最終更新日:1998.4.1 JST
1997年ジェームス・マンゴルド監督作品(R)ミラマックス配給
主演: シルベスター・スターローン & ロバート・デ・ニーロ
スターローンが演技派として再起をはかる「コップランド」
ハドソン河をはさみマンハッタンを臨むニュジャージー州ギャリソン。住人のほとんどがNYPD(ニューヨーク市警)に勤める警官たちというこの町は、「コップランド」と呼ばれていた。人望厚いベテラン警官のレイ(ハーヴェイ・カイテル)を中心に形成された結束の固いコミュニティ。そこは、世界のどこよりも安全で平和な町であるかのように見えていた。
事件は深夜のジョージ・ワシントン橋で起こった。レイの義理の甥の警官バビッチ(マイケル・ラパポート)が、暴走車の少年たちを誤って射殺してしまったのだ。刑務所入りをおそれた彼は、投身自殺を装って、レイの元に隠れる道を選ぶ。だがその姿は、数日後、ギャリソンの町の保安官フレディ(シルベスター・スタローン)に目撃されてしまった。
のんびり屋で心優しいフレディーは、対岸のNYPDへ憧れながら、少年時代に溺れかけた初恋の少女を救った時に片耳が聞こえなくなり、その夢は捨てた男。今は、スピード違反の取り締まりくらいしかやることのない保安官職に甘んじている。おまけに、初恋の女性(アナベラ・シオラ)は別の男と結婚……と、グッド・ラックから完全に見放されたフレディは、負け犬人生をまっしぐらに歩んでいる。
世論の同情を集めるバビッチ事件に対して、警察の内部調査局が動き始めた。ギャリソンを訪ねた調査官のモー(ロバート・デ・ニーロ)は、「真実を話してくれ」とフレディに協力を要請する。しかし、レイを敵にまわし、ひいては町全体を敵にまわすことを恐れたフレディは、バビッチの生死について頑なに口を閉ざした。
そのバビッチが、フレディの元に現れた。彼をかばいきれなくなったレイと仲間たちに殺されかけたというのだ。意を決したフレディは、モーに協力しようとマンハンタンを訪れる。
しかし、市長命令で捜査は打ち切りになったと、モーは冷たく言い放つ。帰り際、モーたちが集めた証拠のファイルを手にするフレディ。そこには、「コップランド」の成り立ちに関する驚くべき事実が書かれていた。
フレディーは、自分が憧れたNYPDの警官を追いつめることへ戸惑いつつも、町を救う使命感に燃え、失っていた自尊心を取り戻すべく立ち上がる。
シルベスターローンが抑えきった演技で、演技派への転身を計ります。
日本公開は98/2/28。