ソロ





ソロ。独奏。
家に帰るとそこはいつももぬけの殻。
扉を閉める音がとても大きく響く。
かつん、かつん。足音が奏でる音楽は寂しい独奏。
一人きりの放課後はいつも寂しい音楽。


部屋にこもる。
友達はたくさんの本。
読んでいる時間だけはとても楽しい。
わくわくする。
寂しいことも悲しいことも全部忘れた。


読み終わってしまうと、嫌でも顔を上げなければならない。
現実に引き戻される。楽しい世界はおしまい。
窓の外ではしゃいでいる子供の声がする。
重なる声は協奏曲。一人きりでは出来ない音楽。



そんな世界が変わったのは、まぎれもなく貴方に会ったから。
いっぱいいっぱい助けてくれた。いっぱいいっぱい一緒に居てくれた。
本当に嬉しかったんだよ。
私のこの気持ちは、ちゃんと伝わっているのかな?

貴方に会って、陽炎さんに会って。
風子ちゃんに、土門くんに、水鏡先輩に、薫くんに、会って。
灰色だった世界は、鮮やかに色づいた。
みんなと一緒に奏でるのは、いつか私が夢見た協奏曲。



あのね、あのね烈火くん。
貴方がいてくれたから、私は今の私になれたの。
本当に嬉しかったんだよ。
私のこの気持ちは、どれだけかかっても全部伝えるから。



ソロ。独奏。
貴方がいてくれる限り、悲しい独奏は流れない。



FIN.

そろそろ苦しくなってきた。