Shall we ダンス? 

最終更新日:1998.3.4 JST

草模様

ネタばれ注意!!!

1996年周防正行監督作品(PG) アルタミラピクチャーズ(日本)/ミラマックス(US)配給 2時間16分

主演: 役所広司 & 草刈民代

原案・脚本: 周防正行、主題歌: 大貫妙子

1996年日本アカデミー賞の主要部門を全て制覇し、その他各賞も総なめにしてきた「Shall we ダンス?」が、いよいよUSでも公開

28で結婚、30で子供が生まれ、40を過ぎて郊外に念願の家を買って、妻と中学生になる娘に囲まれた家庭生活。会社では経理課長として順調に地位も上がっており、不満などあろうはずもない。そんな43歳になる杉山(役所広司)だが、なにか物足りないものを覚えていた。

そんな彼がふと気を引かれたのは、毎日定時帰宅の通勤電車の途中停車駅で、電車の窓から見上げた社交ダンス教室の窓際にいつも立ち、ものうげに外を眺める舞(草刈民代)の姿。彼女への憧れを強くした杉山は、見学自由という言葉に押されて、途中下車でダンス教室に出向き、何故か入会する羽目になってしまう。

ダンスの好きな奥さんを見返すために入会したという大阪弁のおっさん(徳井優)と糖尿病で医者に体にいいからと勧められて入会した田中(田口浩正)とのグループレッスンを受け持ってくれたのは、当てがハズレてタマコ先生(草村礼子)ではあったが、いつか舞とと思いながら毎週1回のレッスンに精を出す。会社の同僚でウィンドウズも使えないシステム情報課員と陰口をたたかれる青木(竹中直人)と出会ったのは全くの予想外で、いつもは目立たない彼がウェービーなカツラをかぶり、腰をクネクネさせながら踊っているのに驚く。

次第にステップにも慣れ、青木とダンスホールに顔を出し、タマコ先生と踊ったり、共同練習会で見知らぬおばさんと踊ったり、いつしかダンスに夢中になって行く杉山。でも、会社でも家庭でもそんな話は一切出来ない。そんな杉山に不信を抱いた妻(原日出子)は、杉山が浮気しているのではと心配し、探偵の三輪(柄本明)を雇う。そして、探偵社の調査の最中、タマコ先生の代理で舞にレッスンをつけてもらう。そして、その勢いで舞の帰りを待ち受けて食事にまで誘うが、私が目的ならダンス教室に来ないで欲しいというきつい言葉と共に見事に断られてしまう。その様子は隠して、ダンスに単に通っているだけで、もうすぐ覚めるでしょうと報告をする三輪。

しかし、杉山は一旦は落ち込むが、それを振り払うようにレッスンにのめり込んでいく。そんな杉山を見たタマコ先生は女手ひとつできつい仕事をこなし娘を育てながらもダンスが大好きでパワフルな踊りで東関東アマチュアスポーツダンス大会出場をめざす豊子(渡辺えり子)とペアを組んでの大会出場を勧める。同じく大会出場を目指して、ペアーになろうとした女性に、手ひどい断られ方をして、その復讐に燃え、普段中の悪い豊子とのペアを希望する青木とパートを分けて、大会出場を決めた杉山。そして、タマコ先生に頼まれてそのサポートを頼まれた舞。大会を目指して猛特訓が続く中、舞もその姿に心を動かされていく。「最初は不純な動機だったけど、今はダンスに夢中。あなたと一度でいいから、ダンスを踊ってみたいと思うようになった。」杉山の告白を素直に聞く舞。そして、舞もダンスの最高峰の大会ブラックプールで幼い頃に見たダンスの話を、そして彼女がダンスを始めた訳を話してくれるようになる。

そして、遂に大会の日。最初の種目で、ペアーを断れた女性のペアーに、かつら攻撃を受け、次の種目ではかつらを取って踊り、見事に予選追加を田中ペアーと共に果たした青木の後を受け、いよいよ杉山の出番。何故か仕事でもないのにずっと杉山の姿を見守っていた三輪も、そして彼に教えられた杉山の妻と娘も会場に。彼の運命はいかに。果たして晴れて、舞と踊ることが出来るようになるのか・・・

日本で絶賛のこの作品は、アメリカ人達にも大変好評のよう(竹中のダンス場面はいつも大爆笑でした。でも、彼が国民的人気の歴史ドラマの主人公やってたと聞いたら、驚愕かも?^_^)で、アカデミー賞外国語賞の下馬評にも上がっている。「フェノミナン」のジョン・タートルタブ監督で、リメイクも作られるとか。私としては、同世代としては、満たされない感とか、家庭での会話のなさとかに、全然共感できないのではありますが、作品としては問題なく、絶賛、お勧めの1作です。

日本公開は96/1。米国公開は97/7/11。


第20回日本アカデミー賞

最優秀作品賞:Shall we ダンス?

最優秀監督賞:周防正行

最優秀脚本賞:周防正行

最優秀主演男優賞:役所広司

最優秀主演女優賞:草刈民代

最優秀助演男優賞:竹中直人

最優秀助演女優賞:渡辺えり子

優秀助演女優賞:草村礼子

最優秀音楽賞:周防義和

最優秀撮影賞:栢野直樹

最優秀照明賞:長田達也

最優秀美術賞:部谷京子

最優秀録音賞:米山靖

最優秀編集賞:菊池純一

新人俳優賞:草刈民代

草模様

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