最終更新日:1999.8.11 JST
1999年スティーブン・ソマーズ監督作品(PG-13) ユニバーサル配給
主演: ブレンダン・フレイザー & レイチェル・ワイズ
砂は立ち上がり 天は裂ける! いま、恐るべき力が甦る・・・”ハムナプトラ”の秘宝を追い求めた人間は、すべて命を失った!数多くの謎を秘めたエジプトを舞台に、アクションを始めミステリーと発見スリルと恐怖、更にロマンスまでも盛り込まれた“全く新しい冒険”が幕を開けそして『インディ・ジョーンズ』を超えた“フレッシュなヒーロー”が誕生した!!「ハムナプトラ/失われた砂漠の都」
【ハムナプトラ】。それは、3000年前の新王朝時代と呼ばれる古代エジプトに栄えたテーベから離れた、砂漠の奥地にある“死者の都”。そこは王家の墓であり宝が 眠っていたが、突如として砂の下へと消えた伝説の都であった。
紀元前1290年、国王セティ1世(アーロン・イパーレ)が支配するエジプトの都テーベで、王家の墓であり王の宝が眠る死者の都“ハムナプトラ”を守る邪悪な高僧イムホテップ(アーノルド・ボスルー)とセティ王の愛人アナクスナムン(パトリシ ア・ヴェラスケス)の禁じられた恋が暴かれた。追い詰められた二人はとっさに王を殺害しアナクスナムンは永遠の愛を誓い自らの命を断つ。
逃げ延びたイムホテップは、ハムナプトラで絶望にかられ、神をも恐れぬ邪悪な行為に走った。それは“死者の本”に書かれた呪文によりアナクスナムンを蘇生させるという恐ろしいものだった。だが、その場をとり押さえられたイムホテップは僧侶と共に罰せられミイラにされながら、死を迎える前の状態で永遠に生き続けなければならないという究極の呪いである“ホムダイ”の刑を受けた。
イムホテップの生の存在は腐った身体が解き放たれるまで止むことはない。墓石の中からイムホテップの苦痛の叫びがくぐもった響きをあげる中彼の肉体は地中深く埋められた。怨念は渦巻きイムホテップの邪悪な復讐に燃えた胸の鼓動が暗い闇の中で徐々に大きく響き出した。そしてそれは数千年もの間、誰の目にも触れることなく暗い砂漠の下に静かに横たわっていた。だが、邪悪なイムホテップの魂は再び目覚め 地上を復讐と呪いで覆い尽くす機会を待ち続けた…。
「死は始まりにすぎない!」イムホテップが死よりも恐ろしい運命に呪われた日から3000年の月日が流れた。1923年のサハラ砂漠で今まさに何千人ものトゥアレグ族の馬に乗った兵士たちが外人部隊の要塞に襲いかかっていた。戦闘の最中、外人部隊に雇われた威勢のよい傭兵のリック・オコーネル(ブレンダン・フレイザー)は、ずる賢い仲間のベニー(ケヴィン・J・オコナー)と共に戦っていたが、形勢不利とみるや逃げ出すベニーを始め次々と倒れる仲間を前にリックも戦 場を後にする。やがて彼は、その先で偶然にもハムナプトラの隠された廃墟に出くわすが砂漠の中から突如として浮かび上がった人面岩のうなり声を聞き、驚きのあまりそこから逃げ出す・・・
カイロ刑務所で危うく絞首刑で命を落とす間際のオコーネルを救ったのは、図書館の司書で古代エジプトに興味を持つエヴリン(レイチェル・ワイズ)であった。彼は命を救ってもらった恩義を忘れず、エブリン、エブリンの兄のジョナサン(ジョン・ハナ)達と船でハムナプトラに向かう。同じ船には同じように失われた都を目指すアメリカ人達の探検隊の一行も乗り合わせていた。彼らは、“死者の都”を守る秘密結社の襲撃を受けながらも、やがて失われた都市ハムナプトラに辿り着く。
そこには、未盗掘のまま石棺に入った完全な状態のミイラも眠っていた。エブリンは宝の在り処と古代エジプトの謎を解くという、特別な鍵のみ開けられる古文書を見つけだし、そこに記された呪文を読む。だが古文書は2つあり、彼女は違った古文書、つまり邪悪な魂を封印していた古文書を読み上げ、イムホテップの魂を現代に復活させてしまう。
多くの犠牲を出しながら、命辛々街に逃げ帰ったオコーネル達は謎を解くべき博物館を訪ねるが、そこには秘密結社のリーダ、アーデス・ベイ(オーディド・フェール)と博物館長(エリック・アヴァリ)がいて、恐るべき事実を告げた。イムホテップはアナクスナムンを復活させようとしており、エブリンがその生け贄として狙われている。そして、イムホテップスが復活すれば世界は滅ぶと・・・
イムホテップスは徐々に完全復活を遂げ、刻一刻と終末の時は近づく。“エジプト10の災い”は、一つまた一つ、恐ろしい予言通りに現実と化していく。 そして、遂に完全復活を果たした彼は、エブリンを手中に納め、3000年前に完遂することの出来なかったアナクスナムン復活を果たすべくハムナプトラに向かう。
一方、エブリンがイムホテップスの手中に落ちる前に解いた邪悪な魂を封印する黄金の古文書を手に入れるべく、オコーネル、ジョナサン、アーデス・ベイもハムナプトラに向かう。イムホテップスの起こす砂嵐に飛行機を襲われながら、ハムナプトラに辿り着いた3人は、イムホテップスが復活させた僧侶のミイラ達に襲われながらも、黄金の書を手に入れる。
アナクスナムン復活の儀式は滞りなく進む。エブリンの命は今や風前の灯。黄金の書は手に入れても、その扉を明ける鍵は、イムホテップスの手にある。果たして、オコーネルはこの危機を如何に切り抜けるのか・・・
全米(3210館)で99/5/7に公開されるや興収43,370,000ドルの大ヒット!『ジュラシック・パーク』から6年の歳月をかけたユニヴァーサル映画が、世紀末に仕掛けた桁外れの巨大プロジェクト!CGを駆使したSFXムービーが氾濫し、あらゆる視覚効果に人々の驚きが失われつつある中で、この映画は、未だかつて見たことのない襲い来る砂漠の猛威や、古代の恐ろしい甲虫(肉食のスカラベ)信じられないミイラの復活など「ILM」の最新SFXが観る者の予測を裏切り、想像を超えた不思議な世界へと誘う。と云うのが日本公開のうたい文句です。
頭の悪いワイルドな主人公とインテリ美女、そして脇役におとぼけキャラの兄貴というお決まりの組み合わせはそれなりに楽しませ、自らアピールしているようにインディー・ジョーンズを見事にパクっているのだが、う〜ん、なにか違うんだよなあ。特撮は本当に見事で楽しめるし、オコーネルを裏切ってなんとイムホテップスの手先にまで身を落とす?ベニーも、終盤で優位に立ったときでも、エブリンに「悪党には罰が当たるのよ」なんて言われて素直に弱気になってる『冒険映画的小悪党』の鏡を演じて、大いに笑わせたりするんだけど、何ででしょうねえ、いわゆるB級映画の匂いがプンプンなんですよ。
エジプトの再建とか世界制覇とか云わずに、3000年前の惚れたはれた(しかも不倫)に巻き込まれて人類滅亡しそうになるんだから滅びても滅びきれませんねえ。オコーネル、よくやった!最後にアーデス・ベイが感謝するのも当然!かな?
まあ、特撮ファンは是非お見のがしなく。それ以外には、期待しない方がいいのではありますが。私は決して嫌いではありませんでした。はい。
日本公開は99/6/19。