動物由来感染症 エキノコックス症(多包虫症)

【感染動物】

幼虫:野ネズミ、ブタ、ヒト 
成虫:キツネ、イヌ

【動物の症状】

無症状、下痢

【人の症状】

無症状、肝腫大 [しゅだい]、腹痛、黄疸 [おうだん]

【感染経路】

経口 [けいこう]

【病原体】

エキノコックスの成虫は、長さ数ミリの小さな条虫(サナダムシの一種)で、主に北半球に分布しています。日本では北海道のキツネ、イヌなどで感染が確認されており、感染したキツネ、イヌの糞便に虫卵が排出され、野ネズミがその虫卵を取りこんで感染します。
この野ネズミをキツネ、イヌが捕食すると、感染のサイクルができます。
ヒト、サル、ブタなども感染し、ヒトでは感染後平均20年もかけて肝臓内で増殖し、肝不全を起こします。

【予防】

感染したイヌに駆虫薬 [くちゅうやく] を使用すること。また、流行地ではイヌが野ネズミを食べないよう放し飼いには十分注意しましょう。
エキノコックスの虫卵が付着している可能性のある山菜、野生果実や沢の生水は必ず加熱してから口にして下さい。
流行地では生ごみを放置しないなど、キツネの生育圏を拡げないための環境衛生管理が重要です。

【治療】

外科的切除