Ronin

最終更新日:1999.6.23 JST

草模様

ネタばれ注意!!!

1998年ジョン・フランケンハイマー監督作品(R) MGA/UA配給 2時間1分

主演: ロバート・デ・ニーロ & ジャン・レノ

6人のスペシャリストが秘密工作チームに集結しターゲットを狙う「RONIN」

「日本の封建制度では、武士階級の侍たちは、命を賭けて主人たる領主を守るべく、刀で武装した。領主が殺された場合、臣下の侍は国をさすらい、用心棒として雇われるか、盗賊になるしかなかった。主を失った彼らは、もはや侍とは呼ばれず別の名で呼ばれた。すなわち、浪人である」

パリの下町のバー。サム(ロバート・デ・ニーロ)が、用心深く近づくと、中へ入っていく。閉店間際とあって、中にいたのは数人の客とバーテンダー。そして、サムの合言葉を確認すると、バーテンダーの女性、アイルランド人ディエドラ(ナターシャ・マケルホーン)は、残った客に裏口からバンに案内する。

雨の中、バンが到着した倉庫には、合計6人が集まった。サムは、戦略と武器に通じたアメリカ人。バーから一緒に連れていかれたのは、フランス人のコーディネーターのヴァンサン(ジャン・レノ)と、アメリカ人のドライブスペシャリストのラリー(スキップ・サダス)。そして、さらに武器の専門家のイギリス人のスペンス(ショーン・ビーン)と電子工学の専門家のドイツ人グレゴー(ステラン・スカルスゲールド)。

集まった彼らにディエドラは、ブリーフケースの強奪を依頼する。手段は選ばぬが、無傷で手に入れること。ケースの中身は話せない、誰の依頼かも話せないと。

ヴァンサンが車や武器など、メンバーが必要とするものを調達する。そして、武器の引き渡しは、深夜のセーヌ河畔。取引に向かったサム、スペンス、ヴァンサン、ラリーだが、現れた武器商人の車には、注文の半分しかない。そして残りは、別の車にあると、橋の下の暗がりに誘う。罠を直感したサムは取引の中止を進言するが、興奮したスペンスは取引を焦り、ヴァンサンを連れて橋の下に向かう。

彼らを援護すべく止まったサムの目に、近くの道を走る車のライトに照らされて、橋桁に潜む狙撃手の姿が写った。やはり、罠だ。先手を打って、狙撃手を倒すサム。そして、激しい撃ち合いの末、最初の車に乗っていた武器をすばやく積み替えていたラリーの運転で、銃声を聞いて駆け付けたパトカーを振り切る。

翌朝、ディエドラに地下鉄の駅で接触した謎の男シーマス(ジョナサン・ブライス)の指示により、彼らはニースに向かう。これ以上、この任務を果たせないと、チームから外されたスペンスを除いて。

ニース。ブリーフケースは、謎の一団により、厳重に守られていた。チームは、彼らを観察する一方、強奪準備を着々と進める。そして、いよいよ決行の日。サムの計画は、はっきり云って荒っぽい。市内の交差点で、信号を操作して止めた一団の車に、いきなり榴弾をぶち込むは、逃げ出した一団を追っ掛けて、護衛の車を対戦車兵器でぶっ飛ばすわ。

更に待ち伏せしたラリーの運転で、別の護衛の車を撥ね飛ばすと、ニースの旧市街を追い掛け回し、やがて、追い詰めると、ケースを鎖でつないでいたボスも無情に撃ち殺す。作戦成功。ケースは見事手中に。

・・・のはずであったが、それじゃ映画はつまらない。裏切ったグレゴーにより、ケースは持ち去られ、彼らは警察に追われる身に。

サムの知り合いを使った調査で、グレゴーはアルルにいると判明。そして、アルルの闘技場で、グレゴーと彼と取引しようとしたロシア人一味を一旦は捕らえたサムたちだが、結局は姿を現したシーマスにディエドラとグレゴーを連れ去られるだけでなく、ラリーは殺され、ヴァンサンを庇ったサムも重傷を追う。

ヴァンサンの知り合いの家に助け込まれたサムは、弾丸摘出を自分で指示。見事手術は成功。ヴァンサンの友人が作る赤穂浪士の人形を前に浪人について語り合う。

再び舞台はパリ。シーマスの隠れ家を突き止めたサムたちだが、ディエドラを撃てない隙に、3人に逃げ出され、パリの道を逆行し、銃で撃ち合うカーチェイスに。挙げ句、ケースを持ったグレゴーは1人で逃走する。

グレゴーの取引相手はロシア人と看破したサムとヴァンサンが向かったのは、ロシア人の元女子オリンピックフィギアーチャンピオンのアイススケートショー。さて、どうやって2人はブリーフケースを手に入れることができるのか。そして、ディエドラは・・・

サムには名優ロバート・デ・ニーロ。ヴァンサンにはフランス映画界を代表するジャン・レノ(「ゴジラ」にも出演)。ディエドラには、「トュルーマン・ショー」のナターシャ・マケルホーン。グレゴーには「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」のステラン・スカルスゲールド。スペンスのショーン・ビーンは「ゴールデンアイ」の悪役006を演じたし、シーマスのジョナサン・プライスは「トュモロー・ネバー・ダイ」の狂ったメディア王を演じていた。

フランス・ロケを最大限に活かし、フィルム・ノワールのムードを醸し出した監督は、「大列車強盗」、「グラン・プリ」などの巨匠ジョン・フランケンハイマー。

ド派手なカーチェイスや撃ち合いが多い映画ではありますが、デ・ニーロやジャン・レノということで、渋い映画でもありました。

日本公開は99/5/29。

草模様

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