気功教室での失態
〜第八章〜
わたしはどこでもどこででも寝れる人間だ。
従業員の面倒をみながら3人の男の子を育てていたわたしは、
20代の頃万年睡眠不足だった。死ぬほど寝てみたい、
いつも、こんなことを思っていたものだ。
それでも20代の身体は元気だった。
私がパソコンを始めた年令は34才
家族だけの生活になっていたその頃には自分の時間もあった。
睡眠もたっぷりとっていた。パソコンと出会うまでは・・・・・・。
30半ばのわたしの脳細胞は、一日数十万個という勢いで
死滅していってる状態である。恐ろしい数だ。
なにをするにも時間がかかって仕方がない。
理解するのに大層な時間を要する上に勘違いも多いのだ。
かなりの大馬鹿をやる。自分でもあきれるほどに。
パソコンの前に座って、キーボードを叩きながら、
ひとりパソコンに向かって大笑いする事が増えた。
わからない事をあれこれ調べる。
カチャカチャ……。
時には含みわらい。うふふふふ……。
時にはパソコンの偉大さに嬉しくなって涙ぐむ。
ありがとう、パソコン。
たった一操作のために、相当な時間を費やす事も多々あった。
パソコンに詳しい人に教えてもらったり、自分で検索してみたり。
マニュアル本を穴があくほどみてみたり、である。
1時間や2時間なんてあっという間である。
気がつけば深夜の2時、3時。眠い・・・・・・。
当時私は友人たちと気功教室に通っていた。
健康のためにと始めたこの気功教室だった。
気功教室では、浮世離れした先生の声から始まる。
さあみなさん、目を閉じて・・・・・・。
心と身体を静かに解き放しましょう。
座禅を組んで目を閉じる。
BGMは、お決まりの癒しの静かな流れるような曲
私たちは先生の動きに合わせて、呼吸法で緩慢な動きを始める。
大きく息を吸い込み………
はあああああ〜〜〜〜〜
ゆっくり吐きながら。。。
ふうううううううううう〜〜〜〜〜〜
ほおおおぉぉぉぉぉ・・・・
…………。
そのまま意識が、どっかにいってしまいそう。
とっても、いいきもち……。
気がつくと、そのまま動きが止まって
隣の人と、まったく違うポーズをとっているではないか。
緩慢な動きが眠気を誘い、一瞬寝てしまうだ。
いくつかの動きのあと、お決まりのリラックスタイムに入る。
みんな仰向けになり、両手両足をおもいきり伸ばして
心を「無」にして、10分ほど目を閉じて休むのだ。
どれくらいの時間がたったのだろう。
先生の声で目を覚ましたとき、
わたしはほかの生徒に取り囲まれていた。
どうも、そのまま眠ってしまったらしい
みんなの笑いの渦のなか
身も心もリラックスして眠っていた生徒の姿に、
先生だけはとても満足そうだった。
「身も心もすべてを解き放って、眠っていましたね」
穴があったら、はいりたかった。
終わり |