The Postman

最終更新日:1998.3.25 JST

草模様

ネタばれ注意!!!

1997年ケビン・コスナー監督作品(R) ワーナーブラザース配給

主演: ケビン・コスナー & ウィル・パットン

「ダンス・ウィズ・ウルブス」から7年、コスナー一家総出?で送る3時間近い感動の作品「ポストマン」

2013年。大規模な世界戦争でアメリカの大都市はすべて破壊された。生き延びた人々は小さな町を作り、それでも生き延びていた。

そんな時代、町から町へと渡り歩き、日々の糧を得る男(ケビン・コスナー)がいた。小さな部落を訪れた彼は、シェイクスピアの戯曲を披露する。娯楽のない人々にとって、シェイクスピアはとても新鮮で、とても素晴らしいものだった。人々の歓声を浴び、彼の独り舞台の幕は閉じた。

しかし、そんな平和は、ベスレヘム(ウィル・パットン)をリーダーとして、近隣の町を蹂躙する私設軍隊によって乱される。町を訪れた彼らの目的は、強制徴兵。力を武器として、有無を云わせずに3名の兵士を募る。その場から咄嗟に立ち去ろうとする男だが、ベスレヘムに呼び止められ、殴り倒され徴兵されることになる。

過酷なトレーニングが徴兵された者を待っていた。ベスレヘムに強引に忠誠を誓わされ、彼のために戦うことだけが義務付けられる。そんな中、戦争前にはコピーマシンのセールスマンだったというベスレヘムも、シェイクスピアをたしなみ、男に彼の片腕にならぬかと誘う。

しかし、男はそんなベスレヘムにはとても付いていけない。脱走を同じ町から来た他の2人に持ちかける男。しかし、相談を持ちかける相手が悪かった。片方の男の裏切りで、男はライオンがさまよう地域に、行方不明の兵士を探しに行かされる。

でも、それがチャンスだった。ライオンに襲われ、殺されていた兵士を探し出した男は、彼の死体を担いで戻る途中の橋で、わざと足場が不安定なところを歩き、河へ中へ。ベスレヘムの部隊が銃で砲撃を始める中、急流に流されながらどんどんと河を下って行く男。

追っ手になった同じ村から来た仲間や兵士をやっとの思いで交わし、冷たい雨の中をさまよう彼の前に現れたのは一台の古びた車。雨を避けて車の中に入り込んだ彼の横には、白骨死体が。死体の持っていたライターと酒で一息付く男。

翌朝、死体を丁寧に埋葬した男は、死体がまとっていた制服と帽子を身につけ、手紙の詰まった肩掛けかばんを持ち、再び歩き出す。そして辿り着いたのはオレゴン州の山中の小さな町、パインビュー。そこで彼は運命を変えた。

新政府の郵便配達人(ポストマン)と称して町に入り込んだ彼は、ありもしない新政府を人々に語り、風呂や食事にあり付く。しかし、ベスレヘムの軍隊に苦しむ町の人々にとって、彼の話は大きな希望だった。さらに、アビー(オリビア・ウィリアムズ)が彼に近づいてくる。彼女は結婚して3年経つが、夫のマイケル(チャールズ・イースタン)は病気で無精子症で、その代理父を求められるのであった。

思わず逃げ出そうとする彼だが、成り行きで郵便局跡へ。そこには、彼を慕うフォード・リンカーン・マーキュリー(ラレンツ・テイト)という名を名乗る少年が。自分も郵便配達人になりたいという彼の望みを拒みきれず、宣誓を行うポストマン。そして町の人々の新しい郵便物に囲まれた彼は、その夜、押し掛けてきたアビーとベットを共にする。

次の日、彼の言葉を唯一疑う町の保安官(ダニエル・フォン・バーゲン)の指示で旅立つポストマン。みんなに見送られる彼に、最後は保安官も手紙を託すのであった。

食事にあり付くために適当な話をでっち上げたポストマンであったが、その影響は大きかった。彼が去った後に現れたベスレヘムは、フォードが掲げた郵便局の星条旗に激怒し、ポストマンを追うように指示する。そして、アビーを見かけたベスレヘムは、彼女を差し出すことを拒否するマイケルを刺し殺す。

アビーを無理やり拐い、ポストマンを追う彼とその軍隊は、調子に乗ったポストマンが訪れた別の町にやってくる。ポストマンの話を聞いた若者達は、ベスレヘム軍の町への入場を拒否。ポストマンは、行き掛かり上、和平の交渉に、ベスレヘムのもとに乗り込むが、彼の提案は一蹴され、町は総攻撃をくらい、彼にも射殺命令が。

その時、捕らわれていたアビーの反撃が始まった。見張りを倒し、銃を奪った彼女の放った弾丸によって、あわやの危機を脱したポストマンは、軍の馬を奪い、彼女を連れて脱出する。

なんとか追っ手を逃れた2人は、オレゴンの山中の打ち捨てられた山小屋で冬を越す。アビーの胎内で、2人の子供は育っていく。春になり、子供に安全な場所を求めて動き出す2人。しかし、そんな2人が道で出会ったのは、郵便配達の1人と名乗る少女(ケビンの娘、アン・コスナー)。驚く彼らが連れて行かれた配達基地では、フォードが中心となり、若者による郵便局が運営されていた。

そして、ポストマンの来訪を受けて、彼らの配達網はますます広がり、ベスレヘム軍に対するレジスタンスの様相も示してくる。いらだつベスレヘムによって、捕らわれ殺される配達人達。ポストマンも、元ベトナム戦争軍人の助けを得て、軍の一団を倒すが、ポストマンの指示に従わずエスカレートするフォードは、その死体をベスレヘムのもとに送り返す。

ベスレヘムの怒りはすざましかった。次々と町を襲い、見せしめに町民を処刑していく。そして、ついにパインビューの保安官も彼らの手にかかる。銃殺される寸前、「ポストマン、手紙を配り続けるんだ」と叫ぶ保安官。

ポストマンは、もうこれ以上人々が殺されていくのに耐えられない。郵便局の解散を宣言し、死を覚悟し、最後の手紙の配達を志願するフォードに、解散の旨のベスレヘムへの手紙を託し、アビーと共に旅立つ。

しかし、ベスレヘムはそれでは納得しなかった。フォードを人質として確保し、ポストマンを追い続ける。そして、覚悟を決めたポストマンは、兵を集め、ベスレヘム軍の元に乗り込む。彼は果たしてどうやって人々を平和に導けるのか・・・

まあ、軍隊に市民達が戦いを仕掛けるなら、ゲリラ戦は必死と思うのだけど、そう云う場面はほとんどなく、?ということも多いし、ちょっとだらだらという感もありますが、見ごたえはたっぷり。感動場面は盛りだくさんです。テレビの予告編でもやってる、少年が、馬に乗って駆けてくるポストマンに手紙を託すシーンなど、堪りません。ちなみにその少年はケビンの息子のジョー。

未来の戦争後物と云っても、マッドマックスとは全く違う映画には仕上がってますね。アクションを期待する方は、止めた方がいいでしょう。感動物です。

日本公開は98/3/21。

草模様

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