End of Days

最終更新日:2000.2.7 JST

草模様

ネタばれ注意!!!

1999年ピーター・ハイアムズ監督作品(R) ユニバーサル配給 2時間2分

主演: アーノルド・シュワツネッガー & ガブリエル・バーン

ミレニアム前夜、悪魔が復活する。それを止められるのは、そうシュワちゃん、あなたしかいない!「エンド・オブ・デイズ

1979年、バチカン市国。夜空に輝く満月の上に、彗星がカーブを描いて飛んでいる。若き修道士トーマス・アキナスは、古い預言書の言い伝えどおりの前兆を天球に確認した。ローマ教皇に接見し、そのことを報告した彼は、人類の運命を左右する女の赤子の誕生を知らされた。呪われた存在であるその子が成長して世紀末を迎えれば、地上は破滅する―。教皇は何としても彼女を捜しだし、サタンの魔手から彼女を護るようトーマスに命じた。

20年後。1999年12月、ニューヨーク。ある夜ウォール街のエリート銀行マン(ガブリエル・バーン)が、高級レストランで得意先の夫婦と食事を採っている。トイレに立った彼に、正体不明の「影」 が襲いかかった。テーブルに戻った男は、席にもどるや夫婦の妻の方ににじり寄り、オッパイをもみながら人妻陶酔のディープキスをお見舞いする。そして彼が店を後にした瞬間、店は跡形もなく爆発した。1000年紀《ミレニアム》の終わりに闇の支配者サタンが姿を現したのだ。

ジェリコ・ケイン(アーノルド・シュワルツェネッガー)は元刑事だったが、妻子を無くした後、苦悩と悲しみを背負いながら民間の警備会社でVIP専門の身辺警護を担当していた。その朝同僚のシカゴ(ケビン・ポラック)と共に、何者かに脅迫されているというウォール街で商取引する株屋をガードしている最中にビルの屋上から狙撃を受ける。間一髪致命弾を免れた彼は、上空を警戒していたヘリに乗り込み狙撃犯を追う。そして追跡の末、地下鉄構内で追いつめた狙撃犯はなんと牧師だった。そして彼はジェリコに告げる。 「いざ千年の時は終わりに近づいた。 サタンが牢獄から解き放たれる」 と。

犯人を捕らえ、NYPDのフランシス刑事に引き渡したジェリコは、トンネル内での異常現象を報告するが、彼女から意外な事実を知らされる。犯人には舌がなかったというのである―ではジェリコが聞いた言葉は、誰が発したものだったのか?この不可解な事件の真相を突き止めるため、ジェリコは犯人に関する調査を始めた。

アパートを突き止め、忍び込んだジェリコとシカゴが目にしたものは、黒く塗りつぶされた部屋の中の、切り裂かれた聖母像、天使と悪魔が争う地獄絵図、壁になぐり書きされた「地は荒れ果てた。災いが地に下る」という謎の言葉、切り取られた舌、そして20歳ぐらいの若い女性の写真であった。その場に現れたフランシス刑事から、2人はさらなる事実を知らされた。犯人の名はトーマス・アキナス。18年前に渡米、6カ月前にダウンタウンのセント・ジョンズ教会から失踪した神父だったのである。トーマスが凶行に至ったその理由は何なのか?

アップタウンに住む20歳の女性、クリスティーン・ヨーク(ロビン・タニー)は度重なる幻覚に悩まされていた。ある日地下鉄に乗っていた彼女は、白子の浮浪者に付きまとわれその手を振り払った瞬間、その男はガラスのようにバラバラに砕け散った。精神科医の診断はストレスによるもので心配はないとのことだったが、彼女は心身共に疲れ切っていた。彼女の幻覚の原因は―?実はクリスティーンは、トーマスの部屋に貼ってあった写真の女性なのだった

そして、いよいよサタンはクリスティーンの元にやってくる。さらには、サタンの手に世界が落ちるのを防ごうとするバチカンの騎士集団も、またクリスティーンを亡き者にしようと狙う。危機一髪で駆け付けるジェリコ。

一旦は教会にクリスティーンの身柄を預けたジェリコだが、その元にサタンが現れる。サタンに協力すれば、ギャングに殺された妻と娘を返してやると。そして、おまえは俺と同類だと。

しかし、その誘惑をはね除けたジェリコは、危機一髪で死地を逃れると、教会に現れた騎士団に殺されようとしていたクリスティーンを間一髪で救うが、サタンに遂にクリスティーンを奪われる。

そして、ジェリコ最後の反撃が始まる。タイムリミットの新年まであと少し。果たして如何にして、ジェリコは世界を救うのか?

ギャングに妻と娘を惨殺された過去を持ち、そのトラウマから銃で頭を撃ちぬきたいという自殺願望の図は『リーサル・ウェポン』のメル・ギブソンのキャラと同じ。また、ダークなルックスで天井に磔にされた男の体に刻まれた暗号文(?)から「花嫁」を探る図は『セブン』と同じ。しかも、この暗号文が「CHRIST IN NEW YORK」(NYのキリスト)なのに、「CHRISTINE YORK」という「花嫁」の名に符号するとわかる設定は、スペルからいって都合のいいこじつけ。その他、最初にどうやってロビン・ターニーが生まれる病院をつきとめたのかも、分からないし、いい加減なところは沢山あり。

でも、最大の問題はキリスト教をある程度理解してないと、辛い。ヨハネの黙示録、最後の審判、千年王国、サタンの復活、悪魔崇拝、Ω、テンプル騎士団、聖痕、預言と異言、聖金曜日、十字架、ミカエル、ヨブ記、荒野の誘惑、西暦の由来……。こう云ったことを知ってると、楽しめるところは多いのでしょうが・・・

例えばロッド・スタイガー扮する神父が悪魔復活の年を獣の数字から導き出し、それを天体の運行と結びつけて「グレゴリウスは悪魔復活の年から逆算して現在の暦を作ったのだ!」とはすごい解釈。

また、有名な悪魔の印「666」(『オーメン』でお馴染)が実は逆さにした「999」が正解で、これに「1」を加えた「1999」が悪魔到来を示す暗号だと云う、未だかつて聞いたことのない「珍説」も。

まあ、はっきり云って、イマイチでした。はい。

日本公開は99/12/25。

草模様

ホームに戻る 前のページに戻る