最終更新日:2002.11.17 JST
1996年ジョン・カーペンター監督作品(R) パラマウント配給 1時間41分
主演: カート・ラッセル
大地震によって島と化した2013年のロサンゼルス。狂信的な大統領の治世下。公安の罠にはまり否応なく任務につくスネーク・プリスケン。目的は、過激派グループによって盗まれたエネルギー兵器の奪還。だが単身乗り込んだL.A.島は狂気と暴力の渦巻く魔窟であった・・・。1981年に製作され今なお根強い人気を誇るジョン・カーペンターの近未来SFアクション『ニューヨーク1997』の15年ぶりの続編。 「エスケープ・フロム・L.A.」
時は2013年、2000年に発生した大地震により、アメリカ大陸から切り放された島となったロサンゼルスは、いまや社会不適合者の流刑島となっていた。島内にいるテロリストのリーダー、ジョージ・コラフェイス(クエボ・ジョーンズ)は独裁制を敷く大統領(クリフ・ロバートソン)に反抗する大統領の娘ユートピア(A.J.ランガー)から軍の最終兵器、世界のエネルギー供給を停止させてしまう装置を手に入れて政府を脅迫する。
大統領と刑務所所長のマロイ(ステイシー・キーチ)は装置の奪還とテロリストの抹殺を97年にニューヨークから大統領救出に成功したボブ“スネーク”プリスケン(カート・ラッセル)に強要する。10時間以内に作戦を成功させなければ、体内に注入された新型ウィルスによりプリスケンは死亡してしまう。
“スネーク”は単身L.A.に乗り込み、マップ・トゥ・ザ・スターズ・エディ(スティーブ・ブシェミ)やパイプライン(ピーター・フォンダ)と出逢い、タスリーマ(バレリア・ゴリノ)をビバリーヒルズの外科医総統(ブルース・キャンベル)から助け、ハーシー(パム・グリア)と共に、コラフェイスの元から最終兵器を回収し、ユートピアを救い出す。
しかし、そうした彼の活躍に対して、大統領が下した決断とは・・・・
最初から最後までアクションの連続で、バイクに乗ったり、サーフィンしたり(ピーター・フォンダが笑わせます)、バスケしたり(でも、命懸け^_^)、ハングライダーで飛んだりと、10時間のうちにこれだけの事をやってしまうプリスケンはやっぱり大した男だ。
希代のアウトロー、ボブ“スネーク”プリスケンはマカロニ・ウエスタンのガンマンのようにニヒルな一匹狼。長髪にアイパッチでハードロッカー風のルックス。
全部のエネルギーを消滅させるような兵器を開発する科学があれば戦闘機を飛ばさなくてもL.A.一帯を破壊することくらい造作もないんじゃないかって云うのはなし^_^ これを云ったらこの映画自体が成り立たないので・・・
CGも明らかに実写と合成の境目が見えてしまってチープなこと極まりないと云うもっぱらの評判。特に冒頭の潜水艦なんて日本の子供向け戦隊ものレベルと云う声は多し。
81年に製作され根強い人気を誇るジョン・カーペンターの近未来SFアクション「ニューヨーク1997」の15年ぶりの続編。とは云え、その骨格は前作と瓜二つ。その上で、スネーク・プリスケンの新たなる戦いとしてはこれ以上望むべくもない舞台が用意されている。大地震によって島と化した2013年のロサンゼルスがそれだ。前作の7倍という製作費によるSFXも華々しいが、どこかチープな感じがするのもご愛敬。前作を踏襲しつつやがて迎える幕切れは、映画史上他に類を見ないもの。
ピーター・フォンダ、パム・グリア、スティーヴ・ブシュミ、挙げ句に『死霊のはらわた』のブルース・キャンベルやアル・レオンまでが登場し、アクション、ホラー、SFが好きなファンなら大喜びしそうな顔ぶれ。
日本公開は96/11/23。