最終更新日:1998.5.16 JST
1997年テイラー・ハックフォード監督作品(R) ワーナーブラザース配給
主演: キアヌ・リーブス & アル・パチーノ
アル・パチーノ演じる悪魔に誘われる弁護士をキアヌ・リーブスが熱演「ディアボロス悪魔の扉」
いまだかつて、裁判で負けたことがない優秀な弁護士ケヴィン(キアヌ・リーブス)。セクシャルハラスメントで訴えられている被告人の弁護を巧みにこなし、見事に被告人無罪の判決を勝ち取る。しかし、弁護の途中に被告の有罪を確信しつつ、負けないことの誘惑に、無罪を勝ち取った彼は、釈然としない気持を抱いている。
そんな彼に、ニューヨークから突然の訪問者が訪れる。そして彼は、フロリダからニューヨークに移り住み、ジョン・ミルトン(アル・パチーノ)のもとで弁護士としての活動を続けることになる。
ミルトンは、ケヴィンと彼の最愛の妻メアリー(チャーリズ・セロン)を、ニューヨークで温かく迎える。そして、ケヴィンへの最初の報酬として超高級マンションを与える。裁判で勝つこと以上に、弁護士としての野心に目覚めるケヴィン。しかし、それがメアリーを精神的に追い込む原因になるとは。
ケヴィンとメアリーはミルトンの事務所の管理部長エディー(ジェフリー・ジョーンズ)の主催するパーティーへ出かける。ケヴィンに、パーティーでは常に自分と一緒に居てくれるように懇願するメアリーに快く応じたケヴィンだが、会社の同僚になった美女を追い掛けてバルコニーへと消えていく。その間に、ミルトンに暗示をかけるような口調で、ヘアースタイルを変えて見せてくれと頼まれるメアリー。そして、彼はパーティの途中でミルトンに呼び出され、メアリーは1人で帰るはめに。
一方、ミルトンのもとに呼び出されたケヴィンには、大きな仕事が待っていた。3人の殺人で起訴された不動産家アレキサンダー(クレイグ・T・ネルソン)の弁護依頼。ケヴィンには、ミルトンの本意が掴めない。しかし、彼の弁護士としての野心は、その弁護依頼を欲している。
フロリダでの生活とは違い、24時間家で過ごすメアリー。一日することいえば、ケヴィンの帰りを待つことだけ。今までは、ケヴィンと対等に付き合えていたのに。そんな彼女に妙な幻覚が。
メアリーの病気を気遣うミルトンは、アレキサンダーの弁護士を降りるようケヴィンに薦めるが、彼は、"裁判に勝ち、そして妻の看病をする"と主張。そして彼は、途中でアレキサンダーの有罪を確信しながらも、また無罪を勝ち取る。ミルトンに自分で決めろと云われて、決めた結果であった。
裁判が終わった彼を待つのは、アパートを裸で逃げ出したメアリーだった。彼女は、彼の裁判をミルトンが傍聴していた時間に、彼に犯されたと主張。そして、彼女の体には無惨な傷跡が。彼は彼女を病院に入院させることにする。狂ってないと主張するメアリー。
そして、メアリーの看病にやって来たケヴィンの母(ジュディス・アイヴィ)は、突然父親の秘密を打ち明けようとしたとき、メアリーは自殺を図る。されを閉ざされたドアの外で阻止しようとするケヴィン。しかし・・・
そして、母親から父親の話を聞いたケヴィンは、ミルトンの元に乗り込む。彼は一体どうするのか。彼も悪魔になってしまうのか。
原題は直訳すれば「悪魔の代弁者」といった意味。現代社会でもっとも悪魔に近いのは、悪党を救ってのさばらせておく弁護士であり、法律こそが悪魔の聖典だというのが、この映画のひとつのテーマ。邦題の『ディアボロス』というのは、イタリア語で「悪魔」の意味。
ケヴィンを演じるキアヌ・リーブスは、久しぶりにきりりと締った男っぽさを見せます。また、ベテラン俳優アル・パチーノも名演技で応じます。いやあ、2人ともかっこえかったです。
まあ、キリスト教に縁の薄い方には、正直云ってピンと来ないところもありますが、キアヌのいい男振りと、パチーノの演技は見ごたえはあります。
日本公開は98/4/18。