最終更新日:1998.10.23 JST
1997年リチャード・ドナー監督作品(R) ワーナーブラザース配給 2時間15分
主演: メル・ギブソン & ジュリア・ロバーツ
メル・ギブソンが妄想癖のあるタクシー運転手を演じるサスペンス・スリラー「陰謀のセオリー」
ジェリー・フレッチャー(メル・ギブソン)は、ニューヨークのタクシー運転手。この世には様々な陰謀が渦巻いていると信じ、客に向かって憑かれたように自説をしゃべりまくる彼は、どう見ても偏執狂にしか思えない男だった。タブロイド誌をにぎわしているような、世にも恐ろしい世界的陰謀の実態をジェリーは得意げに客たちに披露している。曰く「ブッシュはフリーメーソンの幹部で元CIAの長官だ」とか「ベトナム戦争は、ハワード・ヒューズとオナシスの賭けで始まった」などなど。聞いていても苦笑するしかないような話なのだが、本人は大真面目。
彼は要塞のようなマンションに戻っては、新聞記事を丹念にスクラップし、独自の統計項目に照らし合わせては、新たな「陰謀説」を再生産して行く。最新の陰謀は、NASAによるスペースシャトルと地震兵器を使った大統領暗殺計画。が、あるとき彼の妄想が現実になる日がやってくる。タイムズスクェアの通りで、ジェリーは正体不明の男たちに拉致されてしまったのだ。
拷問をうけ、車椅子に縛られたまま脱出したジェリーは、司法省の弁護士アリス・サットン(ジュリア・ロバーツ)のもとに向かった。以前、暴漢に襲われたところをジェリーに助けられたことのあるアリスは、これまでも司法省を訪ねてきたジェリーがまくしたてる「陰謀説」に耳を貸してやっていた。彼女はジェリーの話を真に受けていたわけではなかったが、病院に収容されたジェリーが、FBI捜査官ラウリー(キルク・カザート)とCIAの精神科医ジョナス博士(パトリック・スチュワート)に追われるのを見て、ただならぬものを感じる。
ジェリーが「陰謀説」をメーリング・リストに送っていたと知り、購読者の調査をはじめるアリス。5人の購読者のうち4人は、ここ数日で謎の死をとげていた。そして5人目の購読者は……。彼と接触したアリスは、驚くべき事実を知らされる。
アリスは父親が殺された事件を追い続けていたのだが、なんとその犯人がジェリーだとジョナス博士から知らされる。彼はアリスに「すべての秘密を言おう」と種明かし。「MKウルトラ計画」と言っただけで、ジュリーは「あれは73年で終わった」と合いの手を入れる。その計画とは、人を洗脳して殺人者に仕立てるもので、ジュリーも実験台のひとりだったと。アリスは真実を突き止めるためジュリーと行動をともにするが、かすかな記憶を辿るジュリーが思い出した事件の真相とは。
イマイチしんどい映画でした。
日本公開は97/11/1。