最終更新日:2003.2.15 JST
2002年ロビン・バッド監督作品(G) ブエナビスタピクチャーズ配給 1時間12分
声の主演: ハリエット・オーウェン & ブレイン・ウィーヴァー
ピーターパンがこの世に誕生してから100年。世紀を越えてなお、人々はネバーランドを求めて止まない。そこは無垢な魂が遊ぶ永遠のユートピア。そして、心が《夢》を忘れたとき、あの少年は帰ってくる。妖精の魔法の粉をまとい、軽やかに時空を飛び越えて・・・。「ピーター・パン2/ネバーランドの秘密」
あれから20年以上は経っただろうか。第2次世界大戦中のロンドン。ジェーン(声:ハリエット・オーウェン)は母のウェンディ(声:ケイス・スーシー)の娘時代にそっくり。弟ダニー(声:アンドリュー・マクドノウ)はとても甘えん坊。父エドワード(声:ロジャー・リース)と平和に暮していたが、ある日父の元に届いたのは召集令状。父が残した言葉は、「母さんと弟のことを頼んだよ」。
戦争は続く。子供たちは強制的に爆撃の続くロンドンを離れなければならない。疎開をいやがるジェーンだが、ウェンディは、その間自分に代わって、ダニーにピーター・パンの話をしてやってね、と頼む。だが、父の残した言葉、弟だけでなく母を守らなければならないジェーンは、ピーターパンなんてウソの話、そんなバカ話なんて出来ない、と・・・
泣いて眠った弟、雰囲気を察して、いなくなった愛犬、悲しくなったジェーンは窓辺で空の星を眺め、ピーター・パンの縫いぐるみの人形を放り投げる。そしてウトウト…。ふと、気付くと閉めたはずの窓が空いている。鍵を掛け忘れたかと思ったジェーンに、後ろから声が。「やぁ、ウェンディ」。そこにはフック船長(声:コリー・バートン)が。フック船長はジェーンを、母ウェンディと間違って連れ去ってしまう。そう、あのネバーランドへ。
そしてネバーランド。ウェンディ(実はジェーン)を餌にピーターパンを呼び寄せ、やっつけようとしたフック船長。しかし、結局はあわや巨大タコの餌食になりそうになったのはフック船長。そして、救い出したジェーンを母ウェンディと間違えて喜ぶピーター・パン。ウェンディの娘ジェーンだと分かって、改めて喜ぶピーター・パンと妖精ティンカー・ベル。彼らはジェーンを地下の隠れ家に連れていく。そして、ロスト・ボーイズと呼ばれる、ピーターの仲間の子供達とも逢う。
ロストボーイズと逢って、弟ダニーを思い出し、ジェーンは「もう帰らなければ」といかだで海に乗り出す。しかし、ネバーランドからロンドンに戻るには、空を飛ぶしか方法はないのだ。ピーターは、ジェーンに云う。空を飛べるようになるには、信念と信頼、そして魔法の粉が要るのだと。しかし、微妙な年頃のジェーンは、どうしても信じられない。そして、ついにティンカー・ベルに、決して云ってはいけないことを口走ってしまう。「妖精なんて信じられない。」
ジェーンが隠れ家を出ていった。そして、ティンカー・ベルはどんどん光を失っていく。妖精は、信じられてこそ妖精。信じられなくては妖精の存在はない。ロスト・ボーイズとピーターは、ジェーンに妖精を信じさせねばならない。そうだ、ジェーンを仲間にすればいいのだ。見つけ出したジェーンに云う、「何でも望むことをしてあげるよ!」。「じゃあ、宝探しごっこをしましょう!」
しかし、実は、ジェーンはフック船長に騙されていたのだ。自分の財宝をピーター・パンが隠してしまったので、部下に裏切られ、船に戻れないと云うフック船長の話を信じてしまったジェーンは、ピーター・パンに危害を加えないと云う条件の元に、ピーター・パンが隠した宝の所を見つけたら、笛を吹くことにしていたのだった。
宝探しで、宝を見つけたジェーンだが、笛は吹かないことにした。ピーター・パンとロスト・ボーイズと本当に仲間になれたのだった。しかし、ジェーンをロスト・ガールとして迎え入れたロストボーイズが、ジェーンが捨てた笛をたまたま見つけてしまった。喜びの中で思わず鳴される笛。
ジェーン1人を残し、フック船長に連れ去られるピーターが、ジェーンに叫ぶ。「ジェーン、ティンカー・ベルは君が信じなければ死んでしまう。」悲しみにくれて、1人隠れ家に戻ったジェーン。完全に光が消え、ぐったりとしているティンカー・ベルを見て、号泣するジェーン・・・
さあ、連れ去られたピーターとロストボーイズの運命は如何に。ティンカー・ベルは死んでしまったのか・・・ジェーンの運命は・・・
ピーター・パンは永遠の夢の映画。スコットランド出身の脚本家・小説家・ジャーナリスト・童話作家であるJ・M・バリーが、友人の子供達の為に執筆し、1902年に発表した物語「小さな白い鳥」が原点。その友人の7人息子の1人にピーターという子がいて、その名前を主人公の名にしたそうだ。赤ん坊が物語を聞いて初めてケラケラ笑ったら、それが拡散・浮遊して<妖精>になったと云う。
バリーが1904に「ピーター・パン」として出版して大成功。1924年には白黒のサイレント映画、1925年には白黒のサイレントでアニメ、1953年にはディズニーのアニメでこの作品の第1作、1991年にはスピルバーグによるSFX駆使の実写映画化「フック」、そして、ピーター・パン生誕100周年記念作品が、この「ピーター・パン2/ネバーランドの秘密」。
子供達と一緒に、そして子供の気持に戻って、ピーターと空を飛んでください。あなたも信じれば、きっと出来ます。心が《夢》を思い出せば・・・
日本公開は02/12/21。