第十四話
落雷の悲劇
  以前の雑文の中で、RPGにはまった ばか母ぶりを書いたものを紹介したが、 お猿のようにドラクエにはまった当時、 いろんな悲劇も経験したものだ。 日本国内のパソコン会社が、 ファミコン用に初めて作ったというRPGは、 当時の日本中のゲームファンを虜にした。 ドラクエは、日本中でブームになった。 ゲームファンばかりでなく、 その道にまったく無恥であったこの母までも虜にしたのだから、 どれほど、おもしろい作品であったかは 想像がつくであろう。 スケールの大きい物語を、いっしょに冒険したような 感覚にさせたあのゲームは今でも忘れない ゲームをやっている途中やめようとおもえば、 セーブして、次にプレイするときは 続きからやれるというのが最近のゲームである。 しかし、ドラクエの初期の作品は このセーブするという機能がなかった。 続きのゲームを再開するために しなくてはならなかったのが 「復活の呪文」 20文字程度並べただけの意味のない、へんてこな呪文だった。       「ぬけほめら みとかうめ くぬふすで        びずげろそ めりねほき やりすづけ」       こんな感じである。 その呪文は、ゲームを終了するたびに変わる。 この呪文を正確にメモして、次回のゲームのとき 入力する必要があったのだ。 一文字でも間違うと、昨日やった続きからやることは できないのだから、大変だ。 夕飯をすませ、御風呂も終わり、 家族みんな、ゆっくりくつろぐ時間になると、 わたしは、ちびに声をかける (ただし、夫がいないときに限る) 「さ、やろかっ」 息子3人の目は、爛々に輝くのだった。 「ドラクエ」タイムである。 プレイは、母のわたしか、 当事2年生だった長男と交代だ。 長男がやってる最中は、わたしが解読本などを参考に、 なぞ解きをしていく。 次男、三男は、画面に釘付けであった。 ある雨の夜、悲劇は起きた。 その夜は、すごい雨だった。 遠くで雷が聞える。 そしてその雷の音は、だんだん大きくなり・・ 「バリバリバリっ!!」 「 ドガ=====ン!!」 どうやら近くで落雷があった模様・・・・・ 即、停電・・・・ しばらくして電気がつき、 恐る恐る、ファミコンを繋げてみる・・・ ドキドキ・・) 「ドロリラ、ドロリラ;;;;♪」 恐ろしく怪しい曲が流れる・・ ひ=====!! 今までのすべてのデータは、 全て消えてしまった。 泣き叫ぶ、三人の息子の横で呆然となる母親。 涙なくしては語れない、当事の悲劇だった。 呪文の控えまちがいで、、昨日の続きからできずに みなさん、悔し涙を一度くらいは流したであろうが、 当事ドラクエはまっていた一人のS(当事中学生)にも 同じ頃悲劇は起きていた。 クライマックスもまじかというゲームの途中、 ゲームに夢中になっているSの横に 愛犬がのこのこ歩いて来て、ゲームのリセットボタンに この愛犬の足が触れてしまったのだ・・ ブチっとな・・(ジ・エンド) 「うぎゃ============!!」 「オレの今までの時間を返せぇーーー!!!」 (Sの絶叫は、こだまする・・) 愛犬のおかげでそれまでのデータを パーにしてしまった彼は しばらく愛犬におやつを与えなかったという 恐るべしドラクエの恨み・・ しかし、我が家の悲劇は、まだあったのだ・・