最終更新日:1999.6.24 JST
1999年ルイス・マンドキ監督作品(PG-13) ワーナーブラザース配給
主演: ケビン・コスナー & ロビン・ライト・ペン
その瓶を拾わなければ。決して出逢うことのなかった人。彼は教えてくれた。人は、愛によって生まれ変われることを───「メッセージ・イン・ア・ボトル」
テリーサ・オズボーン(ロビン・ライト・ペン)は、息子ジェイソン(ジェシー・ジェイムズ)が別れた夫と過ごす間、一人きりの休暇をケープ・コッド(アメリカ東海岸、マサチューセッツ州の保養地)で過ごしていた。一人で海岸をジョギングするテリーサは、手紙の入ったボトルを拾う。
そこに書かれていたのは、キャサリンという名の、今はもういない女性に宛てた、誠実な愛情に満ちた言葉だった。胸を打たれたテリーサは、休暇を切り上げ、調査員として勤務するシカゴ・トリビューン紙のオフィスに、その手紙を持ち帰る。
オフィスの女性たちがこの手紙に感動しているのを見て、テリーサのボスであるコラムニストのチャーリー(ロビー・コルトレーン)は、この瓶のことを記事に書く。何も知らされてなかったテリーサは、プライベートな手紙を公にしたことに憤慨するが、読者の反響は大きかった。そして、その中には「同じ人が書いたと思われる手紙を浜辺で拾った」と云う話もあった。
3通の手紙の瓶が流れ着いた場所や、レターペーパーや使われたタイプライターから、手紙を書いたと思われる男性を見つけたテリーサは、コラムのためのリサーチを名目にその町に向かう。
アメリカ東海岸のノースカロライナ州、アウターバンクにある小さな町。レターヘッドを注文したギャレット&キャサリン・ブレイクと云う人の家を訪ねたテリーサは、ギャレットの父だという近くに住むドッジ(ポール・ニューマン)に家に興味があると嘘をつき、息子は港にいると教えられる。港でヨットを修理しているギャレット(ケビン・コスナー)に、ヨットに興味があると近づいたテリーサ。そして、二人は翌朝、修理したヨットのテストセイリングに出かけることになる。
翌朝、約束の時間の前に港の食堂で落ち合おうとしたテリーサが見たのは、おまえは泥棒だと云われ、殴り合うギャレットの姿だった。セイリングに出かけたテリーサに、喧嘩していたのはジョニー・ランド(ジョン・サベージ)で、2年前に亡くした妻の弟だという。なぜ二人は喧嘩を?
その夜、ヨットに忘れていたテリーサの上着をギャレットはドッジに自分で届けろと云われて、ホテルの届け、テリーサを翌日の夕食に誘う。そして、彼の家を訪ねたテリーサが見たのは、2年間亡くなったキャサリンがいたときのまま残されている、彼女の書きかけの絵や、絵具やサンダルであった。そして、少しづつキャサリンのことを話すギャレット。
そんな日々の間には、ジョニーが両親(なくなったキャサリンの両親でもある)と共に、ギャレットの家を訪れ、キャサリンの絵を返せと迫られる場面も。また、ギャレットの留守中に家を訪ねたテリーサは、悪気はないままキャサリンの遺品を動かしてしまい、帰ってくれと突き放されることも。ドッジはそんな彼女にキャサリンは、家族にも将来を嘱望された画家であったが、ギャレットと生きる道を選び、元々体が弱かったため、妊娠で体調を崩して亡くなったのだと語る。
本当のことを云おうと、最初は好奇心からだけど、今は違う。あなたを愛してると真実を語りたいテリーサだが、結局云えないまま、シカゴに戻ることになる。お互いに電話番号を知ってることを確認して。
シカゴに戻った彼女は、また忙しい毎日に戻るが、ギャレットのことが忘れられない。そして、そんなある日ギャレットからの電話が。シカゴに来て、私の生活を見て欲しいと頼むテリーサ。
そして、ギャレットがシカゴにやってきた。ジェイソンも好感を持って、ギャレットを受け入れ、楽しく過ごす2人。しかし、それも長くは続かなかった。ふとした弾みに、ボトルを見つけたギャレットは、自分が使ったものではと回りを探る内に、自分の手紙を見つける。すべてを悟ったギャレットは、雨の中外に飛び出す。追い掛けるテリーサは、あなたの3通の手紙で恋したんだ。その愛は嘘じゃないと訴える。
その言葉にギャレットが反応した。3通?俺が出したのは2通だけだ。なんと、3通の内の1通は、キャサリンが容態が急変する前日に海に流したものであった。彼女の最後の手紙を読んで、こんなことをしたから死んだんだというギャレットに、そんなことはない、死を悟ったらこそ、その手紙を流したのだというテリーサ。しかし、ギャレットは、帰ってしまう。
悲しみにくれるテリーサだが、彼女はその悲しみを乗り越え、チャーリーに自分の作ったコラムを出し、ついに彼女もコラムニストとして、歩み出すことになった。一方、ギャレットも前のままではなかった。キャサリンの絵を両親に譲り、キャサリンと2人の夢だった自分の設計したヨット作りに励む。義弟のジョニーも手伝うことに。
そして、進水式の日。君にも見に来て欲しいというギャレットからの手紙で駆け付けたテリーサが影で見つめる中で、ギャレットはキャサリンと名付けたそのヨットを、キャサリンのためにと云って、進水させる。それを見て、そのまま立ち去るテリーサ。
やがて、家に戻ったギャレットを待ち受けていたテリーサは、キャサリンが忘れられないギャレットとは一緒になれないと彼に別れを告げ、シカゴに去る。
昨日を捨てて、明日に生きろとドッジに諭されるギャレット。そして、ある日、ギャレットは嵐が近い海にヨットを出す。浜辺に残るドッジに心を決めたと叫んで。
シカゴでギャレットを思うテリーサの気持ちが報われる日はもうすぐ・・・
原作は、170万部のベストセラーとなったニコラス・スパークスの同名小説で、執筆開始と同時に映画化権の争奪戦が始まり、まだ前半部分しか書かれてない段階で、ワーナー映画が権利を獲得した。
制作者デニーズ・ディビーノは、映画権を獲得した翌朝、ワーナーにギャレット役は絶対にケビン・コスナーでと掛け合ったという。そして、そのケビン・コスナーが共演を熱望したのが、ドッジ役のポール・ニューマン。ニューマンが契約書にサインするや、コスナーは最高の笑顔を浮かべたという。
テリーサ役は、「フォレスト・ガンプ/一期一会」でゴールデングローブ賞にノミネートされたロビン・ライト・ペン。その他、「ディア・ハンター]、「ゴッドファーザーPARTIII」、「シン・レッド・ライン」などのジョニー・ランドなど。
まあ、彼女や奥さんと見るのが正解の映画でしょう。
日本公開は99/6/12。