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最終更新日:1998.3.31 JST

草模様

ネタばれ注意!!!

1997年ロバート・ゼメキス監督作品(PG) ワーナーブラザース配給

主演: ジョディー・フォスター

原作: カール・セーガン

ロバート・ゼメキス監督(「フォレスト・ガンプ/一期一会」)待望の新作で、天文作家カール・セーガンのベストセラーを基に、地球外知的生物との接触をジョディ・フォスターの主演で描いた「コンタクト」

女性天文学者エリー・アロウェイ博士(ジョディー・フォスター)は、早く母をなくし父(デイビット・ムース)に男手ひとつで育てられたが、その影響で、アマチュア無線を始めた。そして、見も知らぬ遠くの街の人々と話す喜びは、知らないところとコンタクトすることにつながり、それはやがて宇宙にまで広がっていった。そんなある日、流れ星を天体望遠鏡で見ようとしていたときに心臓病だった父も倒れ、帰らぬ人となった。

エリーはそのまま天文学者への道を進み、地球外生命体との交信を夢見て、目の不自由なケン(ウィリアム・フィットナー)などの助けを得て、宇宙からの電波を傍受することで地球外生命を確認しようとしているが、エリーの上司、ドラムリン博士(トム・スケリット)は彼女の研究を認めず、研究は打ち切られる。学会からも非現実的なテーマだと嘲笑され、新しい援助はなかなか思うように受けられなかったが、大富豪ハッデン(ジョン・ハート)に認められ、ニューメキシコの砂漠に設置されている27基の円盤型電波望遠鏡(VLA)を利用し、観測を続けることができた。そんな孤立無援の彼女を周囲は「砂漠の巫女」と呼んでいる。

そんなある日、その援助も打ち切られるかという瀬戸際に、遂に受信機は地球外、恒星ヴェガからの、明らかに人工的なものと判断される信号をキャッチした。信号は言語に関わらずどんな世界でも普遍の素数を順番にカウントし続けていた。その解析は手間取ったが、ハッデンのアドバイスでその解法が判明、なんとそれは宇宙船と思えるような設計図であることが分かった。

海のものか山のものか分からない物であり、作るべきかどうかの議論がクリントン大統領も含めて議論される。その議論の場でエリーは、かつて苦しい時代に知り合い、お互いに心引かれながらも別れたパーマー・ジョス(マシュー・マコノヒー)と再開する。そして、以後パルマーは、米大統領の宗教顧問として、宇宙船製造計画プロジェクトに共に加わり、宇宙船への搭乗選考なども含めて、エリーの恋人として、心の支えとなる一方、諮問会では、するどい質問を浴びせるなど、重要な役割を果たす。

「神がいると言うなら、その証拠が必要よ」と言い張る無神論者エリーに、パーマーはこう切り返す。「君は亡くなった父親を愛しているといった。その証拠を見せろ」。エリーはこれに答えることが出来ない。

政府レベルで行われる移動装置の乗組員選考では、「神を信じない」と発言したエリーは落選してしまう。そして乗員にはエリーとことごとく対立していたドラムリン博士が決定、打ち上げ準備に入るが、宗教家と名乗る狂信的テロリストによって、ポッドは破壊され、ドラムリンも犠牲となってしまう。

計画は費えたように思われたが、寿命を少しでも伸そうとして宇宙船ミュールで生活しているハッデンのサポートによって、密かにバックアップの装置が日本の北海道に作られており、遂にそれは完成する。幼い頃から夢見た異星人とのコンタクトを果たすべく、エリーは愛するパーマーとも別れを交し、宇宙船に乗り込む。果たしてどのようなコンタクトが果たされるのか・・・

単なるSFではなく、かつて世界中にコスモス・ブームを巻き起こした天文学者であり啓蒙家であった故カール・セーガン博士の原作は博士の幅広 い博識と見識に裏付けされており、その原作の主題、世界観、それに込められた博士の希望といった核に当たる部分は忠実で丁寧に映像化てされており、人間と宗教或いは人間と科学との関係を真正面から取り上げた社会派ドラマにもなっている。また、原子模型のような形の巨大な移動装置は圧巻。ただ、北海道でエリーが滞在するホテルの部屋や、基地で警備を担当する日本人など、日本人にとっては、もう少し何とかしてよと云いたくなる場面もあり。

「2002年宇宙の旅」に匹敵するような、映画史に残る名作になりかも?上映時間は長いですが、大変見ごたえのある秀作です。じっくりと映画というものの良さを味わいたい方には、絶対にお勧めです。

日本公開は97/9/13。

草模様

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