The Prince of Egypt

最終更新日:1999.8.3 JST

草模様

ネタばれ注意!!!

1998年サイモン・ウェルズ監督作品(PG) ドリームワークス配給

声の出演: ヴァル・キルマー & レイフ・ファインズ

旧約聖書の出エジプトが伝えるモーセの物語が究極のスペクタクル・ロマンとなってミュージカル・アニメでスクリーンに甦る「プリンス・オブ・エジプト」

遠い昔、ナイル河のほとりに住み着いたヘブライの民たちは、今ではエジプト王(パトリック・スチュワート)の奴隷として、巨大な帝国の建設に駆り出されていた。神と交わした“約束の地”を夢見ながら、人々は過酷な労働に苦 しみ、うねりをあげて振り下ろされるムチにも抵抗のすべはなかった。

しかし、王は、このままヘブライの民が増え続け、やがて支配しきれなくなることを恐れ「生まれてきた男の子はすべてナイル河に投げ捨てよ」との命を下した。そんな時、1人の美しい男の子が生まれた。母親はその赤子を殺すに忍びなく、一計を案じ、籠に入れてナイル河に流す。「どうか、この子を自由の地へ」と祈りを込めて、母は別れの子守歌を唄う。男の子を乗せた籠は、やがて、宮殿の水浴び場へ流れ着いた。それを、女王(ヘレン・ミレン)が拾い上げ、モーセと名づけて自分の子として育てる。

時が過ぎた。モーセ(ヴァル・キルマー)は、王子としてたくましく育った。父王は、跡取りの王子ラメセス(レイフ・ファインズ)にも、モーセにも常に厳しく対したが、兄弟はどんな時も互いにかばい合った。ある時王はラメセスを新しい摂政の座につかせる。ラメセスはすぐさま弟モーセを帝国の首席建築士にすえ、その祝いに青く輝く指輪を与える。さらに、その祝宴で献上された女ツィッポラ(ミッシェル・ファイファー)を、ラメセスはモーセに譲る。モーセは、ツィッポラの気丈さと美しさに心魅かれた。

その夜、寝室から逃げ出したツィッポラに導かれるように村の井戸端へ出たモーセを、思いがけない運命が待ち受けた。そこで出会ったヘブライの女ミリアム(サンドラ・ブロック)が、自分を“弟”と呼んだのだ。ミリアムは兄アロン(ジェフ・ゴールドブラム)の制止も聞かずモーセに駆け寄り、「私たちを救うのは、あなただけよ」と訴えた。自分がエジプト王の子だと信じて疑わなかったモーセにとって、それは、まさに青天の霹靂だった。だが、その時、ミリアムが口ずさんだ子守歌が、モーセの遠い日の、かすかな記憶を呼び起こす。自分は奴隷の子。ヘブライの民…。モーセは混乱した。

それからというもの、モーセの世界は一変した。ある日自分と同じ血を持つヘブライの老人が、エジプト人にあまりに過酷にムチ打たれる姿を見たモーセは、老人を助けようとして誤って監視役を殺してしまう。その罪をかばおうとする兄ラメセスを振りきり、モーセは砂塵の中に姿を消 した。熱砂にあおられ、渇きにあえぎ、幾日も、モーセはただひたすら歩き続けた。そして、水を求めて行き着いたところは、砂漠の遊牧民ミディアン族の集落。そこでモーセは、あの時宮殿から逃げ出したツィッポラと再会する。ツィッポラの父で、この集落の司祭長エトロ(ダニー・グローバー)もかつて娘を見逃してくれたモーセと歓待する。モーセはそのままそこに住み着きやがて、ツィッポラとの愛を実らせた。モーセは、日の光を浴びて羊を追う、心穏やかな日々に満足していた。

そんなある日、一匹のヤギを追って洞穴に入ったモーセは、不思議な光景を目撃する。柴が炎に包まれ、燃えている。そして、どこからともなく、モーセを呼ぶ声が聞こえる。「私は神。私の民がエジプトで苦しめられている。行って救い出し、乳と密にあふれた豊かな土地へ導け」と声は言った。声と炎が消えると、そこには一本の杖が残った。

神から授かった杖を手に、モーセは愛するツィッポラと共にエジプトを目指した。その頃、エジプトでは、かつて兄と慕ったラメセスが、王として君臨していた。ヘブライの民を自由に。もちろん、ラメセスは、その訴えに、そう簡単にうなずくわけにはいかなかった。杖をヘビに変え、 神の威光を示すモーセ。ラメセスも宮廷に仕える魔術使いの司祭長ホテップ(スティーブ・マーチン)とホイ(マーティン・ショート)に命令し、暗闇から物の怪を登場させる。もはや、兄弟の契りはなかったもの。モーセは片時も離さず身につけていたあの青い指輪をラメセスに返す。

川の水を血に変え、カエルや虫を異常発生させ、家畜を疫病で殺し、人を腫れ物で苦しめ、雹を降らせ…それからは、モーセの行う奇跡で、エジプトの地はみるみる荒廃していった。さらに、神は「すべての初子を打つ」と告げた。その夜死の天使が街中を徘徊し、エジプト人の家の長男は1人残らず死んだ。ラメセス王の幼子も例外ではなかった。だが神の約束通り、子羊の血を塗ったヘブライ人の家だけは難を免れたのだ。この悲惨な出来事に、ついにラメセスも折れ、長年、支配してきたヘブライの民を解放した。

恐怖に満ちた暗い日々に終わりを告げ、人々は“約束の地”を目指して歩き始めた。モーセに続くのは、実の兄アロン、姉のミリアム、そして、何十万ものヘブライの民。エジプトを出るのだ。自由になるのだ。しかし、一行が海までたどり着いた時、地平線の彼方に、王の軍が砂塵を舞いあげて迫ってくるのが見えた。前は海、後方は軍隊。ヘブライの民は絶対絶命の窮地に陥った。だが、モーセは落ち着きを失わず、天に向け、高々と杖を掲げると、その杖を振り下ろして海に突き立てた。その時だ。轟音と共に海が割れ、海水が壁となってそそり立った。ヘブライの民は、今、神が海の中に現した奇跡の道を、自由の天地へ向かって渡って行った。

ホイットニー・ヒューストン&マライア・キャリーの歌でアカデミー主題歌賞受賞。

う〜ん、宗教物についていくのは難しい・・・。

日本公開は99/7/24。

草模様

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