The Fifth Element 

最終更新日:1998.3.4 JST

草模様

ネタばれ注意!!!

1997年リュック・ベッソン監督作品(PG13) ソニー・ピクチャーズ配給

主演: ブルース・ウィリス

原作: リュック・ベッソン

「レオン」、「グラン・ブルー」等のフランスのリュック・ベッソンの原作・監督で、全くアメリカ的な「ダイハード」シリーズでお馴染のブルース・ウィリスを主役にしながら、それでも随所にフランス的なデザインを散りばめた壮大なSFファンタジー「フィフス・エレメント」

5千年に1度邪悪な反生命体が、宇宙の狭間から地球を滅亡させようとやってくる。その邪悪なものへの対抗手段を古代エジプト人は、良い宇宙人、モンドシャワン人からから学び、ずっーと守り続けてきた。その武器は、ナイル川のほとりにある遺跡に隠され、火、水、土、風に、5番目の要素、フィフス・エレメントが必要とされた。

1914年、第一次世界大戦の不穏な空気が漂う中、ナイル河畔の地下神殿をアメリカの考古学者が訪れていた。神殿の壁に書かれた古代文字を解明しようとしていたのだ。火、水、土、風の4つの要素に囲まれた5つめの何か=“フィフス・エレメント”。その謎に近づいた瞬間、正体不明の巨大な船体が降り立った。唖然と見つめる考古学者たちを横目に神殿を守る神官は船から降りてきた謎の生物にかしづいた。彼らは神殿の奥の壁を開け壁に書かれてある4つの要素を彫った4つの石を持ち去った。人類が信じられなかったモンドシャワン人は次に悪が襲ってくるまで、人類の為に、その5つの要素を預かる事にしたのだった。

と場面は一 気に23世紀のニューヨーク。生活空間は垂直に広がり、地上200階地下400階のビル群が林立する。2214年、ニューヨーク。統一宇宙連邦大統領(ティニー・リスターJr)は、分子分析でも正体の掴めない有機体が物凄いスピードで接近しているとの報告を受けた。大統領に面会を求めたヴィトー神父(イアン・ホルム)が、地球を滅亡させようとする邪悪な半生命体が5千年に一度宇宙の扉の隙間からやってくること、それを撃退する為に宇宙で最高の知力を持つモンドシャワン人が4つの石を持って助けにくることを語った。実は、ヴィトー神父はナイルの神官の後継者で、代々“フィフス・エレメント”の秘密を受け継いできたのだ。

しかし、モンドシャワン人の宇宙船は統一宇宙連邦最大の武器商人ゾーグ(ゲイリー・オールドマン)の手下に成り下がっているマンガロワ人に撃墜されてしまう。そしてモンドシャワン人の死体から片腕が地球に持ち帰られ、神経医学センターでDNA再構成装置を使って細胞が再生された。そこには、完璧に均斉のとれた肉体の緑の瞳を持った美しい少女が一糸纏わぬ姿で現れた。地球の言語の解らない彼女はカプセルシリンダーのガラスを拳で壊し、研究室の壁を紙のように破って外に飛び出した。しかしそこは地上450階。追いつめられた彼女は、猫のようなしなやかさで空中に向かってダイブした。

彼女を拾ったのは、元宇宙連邦特殊部隊の精鋭で今はタクシー運転手として日銭を稼ぐコーベン・ダラス(ブルース・ウィリス)。彼の車の屋根を突き破って降ってきた彼女の美しさに一目で恋してしまったコーベンは、ライセンスを取り上げられることも承知で、警官隊を振り切り、彼女を連れて逃げ切った。彼女の名はリールー(ミラ・ジョヴォヴィッチ)。地球上で唯一人彼女の言葉が分かるヴィトー神父のもとに落ち着いた彼女は、4つの石板は連邦宇宙系で人気、実力ともに最高峰を誇る美しき歌姫ディーヴァにモンドシャワン人が既に託していたことを告げた。連邦政府もディーヴァが石を持っていることを知る。彼女は10年に一度だけフロストン・パラダイスというリゾート星でオペラ・コンサートを行う。その日が明日だ。

コーベンは、演じるブルース・ウィルスがいつもダイハードシリーズでそうであるように、ズルズルと事件の渦中へ巻き込まれて行く。将軍マンロー(ブライオン・ジェームズ)は、石を探し出す任務を元部下のコーベンに与え、フロストン行きを命じた。マンローの作戦でコーベンはインスタント食品懸賞コンテストの優勝者ということになった。同伴者は、ヴィトー神父から奪い返したリールー。二人は、コーベンに成り代わろうとするゾーグの部下やマンガロア人に邪魔されながらもなんとかスペース・シップにチェックインする。

しかし、フロストン星に着いたのは二人だけではなかった。4つの石を奪おうとするゾーグとマンガロア人軍団。ヴィトー神父も命からがら辿り着く。オペラ・コンサートの夜。ディーヴァの歌に心から感動しているコーベン。しかしその間、彼女の楽屋では4つの石を狙って押し入ってきたマンガロア人たちにリールーが一人で立ち向かっていた。ゾーグの究極の武器に傷つくリールー。 そして、舞台のディーヴァも銃弾に倒れる。逃げまどう群衆たち。オペラ座は突如戦場と化した。瀕死のディーヴァはコーベンに4つの石は彼女の体内にあることを教える。涙をこらえてディーヴァの腹部に手を入れるコーベン。

銃弾と爆弾が飛び交う中、コーベンは彼に付きまとう宇宙で人気絶頂の奇妙で超過激な女装男性DJ、ルビー・ロッド(クリス・タッカー)の助けを借りてマンガロア人軍団を一掃する。しかし、フロストン星はもはやパラダイスの跡形もない。人心地着く間もなく、今度は星が20分で爆破されるというアナウンスだ。傷ついて天井裏に蹲るルーリーをやっと探し当てたコーベンたちは、無人の宇宙船を見つけフロストンを後にする。

目指すはナイルの神殿。彼らの戦闘中、遙か彼方の宇宙から、巨大な悪霊でできた“火の玉”が猛然と地球を目指している。あと1時間52分で地球と衝突するという連絡がマンローより入る。4つの石とリールーは揃った。果たしてコーベンは、人類を救えるのか・・・

とにかくストーリーは単純明快で、ブルース・ウィリスの活躍も約束ものであるが、何と云ってもフランスらしさが随所に感じられる映像が素晴らしい。予告編で見たときから「ブレード・ランナー」を連想してしまったが、23世紀のニューヨークの映像は、本当に素晴らしい。映像の美しさを十分に堪能できる、お勧めの作品です。

日本公開は97/9/13。

草模様

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