X-men

最終更新日:2002.10.24 JST

草模様

ネタばれ注意!!!

2000年ブライアン・シンガー監督作品(G) 20世紀フォックス配給 1時間44分

主演: ヒュー・ジャックマン & パトリック・スチュワート

200X年、人類は新たな「差別法案」の立法化をめざしていた。今、人類の未来と進化をかけ 新たな戦いが始まる―「X-メン」

ミュータント。憎悪と偏見が蔓延する世界で、彼らは奇形種とみなされ、人間達から忌み嫌われるアウトサイダーにならざるを得なかった。彼らを必要以上に敵視する者の中には、極端な弾圧的戦略と法律で、ミュータントの危険性を暴露しようとするケリー上院議員(ブルース・デイビソン)のような人物もいた。

いましも、ケリー上院議員の開いた公聴会で、自らもミュータントであるジーン・グレイ(ファムケ・ヤンセン)が、ミュータントについて冷静に説明していた。ミュータントは脅威をもたらす存在ではなく、人類全体のさらなる躍進の手がかりになると彼女は力説するが、議長であるけりは恐怖心をあおる反論をまくしたて、すべてのミュータントに登録を義務づける「ミュータント登録法案」の必要性を主張するのだった。

この様子を傍聴席で聞いている車椅子に乗った初老の男性こそ、ジーンの師であり、最強のテレパシー能力を持つエグゼビア教授(パトリック・スチュアート)だった。このままではほうは成立への道を進むだろうと暗い予感を覚えたエグゼビアが廊下に出ると、そこにはかつての仲間で磁界を操るマグニートー(イアン・マッケラン)の姿があった。人類とミュータントとの共存に希望をもつエグゼビアに対し、マグニートーはミュータントが地球の新たな支配者になるべきだと信じていた。

場面は代わり、ある田舎町。夢を語る少女。ボーイフレンドとのキス。しかし、突然もがき苦しむボーイフレンド、驚きパニックを起こす少女・・・

そして、また場面は代わり、カナダ、アルバータ州。雪の降る国道沿いのバーで、賭けファイトで金を稼ぐ野性動物じみた男ローガン(ヒュー・ジャックマン)に出逢った少女ローグ(アンナ・パキン)。触れた相手の生命力を奪い取るという自分の能力に目覚めたばかりの彼女は、家族や恋人にも触れられないことを悟り、家出して各地を放浪していた。

成り行きで同行することになった二人だが、ローグが同じミュータントであるローガンに親近感を感じたのもつかの間、道に倒れていた大木に車が激突。さらに毛むくじゃらの巨漢が襲ってきた。マグニートーの手下の怪力男セイバートゥース(タイラー・メイン)である。その窮地を救ってくれたのが、エグゼビア教授が派遣した両目から破壊光線を出すサイクロップス(ジェームズ・マーズデン)と天候を操るストーム(ハル・ベリー)の二人だった。ローガンが意識を取り戻したのは見知らぬ場所。そこはミュータントの子供の学校であると同時に、エグゼビア(=X)の夢のために戦うX-メンたちの本拠地だったのだ。

エグゼビアは地下の研究所を案内しながら、マグニートーととの確執などを説明してくれるが、学校に入ったローグに比べ、全く興味を示さないローガン。一匹狼の性分なのだ。しかし、2日間だけとどまって、何故マグニートーが君を襲ったのか調べたいというエグゼビアの申し出を受け入れるローガン。やがて、過去の記憶を失っているローガンの武器のかぎ爪ばかりか骨全体がアダマンチウムという幻の最強金属で被われているのが判明する。これは人為的な物なのか?何故?誰が?記憶がない。自分は何者なのか?そして、”謎の解明”と”マグニートーの行動目的調査”と云う交換条件がローガンに出される。 

一方ニューヨークでは、ミュータントに関する決議がなされる世界的なサミットが開催されることに。しかし、会場に向うケリー上院議員がマグニートーの部下で側近に変身したミスティーク(レベッカ・ローミン=ステイモス)とカエル男トード(レイ・パーク)によって誘拐される。そして、マグニートーの隠れ家で、彼の巨大な機械が発生させた強力な磁場と光線によって、ケリー議員は無理矢理ミュータントに変えさせられてしまう。一体、マグニートーはどんな計画を進めようとしているのか?

そして、自由の女神の内部で、最後の戦いが繰り広げられる。人類の行く末はどうなってしまうのか!!!

アメリカン・コミックの世界を映画化する際にビッグ・スターを起用すると、原作のイメージがぶち壊しになることが多い。例えば『バットマン』シリーズのミスター・フリーズにシュワルネッガーとか、無理なキャスティングも目立った。マーヴェル・コミックの発行人を経て、マーヴェルメディアの名誉会長兼マーヴェル・コミックスの編集委員となったスタン・リー、マーベル・スタジオの社長アヴィ・アラドが製作総指揮に参加している『X−メン』は原作のムードを損なわないよう心がけられている。

善と悪の親玉にパトリック・スチュワートとイアン・マッケランというベテラン俳優を配し、白熱した演技合戦が荒唐無稽な物語を引き締めている。謎めいた過去を持つヒーロー、ウルヴァリン(ローガン)役にはダグレイ・スコットがキャスティングされていたが、『Mi:2』の撮影が長引いて出演不可能となり、急遽オーストラリア出身のヒュー・ジャックマンが起用された。ジャックマンの野性的な魅力が存分に生かされている。VFXシーンの鮮やかさは言うに及ばず。超能力ウォーズを背景にしながら、登場人物の内面のドラマにまで踏み込んでいる。このあたりはブライアン・シンガー監督のこだわりなのかもしれない。

結構見られるかも^_^

日本公開は00/10/7。

草模様

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