最終更新日:2000.3.15 JST
1999年ブルース・ベレスフォード監督作品(R) パラマウント配給
主演: アシュレイ・ジャッド & トミー・リー・ジョーンズ
「誰もが同一の犯罪で、二度有罪にはならない」合衆国憲法修正第五条 - 罪を被せられた妻が、逆襲に出た!「ダブル・ジョパディ」
リビー・パーソンズ(アシュレイ・ジャッド)は夫ニック(ブルース・グリーンウッド)と、4歳になる息子マティ(ベンジャミン・ウィアー)とシアトル郊外の邸宅で、満ち足りた暮らしを送っていたが、ある週末夫がプレゼントにと買ってくれたヨットでのセーリングで、その運命は一変する。
久しぶりに二人だけの幸せな時間を過ごした後、ふと目覚めたリビーが見たものは、血だらけの船内と血だらけのナイフだけ。リビーは2週間前に駈けられた200万ドルの保険金目当ての夫殺しとして、無実の罪で服役することになった。
そして、さらに不幸は襲う。マティを預けた親友のアンジー(アナベス・ギッシュ)が突然姿を消し、唯一楽しみしていたマティとの逢瀬がなくなる。刑務所仲間のマーガレット(ローマ・マフィア)とイブリン(ダヴィニアイ・マクファデン)に、頭を使って探せと云われたリビーは、サンフランシスコのアンジーの転居先を突き止め、電話を入れ、久々にマティの声を聞く。しかし、そのマティが電話を切られる直前に叫んだ言葉は「ダディ!」。
夫が仕組んだ罠と知ったリビーは、電話で無実を訴えるが、誰も聞いてはくれない。そんな彼女に、弁護士だったマーガレットが云う。「合衆国憲法には同一犯罪の二重処罰を禁止する条項がある。釈放されれば、たとえニューヨークのタイムズスケアーで、衆人注目の元で夫を撃ち殺しても罪には問われない」と。
6年後、仮釈放されたリビーは、保護観察官トラヴィス・レーマン(トミー・リー・ジョーンズ)が管理するアパートに滞在することになる。かつては大学で法律学を教えていた教授だった彼は、酔っぱらい運転で事故を起こし、妻と一人娘に愛想突かしされた過去を引きずり、些細な規則違反にも厳格にあたり、仮釈放を取り消される住人も出る。
しかし、リビーは3年の謹慎期間を待てない。マティが通っていた幼稚園にアンジーの行き先を教えることをはねつけられた彼女は、門限を無視し、夜に事務所に忍び込み、アンジーの記録を見つけるが、物音で駆け付けた警察官に身柄を取り押さえられる。
次の日、レーマンに身柄を引き渡され、フェリーに乗り込むが、レーマンが車から離れた隙に、手錠を掛けられたドアノブを壊そうとして、車を動かし、駆け付けたレーマンと共に海中に車ごと転落する。なんとか水中でレーマンが手錠の鍵を外し、水死を逃れる二人だが、脱出中にうまくレーマンの銃を手に入れたリビーは、レーマンを殴り、海岸に逃走する。
不仲だったと云う母親から、車と金を与えてもらったレビーは、覚えていたアンジーの社会保障番号からうまく住所を突き止め、コロラド州エバーグリーンに向かう。同様に社会保障番号から、これも合法とは云えない方法で同じ住所を突き止めたレーマンも後を追う。しかし、レーマンよりも一歩先にその住所に駆け付けたレビーが聞いたのは、3年前にアンジーはガス爆発事故で死亡しているという事実だった。
絶望に打ち拉がれるレビーだが、マティと夫のニックは無事と聞き、必死に手掛かりを探す。そして、ニックの好きだったカディンスキーの絵に目をつけた彼女は、画廊を訪ね、わずかの差で彼女を追っているレーマンが車を目印に、その画廊を訪ねる直前に名前を代えたニックを突き止め、レーマンの追跡を振り切ってニュー・オリンズに向かう。
そして、ニックが経営するホテルで開かれるパーティーに見事忍び込んだリビーは、詐欺で手に入れたアルマーニのドレスに身を包み、ニックと再会する。ただマティを返せば何も云わないと要求を突きつけるリビー。
次の日、レーマンと警察官の追跡を、親切なバーテンの助けで逃れた彼女は、ニックを呼び出す。マティを連れてこいと。しかし、マティと思えた男の子は、ニックが雇った偽物。偽物とも知らず、追い掛けるレビーはニックに襲われ、墓地の棺の中に閉じ込められる。
一方、レビーの話を信じ掛けてきたレーマンだが、ニックにはぐらかされてどうにもならない。レビーも見つからない。レーマンの上司は査問委員会に掛けるために、直ちにシアトルに戻れと云ってくる。レビーの運命ももはやこれまでか・・・
まあ、テンポ良く話は進み楽しめます。ただ、なんかご都合主義的なストーリー展開は目につくなあ。大体死んだ振りして、全く違うところに行くのならともかく、子供やアンジーといっしょに暮してるなんて云うのは、レビーがいくら友だちがいないと云っても、それくらい調べられる人はいくらでもいるのでは?マスコミに売り込んだらすぐに特ダネで動き出すと思うんだけど・・・
まあ、そんなことを考えて見てはいけない映画。アシュレイ・ジャッドの環境の変化と共に見せるそれぞれの強さ、美しさを楽しみ、「逃亡者」、「追跡者」を彷彿とさせるジョーンズの名追い掛け演技を楽しんでください。
日本公開は00/3/4。