前略。
最近とても暑いですね。
こんなに暑いと、私達マネージャーのお仕事ってかなり増えて大変です。
例えばドリンク・例えば濡れタオル。
例えば・・・洗濯とか。
洗濯日和
暑い暑い暑い。
でも、これをサッカー日和というんなら、多分そうなんだろう。
今、グラウンドでは楽しそうにボールを蹴る人間が1・2・3・・・・。
数え切れないほどいるじゃありませんか(部活だもんね)
もちろん、私だってサッカーしたい、ボール蹴りたい、走り回ってたい。
でも、当面の仕事してからじゃないと、溜まりに溜まってしまうんです。
グラウンドで転がるボールの音や、何人もの人間が走り回る音を聞きながら、
私―小島有紀はすることの叶わぬサッカーを、音で楽しみつつ、目の前の難関に頭を抱えていた。
今の敵は、山積みになった洗濯物たち。
夏は洗濯の量がかなり増える。タオルとか、そういうものが。
少しサボってしまったところ、倍増でもしたんじゃないかと思ってしまうくらい、
いつのまにか溜まりに溜まってしまっていたのだ。
どれくらいの量かといいますと、洗濯カゴ4つ分くらい・・・?
その大量の洗濯物を一望して、私は一瞬めまいを起こすかと思った。
まあ、洗濯といっても洗濯板でごしごしやるわけじゃないから、
さほどの重労働でもないのだけれど・・・。
何が大変って、運ぶのが一番大変なんです。
スタート地点から、ゴールである洗濯機までの距離。約100m。
大した距離じゃないでしょう。私も楽勝かと思った。
でも、敵は案外強敵だったのであって。
重くて運べない、というのが現状なのでした。
みゆきちゃんの『手伝いましょうか?』っていう言葉を、『大丈夫』って断ってしまった自分が恨めしい。
今更手伝って、なんていうのは嫌だから、自分で運ぶしかないんだけど。
未だ遠いゴールを眺めて、はぁっとため息を吐いて、座り込む。
ボールを蹴る音、人の走る音、ゴールの決まる音。
目を閉じると、いつも以上に大きく響く。
聞くたびに恋しくて、やりたくて。
また、ひとつだけため息をついた。
目の前の洗濯カゴ4つは、1つ1つが決して大きいわけじゃないんだけれど、
さすがに重ねると腰のあたりまできてしまう。
抱えると、頭なんて簡単に越えてしまう。・・・前が見えないんだってば。
誰か手伝ってくれないかな・・・。
そんな甘い考えがふと頭を過ぎる。
どうやら部活は休憩に入ったらしいので、それほどリーチの高い賭けでもないけれど。
まぁ、みんなも休憩中は休憩するだろうし。
・・・よしっ!
甘い考えを振り払うように、心の中で気合を入れて、
閉じていた目を開く。
洗濯カゴ4つくらい!気合入れればすぐよすぐ!!
そう、こころで叫んで手を伸ばす。
が。
――――――・・・ない?
目の前にあるはずのカゴは、跡形はしっかりつけつつなくなっていた。
置いていた、という跡は、しっかり地面についているのに、
肝心のカゴがないではないか!
驚いて、頭を上げて、きょろきょろ見渡して。
・・・犯人らしき暗い影を発見。
「ちょっと、不破!!」
「――なんだ?」
いえ、なんだって言われてもね。
しっかりカゴを4つ抱えていた不破が振り返り、悠然と(かどうかはわかんないけど)そう言ったのに、
私は一瞬脱力したけれど、気を取り直して言ってやった。
「何やってるのよ。それ、私の仕事なんだから。自分でやるわよ。
あんた、練習やってたんでしょう?ちょっと休憩した方が・・・」
「・・・別にかまわん。運ぶだけだろう」
「でも・・」
確かに運んでもらえるのはありがたいけど、言ったように、不破はさっきまで練習していたのだ。
こんな暑い中、日差しをずっと浴びて・・・。
おまけにこの人物、全身黒ずくめなのだから、・・・暑いよね、やっぱり。
いつのまにかだんだんずれていく思考をなんとか戻しつつ、
今度は少しきつめに言う。
「大丈夫だから!自分で運ぶわよ」
返事も聞かずに、不破の持つカゴをぐいっと自分に引き寄せる。
突然の私の行動に、不破も不意をつかれたか、
カゴは、簡単に私の手元に戻ってきた。
・・・途端、腕にかかる結構な重力に、腕ががくんと下がる。
・・・やっぱり重いわ。
どすん。と結構な音を立てて落ちたカゴに、不破は少し、不安げな表情を見せた。
多分、心配してくれてる・・・・んだろう。
あー、なんか・・・・心配してくれてたのに、恩を仇で返した気分。
・・・でも、私の仕事だもんね。
とかなんとか心で唱えて、自分をごまかそうかと思ったけれど、
やっぱりどこか心苦しくて・・・。
「・・・いや、あのさ。やっぱり、こーゆー仕事はちゃんとしたいのよ。
ケジメって言うか・・・なんていうか・・・ね。だから、嬉しいんだけど・・・」
と、たどたどしい日本語で、フォローしてみた。
それをわかってくれたのか、そうじゃないのかはわからないけど、
不破がひとつだけため息をついたのを見て、私はほっと息をついたのだった。
さぁ、今度こそ運ぶぞ!と手をかけようと、腕を伸ばす。
・・・と。
ひょいっ。
「どこ運ぶんや?不破」
今度は違う手に、私の仕事は奪われたのでした。
って、しかもなんで不破に場所を聞くのよ!!
私は不満一杯に横から出てきた人物・・もちろんシゲをにらみつけると、
シゲの方はへらっと笑って、また不破に話し掛けていた。
「で、どこや?」
「むこうらしいぞ」
場所を聞きつつ、シゲは4つあったカゴの2つを不破に手渡した。
――・・・私の分は?
心の中で叫びながら、私はその後ろをついていくことしかできなかったのだった。
危うし、私のマネージャー生命。
なんていうのは、もちろん冗談だけど。
前を行く2人の背中が、嫌に憎らしく見えた夏の日。
ボールでもぶつけてやろうかと思ったのは、もちろん内緒。
代わりに、お礼の言葉を考えないと、ね。
そんなことを思いながら、残り少ないゴールまでの距離を、私はゆっくり歩いていた。
ところで後ろで水野が呼んでるけど、休憩終わってるみたいよ?2人とも。
終わっとけ。
3000HITゲッターの涼月しゃんからのリク。
つーか、わけわからんぞ、自分(死)
有希嬢の一人称、書きやすいのは書きやすいが・・・まとまりにくいのも現状だ(死)
しっかしまぁ・・・・うちんとこの不破とシゲ。
敵対するどころか、同じ苦労を分け合う仲間みたいになってますよ(笑)
いいコンビだねvv(撲殺)
争ってくれるのも、ある意味私は嬉しいんだが(おい)
いつか勝者は・・・出てくるんだろうか。
そしてそれは、彼らのうちのどちらかなのだろうか・・・(笑)
どうでもいいんですが。これまたUPを忘れてました(死)
ファイルの更新最終日・8月だって(爆死)
故にネタも8月です。ごめんなさいごめんなさいごめんなさい。
ちなみに、読み返すのも嫌なので(待て)読んでません(死)
そこらのミスは目を瞑ってください(死)
モドル