Turbulence

最終更新日:1998.11.15 JST

草模様

ネタばれ注意!!!

1997年ロバート・バトラー監督作品(R) MGM/UA配給

主演: ローレン・ホリー & レイ・リオッタ

凶悪犯とたった二人で飛行機に取り残されたステュワーデス、果たして彼女はジャンボ機を着陸させることができるのか「乱気流/タービュランス」

ニューヨークからロサンゼルスへと向かうボーイング747の機内で事件は起きた。

乗客もほとんどまばらなクリスマスイブの夜のフライトで二人の容疑者がロサンゼルスへと護送されることになった。夕食の準備が始まる頃トイレにたった護送者の一人が一瞬のすきをつき、二人の警官を殺害、そして機内はパニックに! 犯人は何とか射殺されるが、護送中の警官達に加えて、二人のパイロットもその犠牲となり、飛行機は自動操縦のままロサンゼルスへと向かう。

クリスマスを前に婚約者と別れたフライトアテンダントのテリー・ハロラン(ローレン・ホリー)は、傷心のフライトだったが、この異常事態の中、彼女がロサンゼルスに無事に飛行機を着陸させなければならなくなる。

しかし、そんな彼女に興味をいだいたのは生き残ったもう一人の護送中の容疑者ライアン(レイ・リオッタ)。連続女性殺人の容疑を否定する彼だが、だんだんと本性を現していく。女を騙すのはお手の物のライアン。操縦席で管制室に詰める警察官から、彼を信じてはいけないと云われても、誘い出されてしまうテリー。

そう、ライアンは逆恨みから、飛行機をロサンゼルスの街に墜落させようとしているのだ。そのためにはテリーは邪魔な存在。本性を現したライアンから必死に逃れ、操縦席に逃げ込むテリー。

彼女は、管制室からの指示を受けて、着陸を図ろうとするが、ライアンの妨害に会い、あわやホテルに突っ込みそうに。それでも、なんとか再度の着陸を図るテリーだが、管制室からは多くのロサンゼルス市民を救うために、撃墜の指示が。

さて、テリーはこのピンチを如何に逃れるのか・・・

旅客機の中に老夫婦やスケボー少年が乗り込んできたときは、正統派の航空パニック映画の再現かと私も思いましたが、彼らは映画の序盤で早々にいなくなって、ちょっと拍子抜け。また、タイトルにもなっているタービュランス(乱気流)の場面は映画の山場のはずだが、これも嵐にもまれる飛行機の様子が今ひとつ伝わらないし、ストーリーの本筋にもさほど関係なく、なんのこっちゃって感じ。

ただ、操縦士がいなくなった飛行機をスチュワーデスに操縦させるため、無線を使って次々と指示を出して行く様子はリアルで迫力あり。同型機の操縦室から手取り足取り操作を指示するベテランパイロットの姿は、頼もしくてかっこがいいこと請け合い。この他にも、飛行機に乗る者、パイロットや、彼らを地上で支える管制職員の目に見えない絆が立体的に描かれている。

飛行機を着陸させようとする主人公をあなどり、「スチュワーデスには無理だ」と評価する警察関係者に対し、「スチュワーデスじゃありません、フライトアテンダントです」と言い返す管制職員。飛行機撃墜を命じられた戦闘機パイロットが、主脚についた障害物を機銃で打ち落とし、主人公に合図をしてゆっくりと飛び去る様子。主人公を空港に出迎えた指導機長が、主人公を「ハロラン機長」と呼ぶところなど……。わかっていても感動させられます。

なお、主演のローレン・ホリーはあの人気コメディアンのジム・キャリー夫人。

日本公開は97/7/12。

草模様

ホームに戻る 前のページに戻る