The Negotiator

最終更新日:1999.7.18 JST

草模様

ネタばれ注意!!!

1998年F・ゲリー・グレイ監督作品(R) ワーナーブラザース配給

主演: サミュエル・L・ジャクソン & ケビン・スペイシー

無実の同僚殺しの罪を着せられた人質事件の交渉のプロフェッショナルが、無実を晴すために人質を取って交渉相手に選んだのはやはりプロの交渉人だった「交渉人」

ダニー・ローマン(サミュエル・L・ジャクソン)は、シカゴ警察でもナンバー1の実力を誇るシカゴ東地区人質事件の交渉人。今日も無事事件を解決に導いた彼は、部署の仲間たちとのパーティに上機嫌で出席する。だが、その最中に、ローマンは相棒のネイサンから意外な事実を知らされた。警察の年金基金が内部関係者に盗まれ、内務捜査局の人間も犯行にかかわっているというのだ。

深夜、さらに詳しい事実を知らせたいというネイサンからのメッセージに公園へ出かけたローマンが目にしたのは、同じようなメッセージに誘い出されて射殺されたネイサンの死体だった。その後の家宅捜索で、海外の貯金口座を発見されたローマンは、殺人と横領の容疑で逮捕される身となった。

いったい誰が自分を罠にかけたのか? 怒りと疑問にかられたローマンは、ネイサンが名前をあげていた内務捜査局のニーバウム(J・T・ウォルシュ)のオフィスに乗り込んで行く。が、ニーバウムはシラを切るばかり。業を煮やしたローマンは、その場に居合わせたタレコミ屋と秘書、それに騒ぎに駆け付けたフロスト本部長補佐(ロン・リフキン)も人質に、ニーバウムのオフィスに篭城するというイチかバチかの作戦に出た。 

事件を聞いて、騒然となる警察関係者たち。署長(ジョン・スペンサー)やSWAT隊長(デイビッド・モース)らが打開策を講じるなか、ローマンは、交渉相手に、シカゴ西地区のナンバー1交渉人クリス・セイビアン(ケビン・スペイシー)を指名する

駆け付けたセイビアンだが、馴染みのない地区だけに、署長や隊長は、彼の云うことに従わず、交渉中に急襲を掛ける。しかし、作戦は失敗、狙撃を指示された同僚は発砲を拒否し、2人の隊員が新たに人質として捕まる。

フロスト本部長補佐の解放と引き替えに、一旦切られたビルの電源を回復させたローマンは、ニーバウムの秘書から秘密ファイルの存在を聞き、そのファイルを発見、ローマンやネイサンの会話を全て盗聴した記録を発見する。ネイサンが殺される前日に内通者と逢ったことを盗聴記録から掴んだローマンは、セイビアンにネイサンの妻からネイサンが相手を突き止めるようにセイビアンに依頼。その要求が果たされれば、更に人質を1名解放することを約束する。

セイビアンは、そのチャンスに偽の内通者を担ぎ出すが、ローマンに見破られる。そんな時、年金横領一味は強攻手段に出、セイビアンの指示を無視して、攻撃を仕掛ける。なんとか、攻撃を切り抜けたローマンだが、一味に買収されたことを白状したニーバウムは射殺され、証拠の入ったPCも破壊されてしまう。

一方、FBIの介入で、セイビアンは交渉の任を解かれ、FBIと警察は一斉突入を決心する。これまでの交渉で、ローマンの主張を信じ始めたセイビアンは、一足早くローマンの元に駆け付け、投降を迫るが、ニーバウムの自宅にコピーがあるとの秘書の言葉で、その証拠を押さえたいというローマンに協力することに。

警察の強攻突入を逃れたローマンはニーバウムの家で証拠のファイルを発見、フロッピーに納めるが、年金横領一味である狙撃隊員たちが彼に迫る。さて、ローマンとセイビアンは真実を暴き出すことができるのか。そして、黒幕は誰?

“交渉人”とは、篭城事件の犯人を言葉巧みに説得し、人質解放、犯人逮捕と事件解決に導く専門の警察官。日本では事件担当警察官が兼任するのが普通だけど、アメリカでは専門職化している。本作では、同じシカゴ警察No.1といわれながら、担当地区が違うために顔も合わせたことのない2人の交渉人が、篭城犯と交渉人という異なる立場で対峙する。

ローマンを演じるのは、「パルプ・フィクション」「ジャッキー・ブラウン」で強烈な個性を発揮し、「スター・ウォーズ」の新作にも出演のサミュエル・L・ジャクソン。セイビアンには、「ユージュアル・サスペクツ」でアカデミー賞助演男優賞に輝き、「L.A.コンフィデンシャル」等話題作に立て続けに出演しているケビン・スペイシー。動と静ほどに対照的な交渉人同士に扮したこの二人の互いに一歩も譲らない演技の“駆け引き”は、見ごたえがあります。

日本公開は99/7/3。

草模様

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