最終更新日:1998.3.25 JST
1997年ロジャー・スポティスウッド監督作品(PG-13) MGM/UAピクチャーズ配給
主演: ピアース・ブロスナン & ミシェル・ヨー
『ポリス・ストーリー3』のミシェル・ヨーが、ピアース・ ブロスナン演じる5代目ボンドの相棒となって大活躍を見せるシリーズ第18作「テュモロー・ネバー・ダイ」
中央アジアの山中。テロ集団の武器市場が開かれている。そして、それをモニターし、全滅すべくミサイルを放つ、連合政府共同軍。しかし、ミサイルが放たれた後に、モニターに映ったのは、なんと核ミサイルを搭載した戦闘機。しかし、ミサイルはすでに制御不能。もはや核ミサイルの爆発は目前と思われたとき・・・
核爆発の危機を救うのは、この人しかいない。そう、「マイネームイズボンド」で、お馴染のジェームズ・ボンド(ピアーズ・プロスナン)。ミサイル命中寸前、核ミサイル搭載戦闘機を盗み出し脱出。さらに、戦闘機内で後部席からワイヤーロープで首をしめられながらも、追尾する戦闘機を交し、逆に一石二鳥で危機を切り抜ける。
お馴染のタイトル前アクションの後は、場面は変わり南シナ海。中国の領海を侵した英国艦デヴォンシャーが、中国側ミグ戦闘機の魚雷攻撃を浴び、沈没する事故が起こる。第三次世界大戦勃発の危機に色めきだつ英中の首脳陣。だがその事故は、世界に名だたるメディア王エリオット・カーヴァー(ジョナサン・プライス)が、米国の暗号解読機と通信衛星を利用して仕組んだものだった。メディアによる世界征服を狙う彼は、自ら引き起こした惨劇のニュースをいちはやく報じることで、その目的を遂げようと企んでいたのだ。
事件の背後にカーヴァーの陰謀をかぎつけた英国情報部MI6のM(ジュディ・デンチ)は、部下ボンドを、ハンブルグで行われるカーヴァーのパーテ ィに潜入させる。実はボンドには、カーヴァーの夫人パリス(テリー・ハッチャー)と恋仲だった過去があった。再会をきっかけに再燃するふたりの関係。ボンドのホテルを訪れたパリスは、カーヴァー社の最上階に秘密の研究所があることを教える。そこに潜入したボンドは、暗号解読機を盗み出すことに成功するが、裏切りが夫にバレたパリスは命を落とす。
暗号解読機を持って南シナ海の米海軍基地を訪れたボンドは、デヴォンシャーが解読機によって位置を錯覚させられていた事実を知る。CIAの協力でデヴォンシャーの沈没場所をつきとめた彼は、1万3千メートル上空から海中にダイブ。沈没した艦内から、一基のクルーミサイルが盗まれたことをつきとめる。
そのとき、ボンドの背後にもうひとりのダイバーが。ハンブルグの研究所でもボンドと鉢合わせした彼女は、中国国外保安隊員のウェイ・リン(ミシェ ル・ヨー)だった。格闘を演じたすえ、沈没船内に閉じ込められた格好になったふたりは、協力して海上へ浮上。だが、そこにはカーヴァーの手下の殺し屋スタンパー(ゴッツ・オットー)が待ち受けていた。ヘリでサイゴンに運ばれたふたりは、高層ビルの最上階のカーヴァ-のオフィスに連行される。
しかし、ボンドはボンド。手錠でつながれたままのふたりは高層ビルの上から、垂れ幕を利用して脱出。さらに、バイクでサイゴンの貧民街を、屋根も走って逃げ回り、やがては追走するヘリコプターをも墜落させる。
カーヴァ-の野望を阻止すべく、彼らの戦艦の忍び込むふたり。しかし、彼らの潜入はカーヴァ-たちに感知される。危うしボンド。二人の運命はいかに・・・
今回も話題になる007発明グッズは、Q(今回はレンタカー屋のオヤジで登場)がハンブルグの空港でボンドに渡す多機能携帯電話。スタンガンと指紋照合機能、さらにBMWの自動操縦装置が搭載されている。ハンブルグのアトランティック・ホテルの駐車場で襲われたボンドは、リモコンで動かしたBMWの後部座席の窓から車内に飛び乗り、後部座席からタッチパッドでハンドルを操りカーチェイス。笑わせながら見せます。(私はハンブルグに住んでたので、とても懐かしかったです。)
また、サイゴンの街の逃亡劇は、まるっきりジャッキー・チェンの香港アクションそのままというところ。また、最初、バイクの後部座席から二人羽織でクラッチ操作を担当していたリンが、後方の追手をボンドに知らせるべく、ちょっとセクシーなだっこスタイルになってピンチを切り抜けていく、そんなアクションの組み立てもうまくできてます。
ミシェル・ヨーはジャッキー・チェンに「女性は戦うべきでない。ミシェル以外はね」と言わせたほど、見事な武技の持ち主だそう。「朝起きたらベッドの中でストレッチ、歯磨きをしながらスクワット。ローションをつけた後で腕立て伏せ、 読書中やテレビを見ながらは腹筋を鍛える」だそうです。体を鍛えたいけど、時間がないという方は、見習ってはいかが?
まあ、007映画は007映画です。決まりきった話が嫌いな人はダメでしょうが。
日本公開は98/3/14。