床に座る彼女にとって、ソファはただの背もたれと化していた。
座る彼女の傍らに、無造作に置かれたMDプレイヤー。
小さなその機械から伸びる長いコード、ヘッドホン。
よほど大きな音で聞いているのであろう、
ヘッドホンから漏れた音が、シャカシャカと静かな部屋にこだましている。
「何を聞いてるんだ?」
ソファに座ったまま、見下ろすような形で風子に言った。
目を閉じて歌に聞き入っていた彼女がふと顔を上げて、首を傾げる。
聞き取れなかったのだろう、片方のヘッドホンを外して、何、と聞き返した。
「何を聞いてる」
「うた」
「・・・・・あのな」
「しろいいぬの、うた」
それだけ言って、含み笑いをしてまた、彼女がヘッドホンをつけた。
しろいいぬ?そんなアーティストがいただろうか。
先ほどの含み笑いから察するに、それは何かを比喩した表現なのだろう。
単純に考えればただの和訳・・・・・・ホワイトドッグ?
やはり、思い当たらない。
降参、とでも言うようにため息をついて、広げていた本を閉じた。
ソファを降りて、やはり目を閉じ聞き入っている彼女の隣に座り込む。
それに気付いた風子の耳から、片方のヘッドホンを外して自分の耳に押し当てた。
聞こえてくるのは、どこかで聞いたことのある声。
「これは?」
「スターゲイザー」
「タイトルを言われてもな・・・・」
「でも知ってるっしょ?」
「聞いたことはある」
「私明日英語で小テストなんだ」
「は?」
突然話題を変えてかかった風子の言葉に即座に反応できず、水鏡が間抜けな声を上げる。
そんなことはおかまいなしという風に、目を閉じながら風子は続けた。
「そろそろ期末テストだし」
「それがどうかしたか?」
「この部屋、日当たりも風通しも抜群で居心地いいし」
「それと何の関係が・・・・」
「みーちゃんのご飯美味しいし」
「・・・・・・・・何が言いたい」
「でも、やっぱりさ。何より、みーちゃんがいないと寂しいんだよね」
閉じていた目を開いて、水鏡のほうを向いた。
はにかんだ笑みで口ずさむ、歌は終わりに近づいていた。
明日 君が居なきゃ 困る
fin?
スピッツってね、白い犬なんですよ・・・・。
唐突にスピッツが聞きたくなりました。誰か、誰か貸してくれ。
小説の中身については語らないというか、語りたくないというか。
もう、支離滅裂だってだけで、謝ったりしないぞ・・・・!(謝れよ)
(2004.6.3)