最終更新日:2002.9.16 JST
2000年ベティ・トーマス監督作品(PG-13) ソニーピクチャーズ配給 1時間43分
主演: サンドラ・ブロック
28日間の別世界。明日の私は昨日と違う。ニューヨーカー、ジャーナリスト、大酒飲み。新時代のヒロインをサンドラ・ブロックが熱演!「28DAYS(デイズ)」
グエン(サンドラ・ブロック)はNYに住むジャーナリスト。楽しいことが大好き。毎晩パーティに出かけては倒れるまで酔っ払う日々。他人の目など気にもせず、ボーイフレンドのジャスパー(ドミニク・ウェスト)と一緒に飲みまくり、はしゃぎまくり。気がつけば下着姿で見知らぬ人の庭先にいたことも。 2人はグエンの姉リリイ(エリザベス・パーキンス)の結婚式に出席するが、酩酊状態での参加。披露宴で騒いだ挙げ句、転んだはずみでウェディング・ケーキを潰してしまい、新婚旅行用のリムジンでケーキを買いに行くが、泥酔状態で対向車を避けようとして家の中に突っ込んでしまう。
グエンはアルコール依存症と診断され、裁判所は、アルコールやドラッグ中毒を治療するリハビリセンターでの28日間におよぶ治療を命令する。ノースカロライナのブルーリッジ山脈にあるリハビリセンターに入ったグエンだが、自己中心的で団体生活にはなじめない。患者たちを馬鹿にしてセミナーにも真面目に参加せず、禁断症状にも一人で耐えようとしていた。
面会に現れた ジャスパーから薬をもらい、施設を抜け出して朝帰りするグエンは、カウンセラーのコーネル(スティーヴ・ブシュミ)に退所して刑務所へ送ると脅される。なんとか泣きつき刑務所行きを免れたグエンだったが、センターでの日々は窮屈でたまらない。
隠し持っていた薬を一旦は外へ捨てるが、夜中に未練が出て窓から拾おうとして、木から落ちるグエン。彼女を助けてくれたのは、センターに入所しに来たエディ(ヴィゴー・モーテンセン)だった。エディは大リーガーだが、プレッシャーから薬中毒となり、女性だと前後を考えずすぐ寝てしまうようになっていて、引退を考えていた。
ある日、グエンはコーネルに「意地をはったら叱って」というプラカードをクビからぶら下げるようにいわれる。徐々にセンターの仲間と心を通わせていくグエン。グエンの父は家庭を見捨て、母親はグエンと同じようにアル中で、ある日ぽっくりと亡くなったのだった。そして、姉との確執。こうした事実を仲間との交流の中で、見つめ直していくのだった。
グエンとエディはだんだんと仲良くなっていくが、ある日面会に来たジャスパーから グエンはプロポーズされる。差し入れのシャンパンは池に捨てる。そして、グエンがエディと親しく話していると、ジャスパーが再度現れ口論となり、エディはジャスパーを殴ってしまう。
同室のアンドレアは退所日が近づいてくると、だんだん不安定になり自殺騒ぎを起こすが、グエンは秘密にしておく。そして、退所のお祝いに、セミナーのグループでアンドレアの好きな昼メロを真似た寸劇をして喜ばせるが、アンドレアは自殺してしまう。17歳だった。ショックを受ける グエン。そんな折り、姉がやって来て、「あなたには人を惹きつける魅力があって羨ましかった。母の代わりをしてやらなかった。」と慰める。グエンはまともな人間になることを決意する。そして、グエンがふと通りかかると、エディが悪い癖が出て患者の女性と寝ていた。グエンの出所の日、みんなは祝ってくれ、悪い種になる ジャスパーとは別れるように忠告する。
ニューヨークに戻ったグエンは普通の生活をしようとする。そんなグエンをジャスパーが誘いにやって来る。ジャスパーは以前の生活を変えようとはしていなかった。ある日、1人の帰り道、馬がいる。リハビリではたびたび馬と触れ合っていたが、馬の足を持ち上げようとしても馬に意思を伝えることができなかった。グエンは街角の馬に素直な気持ちで接して、足を持ち上げることに成功する。そして、ジャスパーに別れることを告げる。
花屋で、入所していた患者の一人に出会う。上手に花を育てられないがそれでも必死だった。グエンも努力しようと改めて心に誓う。
女性ヒットメーカーが集結。脚本が『エリン・ブロコビッチ』のスザンナ・グラント、監督が『チャーリーズ・エンジェル』製作、『プライベート・パーツ』(1997)、『ドクター・ドリトル』(1998)監督のベティ・トーマス。
『G.I.ジェーン』のヴィゴー・モーテンセン、『アルマゲドン』のスティーヴ・ブシェミら個性派共演陣が今までの役どころとは一味違う意外な一面を見せている。
アルコール依存症を治そうとするグエンの変化が中心なのだが、ありがちな「ハッピーエンド」ではなく、様々な問題、退院後の苦労を想像させる終わり方で、そう簡単ではないアルコール依存症の様々な問題も浮き彫りにしている。とても重いテーマで、派手な映画ではなし。
日本劇場未公開。