、ジャパンケネルクラブ会員、並びにその家族に限られます。
  • (単犬種クラブ展は、その限りでない。)
  • ハンドラーが非会員の場合、出陳犬は会員の所有犬に限られます。
  • (単犬種クラブ展は、その限りでない。)

■CCとM.CC
 CCやM.CCとは、社団法人ジャパンケネルクラブが発行する、チャンピオン犬になるための
 カードです。
 CCはクラブ展、M.CCはクラブ展以外(下記参照)で発行されます。
  ※CC  : 黄色のカード(Challenge Certificate)
  ※M.CC: 赤色のカード(Major Chanpion Challenge Certificate)

 【JKCチャンピオン資格を得るためには】
  JKC公認クラブ展覧会でCCを 3枚以上と、連合展以上の展覧会で獲得可能な、M.CC1枚以上
  (計4枚以上)でチャンピオンのタイトルを獲得することができます。4枚のCCは、2名以上の異な
   る審査員が発行したものであり、CCの初回取得から終了取得までの期間が、4年以内であるこ
   とが条件として出されています。
   チャンピオンの資格条件を満たした場合は、JKC本部から通知されます。通知の到着日から
   3ヶ月以内にチャンピオン登録を申請しなければなりません。
 ☆チャンピオン取得に際しては次の登録が必要になります。
  @当該犬のDNA登録
  A当該犬の訓練試験CDI以上(CDI〜X,GDI〜V,IPO I〜V,BH)・・・訓練所で試験取得可能。
    展覧会会場で試験が行われる場合もある。
  B当該犬所有の国際犬舎名

 【CC(チャンピオンカード)を獲得するには】
  @JKC公認クラブ展覧会において同犬種3頭未満でブリード審査が行われる場合。
    ・ブリード審査でbPでもCCの交付はされません。
    ・グループ選出資格犬BOB(ベストオブブリード)の中で行われるグループ審査において、
     EXG(エクセレントグループ)に選出されるとCCが交付されます。
  AJKC公認クラブ展覧会において同犬種3頭以上でブリード審査が行われる場合。
    ・グループ審査でbPになればCCが交付されます。
  BJKC公認クラブ展覧会において同犬種4頭以上、うちCH(チャンピオン犬)が含まれるグループ
    審査においてチャンピオンを除く3頭以上の審査でbP(WINNERS DOG)に選出された場合、
    CHに勝てなくとも、CCが交付される。

 【M.CC(メジャーカード)を獲得するには】
  @連合展以上の展覧会においてブリード審査で同上の成績を収めた場合、M.CCが交付
    される。
  A連合展以上の展覧会においてブリード審査で3頭未満のためM.CCの権利を取得できない
    場合は、各犬種の属するグループ(1G〜10Gまである)の中で第2席までの成績を上げること
    ができればM.CCが交付される。
  B通常のクラブ展でも出陳頭数が、400頭を超える展覧会では、通常のクラブ展と同条件の成績
    でM.CCが交付される。

 M.CCが交付されるクラブ展は、以下の通りです。
出陳予定頭数が400頭以上の全犬種クラブ展。
(ただし、実頭数が予定頭数の80%未満となった場合はCCとなる。)
出陳予定頭数が100頭以上の、犬種部会に属さない犬種の単犬種クラブ展。
(ただし、実頭数が予定頭数の80%未満となった場合はCCとなる。)
犬種部会に属さない犬種の犬種群クラブ展、および単犬種クラブ展が、7つ以上合同で同日・同会場で開催し、合計予定頭数が400頭以上の場合。
(ただし、合計実頭数が予定頭数の80%未満となった場合、または合計実頭数が400頭以上であっても、1つでも実頭数の80%未満となったクラブ展があった場合はCCとなる。)

■CACIB(キャシブ:Certificated' Aptitude et de Conformate au Standard)
CACIBとは、社団法人ジャパンケネルクラブがFCI展で発行する、インターナショナルチャンピオン犬になるためのカードです。
CACIBが4枚以上で、インターナショナルチャンピオンのタイトルを獲得することができます。
インターナショナルチャンピオン犬は、クラブ展には出陳できません。

■シュープリームドッグ
以下の賞暦が5回に達した犬をシュープリームドッグといいます。
・全犬種展、および犬種群展のKing、Queen。
・単犬種展のBISS、BOS。