波乱の翌日。
ムカツクくらい晴れ渡る太陽の下には、
上機嫌なマネージャーと、暗いオーラの男が2人。
もちろん、他にも人間は何人もいたりするのだが、
後者2人の不気味なオーラに、近付くものなど誰もいない。
ムカツクくらい晴れ渡る太陽の下、
今日も不吉な予感のするサッカー部部長は、朝から胃を痛めていたりするのだった。
続*或る男共の欠席に関する論争
〜修行の足らぬ男達〜
朝日を受けて行う朝練は、本来ならば爽やかなはずなのに、
ある一角に位置する男共は、オーラがはっきり言って暗かった。
それというのも、前日の論争の結果、
双方ともに答えが間違っていた・・・という、笑えもしない結末になってしまったから。
しかも。
何よりもサッカー好きな彼女が、学校よりも兄の試合を選んだということが、
(ある意味予想はついたけれども)彼らはどうも気に入らず。
片方は、自分の読みの甘さにぶつぶつ考察を繰り返し、
もう片方は、素直に不機嫌さをアピールしていたのだった。
原因の彼女が、朝からハイテンション。
口を開けば昨日の試合の話。兄がどーした、兄がこーした。
浮かれっぱなしの表情が、さらに気に入らない。
ほっといたれや、というセリフが聞こえそうで聞こえないが(謎)
とにかく、男共(特にシゲ)は不機嫌だった。
「――――不破」
「なんだ」
「なんや、めっちゃ腹立つわ」
「何にだ」
「小島ちゃん」
「何故だ」
「笑ってるやん」
「悪いのか?」
「悪い」
「・・・悪いのか」
「悪いねん」
彼女が笑っているのは、実の兄の活躍のためで。
それは決して今ここで不機嫌さをアピールしている彼のためではなくて。
しかも、その上機嫌さから、部員全員に極上の笑顔で接していて。
どうも、モヤモヤした感情が、渦巻いているのだ。
(ちなみに、人はそれをヤキモチという)
実の兄にヤキモチ妬いてもしかたないが。
・・・部員全員に笑顔ふりまくのは許されへん。
より一層の不機嫌オーラを増したシゲに、
隣で同じく座り込んでいた不破も、一言。
「・・・確かに気に入らんな」
「どしてん、いきなり」
「昨日、小島は練習を差し置いて、兄の試合の観戦に行ったのだろう」
「それがどしてん」
「いつもなら、先頭切って練習をしろと喚くにも関わらず、
真っ先にそれを破るのは気に入らん」
「あー・・なるほどなぁ」
「・・・それについて謝罪もなく、普段と変わらぬところもだ」
「――ようは、笑ってるとこやろ」
「・・・・・」
「せやろ」
「・・・そうとも言うな」
練習しろと喚くのはマネージャーの彼女の役目で。
それを1日行わなかったのは、彼女個人の問題で。
ようは、兄の試合観戦で。おまけに上機嫌で終始笑顔で。
・・・その笑顔で、今日1日接するつもりか。
晴れ渡る太陽の下。
互いの不満をぶちまけた(?)男共の周りは、
恐らく紫外線等も全て跳ね除けてしまえるほどのオーラが発生(待て)
こんなオーラを携える危険人物1・2に、話しかけるものなどいるのか!?
・・と思いきや。
実はいたりなんかして。
「不破ーーーっっっ!!シゲーーーーー!!!!!
練習サボってないでさっさと来なさーーーーーーい!!!!!」
少し向こうのマネージャーが、
実はずっとサボっていた2人に、大声でかつを入れる。
いや、かつと言っても、それは今まで言った通りの笑顔のままで。
迫力もなければ何もない。
しかも、その笑顔は今までさんざん気に入らず、腹立たしかったシロモノで。
反応なんかしたくないのに。
体が勝手に動いてしまうのに、逆らう術などないのだ。
有希の言葉に、ほぼ同時に立ちあがった2人。
お互いの似た行動に、はたと顔を見合わせ。
「・・・腹立たしいのではなかったのか」
「・・・気に入らんのとちゃうかったんかい」
と、互いに笑い合ってみたり。
かくて、まだまだ修行の足らぬ男共は、
2人揃って、敵わぬ叶わぬマネージャーに向かって走り出した。
ちなみに、そのマネージャーの後ろで、
さんざん2人に喚いていた男子サッカー部部長がイジけていたとかいうのは、またまた別のお話。
=閉幕=
言わなきゃならんコト
フィン嬢へのキリリク(5000HIT)の続編(死)
そして男共は今日も負け続ける(待てぃ)
女の子が強い。ってゆー構図、大好きです(笑)
報われるな、シゲ・不破。そして、頑張りつづけろ(撲殺)