最終更新日:1998.3.20 JST
1997年オリバー・ストーン監督作品(R) ソニー・ピクチャーズ/トライスター配給 2時間5分
主演: ショーン・ペン & ジェニファー・ロペス
オリバー・ストーン監督の新作、荒廃と悪意の町からの脱出「Uターン」
現金をバックに詰め、賭博生活の借りを精算するためにラスベガスに向かうボビー(ショーン・ペン)。ロシアマフィアのコネクションを得た彼にはもう怖いものはない。心も軽く64年型ムスタングを走らす彼だが、なんとアリゾナの砂漠の真ん中で車が壊れてしまう。これが不幸の始まりだった。
幸いにも何とか辿り着いた田舎町で、修理工場を見つけるが、そこから出てきたのは如何にも頼りなさそうな修理工のダレン(ビリー・ボブ・ソーントン)。しかし、これ以上、車を走らせるのは無理。やむなくダレンに修理を依頼したボビーは、車が直るまでの間の時間潰しに町に出る。
そこで彼が出会ったのは、美しいグレース(ジェニファー・ロペス)。彼女に誘われるまま、彼女の住む町外れの豪邸へと向かう。グレースの「何が欲しいの?」という問いかけに、抱き着くボビー。しかし、ちょうどそこに帰ってきたのが、グレースの夫の、町の有力者ジャック(ニック・ノリス)。二人がキスをしているのを見たジャックは、いきなりボビーを殴りつけ、ボビーは豪邸から逃げ出す。
町に向け炎天下を歩き出すボビーに声をかけてきたのは意外にもジャック。町まで車で送ったジャックは、なんとグレースを殺して欲しいと。断るボビー。だが、マーケットに入ったボビーは強盗に出くわし、その騒ぎで彼の持っていた現金は穴だらけに。
町を逃げ出そうとするボビーだが、修理工場に戻ると車は滅茶苦茶に。手持ちの現金以上の修理費が、戻すためには必要と開き直るダレン。ラスベガスの借金取はすでにこの町に向かっている。どうしても逃げ出さなければならない彼は、こうなるとジャックの依頼を引き受けるしかない。
しかし、誘い出したグレースが言い出したのは、思わぬ依頼。ジャックを殺して欲しいと。迷うボビー。なけなしの金で、この状況から逃げ出そうとして買ったバスのチケットも、カフェであった女性の嫉妬深いボーイフレンドに食べられてしまい、もはや絶体絶命。
豪邸に忍び込む彼は、果たしてどちらの依頼を引き受けるのか・・・そして、彼はこの町から逃げ出せるのか・・・
先の読めない展開、性欲、殺人、裏切り、そしてブラックユーモアが一杯のスリラー映画。撮影に42日間、総製作費が2,000万ドルと最近のハリウッド映画にしては考えられないような短期間、低製作費で仕上げられているそうです。
う〜ん、へんな映画でした。
日本公開は98/6/13。