最終更新日:2002.9.16 JST
2000年ドミニク・セナ監督作品(PG-13) ブエナ・ビスタ配給 1時間57分
主演: ニコラス・ケイジ
「男は60秒で車を盗み、女は60秒でハートを盗む!」 伝説の車窃盗団の華麗なテクニックと名車の数々に、叫び出したくなるほどスリルと興奮が加速する「60セカンズ」
主人公メンフィス(ニコラス・ケイジ)は、超一流の車泥棒としてアメリカ中に名前を知られていた男。最高の腕を持ったメンフィスのやり口はとてもスマートで警察もその証拠を掴む事さえできなかったという伝説の男であった。しかし、メンフィスは6年前突然にその世界から足を洗いあっさりと引退してしまい、現在は、故郷を捨て、子供達にゴーカートを教え地道に働いている。
そんなメンフィスの元へ、かつての仲間アトレー(ウィル・パットン)が訪ねてくる。彼はメンフィスの弟キップ(ジョバンニ・リビージ)が車窃盗の組織を牛耳るカリートリー(クリストファー・エクルストン)から依頼された仕事に失敗し命を狙われていると告げる。キップを助ける方法はだたひとつ、キップが依頼された仕事をメンフィスが代わりに成功させることで、取り引き先への納入期限である4日後の午前8時までに、リストアップされた超高級車50台を盗み出し、船に乗せなければならなかった。
キップのためにかつての仲間を呼び寄せ、車窃盗を決行することにしたメンフィス。だがキップの起こした事件を調べていた車窃盗専門のキャッスルベック刑事(デルロイ・リンドー)は、久しぶりに故郷に戻ったメンフィスを不審に思い、今度こそ彼の尻尾を掴むため独自に捜査を開始する。一方整備工場を営む指令係のオットー(ロバート・デュバル)、教習所の教官をしている陽気なドニー(チー・マクブライト)、そしてかつての恋人でイタリア車のエキスパート、スウェイ(アンジェリーナ・ジョリー)ら、かつての仲間たちが結集し、メンフィスは綿密な下調べを済ませたうえで最後の一晩で50台の車を盗むことにする。
そして決行当日、久しぶりの大仕事に高揚感を抑えきれないメンフィス。それは彼にとっては幻の車、何度挑戦しても決して盗みだすことができなかった'67年型のシェルビー・マスタングを再び盗みだす機会を得られたためでもだった。そしてメンフィスの一喝のもと、黒装束に身を包んだ華麗な魔術師たちが夜の帳へ消えていく。
伝説的な車窃盗団が24時間で50台の車を盗みだすプロジェクトを決行。しかもそれがポルシェ、フェラーリ、ジャガー、ベンツなど金持ちご用足しの高級車ときたら、どんどん奪ってしまえ!と叫び出したくなるほどスリルと興奮が加速してくる。
『ザ・ロック』『コン・エアー』に続いてハリウッドのヒットメーカー、ジェリー・ブラッカイマーが製作し、ニコラス・ケイジが主演を務めるアクション巨編の第3弾。今回ケイジが扮するのはわずか60秒でセキュリティ万全の超高級車を盗みだす、伝説的な車窃盗のエキスパート。一度は足を洗ったものの、止むに止まれぬ事情からかつての仲間たちを呼び寄せて、ひと晩かぎりの復活を果たす。
1950年製作のマーキュリー・カスタムから2000年製作のポルシェ・ボクスターまで、新旧の激レア超高級車が夢の競演を果たすのも見どころのひとつ。窃盗団たちの華麗な窃盗テクに注目するのもよし、彼らに狙われる哀れな名車たちの姿に目を奪われるのもよし。ロサンゼルスの闇夜を疾走する軽快なテンポとスタイリッシュな映像はまさにアクションエンターテイメントの極みといった趣がある。監督はブレイク前のブラッド・ピットがサイコ殺人鬼を演じた『カルフォルニア』で長編フィルムデビューを飾ったドミニク・セナ。今回は初めてエンターテイメント巨篇に挑む。
徹底的にカーチェイスに拘った映画。その裏にはメンフィスとキップの兄弟愛が流れてますが、とにかく、プロフェッショナルのテクニックを満喫してください。高級車のオーナーの方はくれぐれもご注意のこと。
日本公開は00/9/9。