動物由来感染症 狂犬病

【感染動物】

すべての哺乳類

【動物の症状】

沈うつ、興奮、麻痺、死亡

【人の症状】

動物と同じ

【感染経路】

咬傷 [こうしょう] など

【病原体】

狂犬病ウイルスは比較的弱いウイルスで、消毒薬や石鹸で死滅します。
感染して、発症するまでの日数は、傷口から脊髄までの距離により違います。ウイルスは唾液に多く含まれ、傷口から侵入すると近くの神経にたどりつき、その神経を伝い脳に向かって移動します。
その進行スピードは1日に8〜22mmで、脳に達した時に神経症状が出て、治療不可能となります。ですから、顔を咬まれるよりは、足を咬まれるほうが、免疫血清やワクチン接種などによる治療を行う余裕があるのです。

【予防】

狂犬病予防法により91日齢以上のイヌは狂犬病ワクチンを打つこと(登録も義務づけられています)。ヒトは、狂犬病流行地へ旅行する時は狂犬病ワクチンを接種してから旅行すること。

【治療】

国内でイヌや動物に咬まれたら、まず流水で石鹸をつけて充分に洗い、消毒します。医療機関で指示を受けてください。
また、咬まれたこと、咬んだ犬の特徴をなるべく明確に保健所に届け出てください(捕獲し検査します)。
また、神経症状の出た輸入動物に咬まれたら、保健所にすぐ相談してください。海外の狂犬病常在地で咬まれた場合は、すぐに現地の医療機関で治療を受けてください。
症状が出たら、治療法はありません。