E.T. The Extra-Terrestrial

最終更新日:2002.9.16 JST

草模様

ネタばれ注意!!!

1982年スティーブン・スピルバーク監督作品(PG) MCA配給 1時間55分(再公開版2時間)

主演: ヘンリー・トーマス


ミステリー、サスペンス、アドベンチャー。全てはこの交信から始まった…「E.T.」

カリフォルニア郊外のある夜、森に囲まれた空き地に不思議な力を発する宇宙船が着陸した。追跡に来る人間たちから逃げ遅れた一人の宇宙人(E.T.)は、飛び立つ宇宙船から置き去りにされてしまった。迷い込んだ所は郊外の住宅地にある、10才の少年エリオット(ヘンリー・トーマス)と母メリー(ディー・ウォーレス)と兄妹の住む家であった。裏庭に隠れていたE.T.を発見したエリオットは、初めはその姿に仰天したものの、すぐに親近感を覚える。自分の部屋でお互いの意思を通じさせることができた。兄マイケル(ロバート・マクノートン)や妹ガーティ(ドリュー・バリモア)にもこの秘密を打ち明け、兄妹みんなで彼に地球のことと言葉を教える。

300万光年の彼方から来たE.T.は高度な知能ばかりでなく、しおれた花を生き返らせたり、空中に飛ばすなどの超能力を持っっていた。そして不思議なことにエリオットとE.T.は二人はテレパシーによってで感覚を一心同体で共有する。テレビのラブシーンを見てうっとりしたE.T.のおかげで、エリオットはクラスの可愛い女の子とキスしてしまうのである。

「僕と一緒にここで暮らそう」というエリオットだったが、E.T.は "Phone home." を繰り返し、おもちゃの部品から通信機を組み立てた。ハロウィーンの日の夕暮れ、エリオットはE.T.と一緒に森に行って通信機を作動させ、仲間への連絡に成功した。だがそこで夜を明かした二人は過労から倒れてしまう。

 一方、家はもう医師たちや科学者キース(ピーター・コヨーテ)たちに包囲され、二人は治療と調査にかけられる。力尽きて一度は息を引き取ったE.T.だが、エリオットと対面すると生き返ってしまう。大人達の目を眩ませて、エリオットたちはE.T.を自転車に乗せて空を飛び森にいそいだ。そこにゆっくりと降りてくる宇宙船。E.T.は最後に「僕はいつも君の心の中にいるよ」エリオットに最後の別れを告げる。

人類は何百年もの昔、新大陸も南極も未知であった時代には、夢にもかんがえられなかったような、月まで飛んで行ける今の進歩を作り上げた。そして今の地球人にとっては、広大な宇宙のどこかにきっと知的な生命が存在しているという思いは、決して失いたくない夢。

「未知との遭遇」(1977年)で、音の交信による宇宙人との友好的な接触を描いたスビルバーグ監督は、この「E.T.」で宇宙人をさらに愛すべき生き物として描いている。指先で瞬時に傷口を治したり空を飛んだりといった、人間の及びもつかない能力と、まさに人間の証しである愛情や感情とを併せ持った素晴らしい生き物を登場させた。エリオッットとE.T.の心の交流は、ともすれば人間が忘れがちな、お互いの理解、信頼、思いやりというテーマに結びつくものである。お互いが抱えている問題や悩みを分かち合うという尊い気持ちこそが永遠の人間愛であると信じたい。

社会現象を巻き起こしアカデミー賞4部門受賞に輝いた永遠の名作。スピルバーグ監督の代表作というだけでなく数々の映画に影響を与え「E.T.」以前と以後とでは映画の歴史が変わったとさえ言われるほどエポック・メイキングな作品。

20周年アニバーサリー特別版では、数々の未公開新映像や、最新CG技術による驚異のVFX、最高音質のデジタル・リマスター・サウンドによって、オリジナル版を超える興奮が甦る。中でもE.T.の顔にデジタル処理がほどこされ、あの愛くるしい表情がさらにリアルで可愛らしいものとなっている。また学校を休んだエリオットが、E.T.とお互いをより理解し合えるようになる楽しい場面等が新たに追加されている。

日本公開は82/12。再公開は02/4/27。

草模様

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