わたしがパソコンを始めた訳
パソコン教室の光景 〜第五章〜
   息子とインターネットがやりたい!と    通い出したパソコン教室での授業は順調だった。    週に一度、午後7時から9時までの約二時間である。    家から歩いて5分のところにあるパソコン教室だった。         この時間帯に受講していたのは、    50代の主婦、40代の男性1人、50代の男性1人、    タイプの早い30代の女性、そして姉弟組。    ある人はパソコンの知識を身につけて再就職を、    ある人は定年後の楽しみを模索、    みんなそれぞれに目的をもっている人達ばかりだ。    途中40代の男性は、急な転勤のためやめてしまったが、    6人は、初心者パソコン講座をスタートしたのだった。    すべてが始めてだった。    私は、ダブルクリックの意味も操作も知らなかった人間だ。    クリック・ダブルクリックからの小学生さながらの授業を    大の大人6人が真剣に学ぶのだ。    年配の方には、このマウスの操作が    なかなか思うとおりにならないようで   それはウケを狙っているのか?と    吹き出したくなるような操作を繰り返していた。    笑い事ではない。みんな必死なのだ。    「あ、違いますよ、違うっ!!庄田さんっ!!」    「あ=====!!」    「またやってしまった、庄田さん・・」    わたしの後ろの席の庄田さんは何をしていたんだろうか。    誰かが変なことするたびに、わたしの肩は震えた。    そして、いつも後ろの庄田さんは、    時々声を張り上げ声を張り上げては、みんなを驚かせていた。    「ええええええええ!!」    「どないなってんねん、、、」    あ、庄田さん、またなんかやらかしてるよ……    結局わたしは、このパソコン教室で二つのコースを    一年かけて勉強した。    といっても基礎的な事がほとんど。    それでも大きな収穫だった。    あとは頑張って独学すればいい。    パソコンの操作にはかなり苦労していた庄田さんだが、    彼は自慢のデジカメで愛犬を撮り、    授業で作った卒業アルバムに、画像を貼り付けるほど上達して    パソコン教室を卒業していった。    日本で涙ぐましい努力をした母だが、シドニーの息子は、    独学でパソコン操作を覚えていった。若いってすばらしい。    HPを作った昨年、先生に喜んでもらおうと思って    メールでHPアドレスを送ったが返事がこなかった。    メールアドレスを間違って、    他人のところに届いたんだとわかったのは、    それから何箇月もたってからだった(泣)    まったくもって私らしい。