Lost In Space

最終更新日:1998.11.28 JST

草模様

ネタばれ注意!!!

1998年ステファン・ホプキンス監督作品(PG-13) ニューラインシネマ配給

主演: ウィリアム・ハート & ゲーリー・オールドマン

特撮を駆使した「宇宙家族ロビンソン」の現代版「ロスト・イン・スペース」

2058年、地球。高度に発達した文明は人々の生活を豊かにした反面、地球の環境を破壊してしまっていた。このままでは、あと数年で地球は崩壊し、人類は滅亡の危機に直面することになる。そんな危機的状況から人類を救うにはもはや他の惑星への移住しかない。地球連邦軍はそのための研究に余念がななかった。

広い銀河の中、彼らが見つけた人類が移住可能な星はたったひとつ、"アルファ・プライム”。通常の飛行では移動に10年かかるこの二つの星だが、ジョン・ロビンソン博士(ウィリアム・ハート)が発明した深宇宙旅行を可能とするハイパーワープを使えば、短時間で移動が可能となり、人類の移住が可能となる。しかし、このハイパーワープは深宇宙旅行への出入り口となるハイパーゲートを通り抜けて行わないと、宇宙の何処に出てしまうか分からず、まだ80%が未知という銀河系の中で、まさに宇宙の迷子となってしまうのだ。連邦軍はハイパーゲートを両惑星に建設を急ぐ。しかし、反政府勢力はこの計画を阻止し、自分達がアルファ・プライムを手にいれようとしていた。

ロビンソン博士は、自らアルファ・プライム側へのハイパーゲートの設置を行うため、ジュピター2号で長い旅路に起とうとしていた。この任務にはロビンソン博士の他にも彼の家族が一緒に旅立つ。妻であり、生物学者のモリーン(ミミ・ロジャース)、医者でクールな長女ジュディ(ヘザー・グラハム)、思春期で微妙な年頃の次女ペニー(レイシー・シャベール)、天才的頭脳の持ち主で発明家の末っ子ウィル(ジャック・ジョンソン)。それぞれが自分たちの才能を生かすべく3年間のトレーニングを積んで万全の体制で出発に備えて来た。しかし3年間研究に没頭するあまり家庭を顧みない父親に対して家族の心は離れつつあった。

そしてロビンソン・ファミリーを乗せて旅立つ宇宙船“ジュピター2号”のパイロットとして選ばれたのは反政府勢力と戦う地球連邦軍の中でも腕利きのパイロット、ダン・ウエスト少佐(マット・ルブランク)。彼は予定されていたパイロットが反政府勢力によって出発直前に殺されたため、急遽抜擢されたのだが、第一線で戦う彼にとってこの任務は刺激のないものだった。

そして出発当日。積み入れられる荷物の影にロビンソン一家の主治医ドクター・スミス(ゲーリー・オールドマン)がいた。彼は反政府勢力と密かに通じており、前任のパイロットの暗殺の手引きも行っていたのだが、それでも計画が中止されないため、さらに高額な報酬を受けて、忍び込んだのであった。彼は家族を守る為に積み込まれたロボットのコンピュータプログラムを出発16時間後に一家を皆殺しにし、宇宙船を破壊するように変更する。だが、今度は彼が反乱軍の裏切りに遭い、気を失ったまま宇宙船に取り残されてしまう。

こうしてドクター・スミスを乗せたまま“ジュビター2号”は出発してしまう。一家とダンは次々と冷凍睡眠装置に入り、あとは自動操縦装置に任せれば、目覚めたときにはアルファ・プライム・・・のはずだった。しかし、丁度ドクター・スミスが気を取り直したとき、彼の計画通り、ロボットがプログラムの指示通りに動きだした。指示通りに一家を抹殺し、宇宙船を破壊しようとするロボット。必死で止めようとするドクター・スミスだが、振り払われてしまう。今や、彼らの運命は風前の灯火。

なんとか、ロボットを止めた一家だが、ジュディが甦生しない。ドクター・スミスは、彼が反政府勢力の手先だと気付いたダンに殺されそうになるが、私しか彼女を甦生させられないと申し出、なんとか命をつなぐ。しかし、ナビゲーションシステムを破壊されジュピター2号はコースを大きく外れてしまい、太陽へ一直線に進んでいた。このままでは危ないと判断した彼らはハイパーゲートを通らないままのワープを決行する。

一瞬の時空の停止。全てが止まっているような不思議な時間。そして彼らが辿りついたのは、人類が今迄に探り得た銀河系にはない宇宙空間だった。そう、彼らは文字どおりGET LOST!“宇宙で迷子”になってしまったのだ!!

何処にいるのか分からない彼らの前に、やがて不思議な宇宙船が姿を現す。地球連邦軍の宇宙船。そして、それに寄り添うように泊まる異星人のものと思われる宇宙船。どちらの舟からも生体反応はない。さらに不思議なことにその連邦軍の宇宙船は彼らが見たこともないタイプのものなのに古びている。何を意味するのか?

船内に乗り込んだロビンソン博士、ダン、ジュディ、スミスが発見したのは船長記録。一部残った記録を再生してみると、そこにはダンの同僚の姿が。しかし、彼は明らかに年を取ってるように見えるし、ダンを探し求めているというような言葉を発している。混乱する彼ら。一体どういうこと?そして、彼らは何処にいるのか?

そして、奇妙なペットモンキーを1匹発見した直後、そいつらは動き出した。襲い掛かる不思議なやつら。ウィルが修復したロボットを3Dコントロールで操ることで何とか危機を脱した彼らは、ダンの操縦で危うく危機を逃れるが、近くの惑星に緊急着陸する。

この星の重力を脱するには、燃料が足りない。ロビンソン博士とダンは近くに発見した放射性物質を取りに出かける。ウィルに亡き父のペンダントを託し、必ず戻ってくると言い残して出かける博士。

人工的にしか思えない不思議なドームの中に入った二人だが、何者かに襲われ気を失う。そして、博士が目覚めたときに現れたのは・・・

漂流ものとはいえ、最低限の生活必需品は無事。ボロをまとって、飢えに苦しんで…とはならない。洗練された美しいSFXを駆使して、不思議空間の探検、未知の生物に遭遇しての逃避行や大爆発シーンが次々と展開する。仮想空間を飛行する、いま流行の遊園地アトラクションの豪華版といった感じ。

1965年から1968年にかけて絶大な人気を誇ったオリジナルのTVシリーズは、CBSテレビが制作し、“宇宙もの”として脚光を浴びた番組。それから30年、「宇宙家族ロビンソン」が7,000万ドルという膨大な予算をかけて蘇えった。

白黒時代の「紙で作られたロケット」 や「ファスナーの見える宇宙人」などは当然ながら影を潜め、ハイテクSF映画に衣替えした新時代の宇宙家族が遭遇する冒険の数々。

宇宙飛行士と生化学者のロビンソン夫妻を演じるのはオスカー受賞者ウィリアム・ハート("マイケル")とミミ・ロジャーズ("マンハッタンラプソディー")で、その一家やダン(人気TVシリーズ“フレンズ”のマット・ラブランク)たちのアドベンチャー映画というばかりか、そこへ父と息子、母と娘たちとの交流や家族の絆といった要素が盛り込まれ、ドラマ性を深めている。

また、TV番組ではトラブルメーカーだったウィル少年が、むしろたくましいキャラクターに描かれていたり、フライデーの愛称で親しまれたロボットは、“マペット”映画で有名なジ・ハンソンのクリーチャー・ショップによってハイテク満載の特異な存在へとイメージチェンジをはかっている。

そんな中で、反政府勢力に通じて陰謀を企てたり、ウィルを利用して地球への帰還を企んだり、TV時代と変わらぬ卑劣な悪役ぶりを発揮するスミス博士を、名優ゲーリー・オールドマン("エアー・フォース・ワン")が熱演している。

制作陣に「エルム街の悪夢5」「ゴースト・イン・ダークネス」などの監督ステファン・ホプキンス、「バットマン& ロビン」のアキバ・ゴールズマンを迎えた超現代版としてスクリーンに登場。

ストーリーは原作に忠実とはいえ、650にもおよぶCG(ジュラシックパークの2倍)や、Jim Henson社による特撮など、オリジナルの素朴さからはかけ離れた最新ハイテクを駆使。コミカルなオリジナルとは違ったSFホラーに仕上っているとのこと。

ダンに扮するマット・ラブランクは、今や人気のジョージョ・クルーニーに似たいい男で、気障で女たらしというところも役どころはよく似てるかな^_^

最後にいったんは危機を脱した彼らは、そのままなら連邦軍の海図データを転送しておいたので、地球に帰還できるんだけど、重力場に捕らわれて、再度脱出のためワープをかましてしまうということになり、これは続編が期待できるのでしょうか。それに、今回登場した奇妙なペットモンキーも全然出番がなかったしね。期待しましょう。

スペオペ、SFX大好きには見逃せません。

日本公開は98/12/19。

草模様

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